【ホロライブレビュー.03】D-4《郷が従ってどうする》include:大空スバル、小鳥遊キアラ、kson、大神ミオ、赤井はあと、宝鐘マリン、ムーナ・ホシノヴァ、ハコス・ベールズ、がうる・ぐら

VTuber


【①.EN・IDとJPの距離を近づけるために努力すべきなのはEN・IDの側】

【➁.完成された英語力は日本人ライバーの配信においてむしろ邪魔】

【③.意識が低く努力が足らず、分別の無いEN・IDは現状JPと絡むとお荷物にしかなり得ない】

【④.大空は動物に例えるならアヒルではなく猪。視野が狭くて場当たり的で、大局を見て先行きを推し測る事が出来ない】




ライバーの活動に英語はいらない

✔ これまでの記事で大空が行っている英語学習の粗と、正しい英語のマスターの仕方を書き連ねてきたが、大空が英語をマスターする意味自体実はそもそもない。大空は今無駄なスキルを習得する為にスパルタな英会話講師にしごかれ、毎日一時間以上机に向かい、日毎五十近い英単語を暗記している。

大空が英語をマスターする目的は「①ホロライブEN・IDと円滑なコミュニケーションをとる為」、「➁海外ニキへ意志伝達を行う為」だが、➁に関して言えばD-1の記事で触れた通り、桃鈴が利用している多言語対応型翻訳機を手元に置いて白上が導入している翻訳+テロップ表示を同時に行うソフトを配信に適応すれば十分に事足りるだろう。雑談配信では事前に用意したエピソードの全てをマネージャーに翻訳させそれを背景に貼り付けているが、この形式が一番いいし、この程度に留めておくべきだ。仮に大空が英語を完全にマスターしバイリンガルと言える程になったとして、日々の配信で英語と日本語の両方を用いて都度日本人リスナーと海外ニキの両方に語り掛けるようになった場合、思わぬ弊害が発生するからだ。


流暢な英語≒配信の邪魔

✔ 重めの話題に対して英語で、アメリカ人のセンスを下敷きにした言い回しを用いて応えるkson。この動画は切り抜きなので日本語テロップが入っているが、元配信に当然それはなく、ほとんどの日本人には追えない内容。日本語と英語の両方が入り混じるksonの配信は、ほとんどの日本人にとってその100%を楽しむ事が出来ない。

切り抜きになって内容を理解出来る段になっても、アメリカ人のