【ホロライブレビュー.03】B-2《訪れない「いつか」》include:天音かなた、宝鐘マリン、不知火フレア、兎田ぺこら、沙花叉クロヱ

VTuber




「環境」に昇華した女

✔ パンチを入れて時には突き放し、何なら強めに踏みつける類の攻撃的なムーブは宝鐘とコラボする上で、誰にも避けられないノルマのように思える。湊、紫咲、大空、星街、戌神、3期等が宝鐘にいい顔をさせているシーンを洗ってみると、それは大抵宝鐘を攻撃・拒絶・否定する事から始まっている。叩いてくるから叩き返している者、信用ならないから叩いて牽制している者、適切にイジるといい反応を返す事を知っているから叩く者、攻撃的に動く理由はそれぞれだが、宝鐘と距離を詰める上で「攻撃」は避けられない基本動作である事が、彼女達と宝鐘との絡みから読み取れる。

宝鐘を攻撃的に扱わないホロメンは白上、大神、猫又、角巻、常闇、姫森、獅白、桃鈴、尾丸等だが全員宝鐘とは距離があって、年一クラスの特別な場でしか絡まない。「攻撃するか離れて静観するか」宝鐘との関わり方はその二択から選ばざるを得ない事が見えてくる。

それでも「攻撃しないのに近寄る」という奇特な選択肢をとるホロメンも中には居て、例を挙げれば鷹嶺、博衣、天音辺りになるが、この三人と宝鐘のコラボは地獄のように面白くなく、宝鐘の通常配信の水準を漏れなく下回る。理由は宝鐘が相手の余りのつまらなさに焦れてパワハラモードに入ってしまうか、それすら憚られるから気を遣って大人しくなってしまうからかのどちらかだが、宝鐘という高機能ライバーをこんなにしてしまうぐらいなら当然コラボなんかやらない方がいい。「宝鐘と付き合う以上攻撃的なアクションは避けらない」若しくは「宝鐘を上手く扱うのは自分には無理だから下手に触らないでおこう」という、正常な選択肢のどちらともをこの三人はとれていない訳だが、メンタルとフィジカルの二つに全ステータスを振った能無しの二人と精神の根幹を病魔に侵されている一人の三人なので、この異常行動も致し方ないのかも知れない。

「攻撃」「敬遠」「バカ」の三パターンを挙げたが、そのそれぞれに属するホロメンが「成功組」「成績不振」「空回り」という形で、一部例外を除いて綺麗にグラデーションを描いている事にお気付きだろうか。「宝鐘マリンと逃げずに打ち合う」という判断を下せてそれをやり切れてしまうセンスと技量を持つ者こそが成功者足り得る、という事がここから分かるが、それを踏まえて言えるのは宝鐘マリンとは全ホロメンにとって「大喜利」であり「試金石」でもあるという事だ。強大な才能を携えた抑制の利かないこのバケモノは、全ホロメンにとって今や同僚やコラボ相手ではなく「環境」その一部と呼べる程になってしまった。ここから先「宝鐘マリンを上手く扱える」は声真似、ASMR、ゲームの腕前、絵が上手い、トークが上手い等といった、取得しておけばライバーとしての活動にプラスに働く技量の一つだと考えて良い。それを押さえているホロメンが軒並成功しているのだから、そう判断せざるを得ない。

最近やたらと宝鐘と絡んでいる天音だが、「宝鐘マリンを上手く扱う」という条件を、天音は満たせていない。コラボ中の天音を見ても宝鐘に何のパンチも入れていないし、響く形でイジれていないし、機嫌を損なわないように及び腰で絡んでいる事が見え見えだ。例えノリでも宝鐘の顔色が悪くなると飛び上がっておだてにいく、その姿はいくら負け様が売りの天音でも目に余る。こんな力の上下が一見して分かるような、不健全な絡みがかつてホロライブであっただろうか。こういう気持ちの悪い絡みがないからリスナーはにじや個人ではなくホロライブが好きなのだが、天音にはその辺りが分からないようだ。


宝鐘を攻撃する女達

✔ 19:11~ 逆凸企画にて、通話が繋がる前から攻撃的な星街すいせい。宝鐘との適切な距離感を目視で測り、アウトボクシングのように遠巻きにつつく事で付かず離れずの良好な関係を維持する。勘とセンスに秀でた星街らしい付き合い方。


✔ 上動画のように刺して下動画のようにデレる往復ビンタを繰り返す事で宝鐘をメス化させ、その関係を維持して久しい不知火フレア。宝鐘をおもちゃのように転がして遊ぶのがマリフレでの不知火の基本ムーブだが、宝鐘はどう見てもそれを喜んでいる。

下の動画で不知火の話をする、恋する乙女モードの宝鐘と天音とコラボする不気味な宝鐘、どちらに価値があるか、どちらをリスナーに見せるべきかは誰が見ても明らかだろう。


✔ 3:46~ オフコラボ終わりに兎田が家に泊まっていく事を想定して色々と準備した宝鐘を、これといった理由もなく袖にする兎田。忙しい間を縫って大掛かりに掃除したり物を買ったりした事を聞いた上でのコレは少々酷なようにも思えるが、袖にされた宝鐘自体は悪い気はしていないようだ。

兎田と宝鐘の関係は、思春期の妹と妹大好きな姉の関係だ。散々手をかけて気まぐれに振り回されるその感覚が、宝鐘にはいない下の姉妹との関わりが出来たようでたまらないのではないだろうか。

兎田は、周囲に結構な迷惑を振りまくタイプの芯の強い人間だが、周りの手を煩わせてまで自分を貫き通すその姿勢は、一方で非常に魅力的でもある。周りを撥ね付けるという事は反感を買う恐れもあり、非常時に助けを請えない恐れとも向き合わなければならない事でもあるが、天音のように施しによる貸し付けと、卑屈に振る舞いヘイトを逸らす形で保身を行う人間には一生得られないカリスマ性を纏う事が出来る。兎田がリスナーと共演者の両方を惹き付けて止まないのはそういう訳だ。


✔ 1:35~ 天音を異常者扱いする沙花叉。ホロライブどころかにじさんじ・個人勢でも昨今なかなか見ないレベルの暴言。ここまで言われても沙花叉を最も仲の良いホロメンの一人に挙げる天音からはプライドも矜持も何も感じられない。

これクラス、というか見下しや陰口に値する発言を受けても猶継続している関係というのは、ホロライブにはない。沙花叉が今箱の中で完全に浮いてしまっているのはこういった形で一人だけ箱の趣旨に合わない言動を繰り返しているからだが、全員が背中を向けているこいつを天音だけが受け入れているのは求められて奉仕をする事で得られる自己肯定感欲しさ故だ。天音は自分から人を選んで近付く事は否定される恐れから決してできないが、求められると基本的に誰にでも応じる。沙花叉みたいな、全員が「相手をするべきではない」と明確な根拠から判断している人間でも受け入れて、あまつさえ下手に出て擦り寄る天音の様子は誰が見ても卑屈で気持ちが悪い。当然魅力もないし、卑屈な腰抜けなのが沙花叉みたいな動物人間にも分かってしまうので、やはり誰の事も惹き付けられない。天音はアイドル・タレントという職が根本的に向いていない。

沙花叉みたいなカスに推しが蔑まれている様子を見て、平民は気分を害さないのだろうか。大空も星街も、宝鐘も兎田も、ホロメンは基本的に誰だって自分を強く持って情けない姿を晒さないようにしているが、それだってアイドルとしての立派なファンサなのではないだろうか。宝鐘が天音を奴隷のように使いまわす悪行に出たのも沙花叉が暴走しているのも、どちらも天音がしっかりしていない事が原因で、やはり責任は天音にある。宝鐘と沙花叉はどちらもクズだが他のホロメン相手にここまではやらない。沙花叉が天音の次にイキっているのは尾丸のようだが、尾丸も病気なのでこれはやはりやられる側に責任があると考えるべき問題だ。


今年終わる未来、20年続く未来

✔ ホロメンはしきりに「この仕事をいつまでやっていられるか分からない」と言う。それはホロライブの今の勢いがいつまで続くかは分からないし、VTuberというジャンル自体が廃れてしまう可能性もある、という意味合いだが、それを考える意味自体、一体どこにあるというのだろうか。5期生以上のほとんどは軒並み億相当の貯金がある筈だし、ホロライブが潰れてVTuberという文化自体が途絶えても、個人の生主として先々まで生活していく事ぐらいは、中心的なホロメンであれば誰にでも出来るだろう。

逆に「この先20年続くとしたら」と長いスパンで先を見た上で、日々の活動を組み立てているホロメンが一人も居ない事には笑ってしまう。ゲーム、ゲーム、雑談、ゲーム、ASMR、ゲームみたいなワンパターンを繰り返していたら例え大空であっても10年を越えた辺りでおかしくなってしまうと思うのだが、その時の為の下準備は今からしておかなくていいのだろうか。

他のホロメンとまともな関係を築かず利用する目的で近付いて来た人間に迎合し、隷属する事で病気みたいな画しか作れない天音も結局は同じ事だ。別世界とかいう1000万円ガチャをやって時間や金や人脈までもを捨てる事や大空や不知火といった事務所の核といつまでも繋がろうとしない事を見ても、天音は先の事を全く考えていない。

ウィンウィンの関係で繋がれる協力者を作らない、人を踏みつける事が生き甲斐のクズに時間を献上する、目標から逆算する形で努力を行わないから何も達成出来ない、弱くて病的な自分を認めて強くなろうとしないから華もカリスマも出ない、結果仲間とファンの両方を延々と失望させ続ける……そんな事をこの先5年、10年、20年と天音は続ける気なのだ。「そんなつもりはない」と本人が言ったとしても「じゃあいつ直すの?」と尋ねると絶対に答えは返ってこない。そして本当にその通りに生きて人生を無駄にする。この時代に生まれてホロライブに所属出来たという、破格の爆アド人生を。


✔ やたらと口にする「誰々(ホロメン)は僕の事好きだと思ってたけど、違ってた」。動画では博衣や風真の名を挙げているが白銀や沙花叉、不知火等の名前が挙がる事もある。

ホロライブで同僚から好かれるライバーは全員自分から周りに声をかけて繋がりを築いているのだが、一ミリも動かない自分に何故人から好かれる可能性があると思えるのだろうか。自分からアクションを起こさないまま同僚に好かれているのは兎田ぺこらぐらいだが、兎田は天音のように卑屈な腰抜けじゃないから同僚を惹き付けている。兎田と同じパターンの構えを天音なんかがとっていい訳がないのだが、兎田と自分の格の違いも分からなくなっているのだろうか。

この「誰々は僕の事好きだと思ってたけど、違ってた」と言っている時と貧乳を否定する時の天音は妄想が過ぎて狂っているようにしか見えず、かなり怖い。


ダークソウル配信は別世界で失敗した傷心から引き籠って現実逃避する意識で始めた物だと思うが、幸運な事に評判はすこぶるいい。SEKIRO、デモンズ、ダークソウルⅡ・Ⅲ、ブラッドボーン、そしてエルデンリングとフロムゲーはまだまだあって、全部プレイするなら短くとも半年以上は時間が稼げるだろう。その間に天音は今後の活動方針についてゼロから考え直すべきだ。自分の終生の棲家になると思しきこの箱の中で人から逃げ、自分の弱さから逃げ、考えず見据えず戦わず、楽な方向に流されてばかりのこの活動をいつまで続けるのか、5年か、10年か、20年か、その期間に果たして意味はあるのか、と。

天音が同じ場所をぐるぐると逃げ回っている今この時にも、他のホロメンは着々と前に進んでいる。大空も星街も、宝鐘も兎田も不知火も、自分の弱さと欠点に苛まれながら逃げずに、自分のやり方で一歩ずつ、いつか実を結ぶ、いつか分かって貰えると信じながら。天音にだけはその「いつか」が訪れる事は、決して無いのだ。


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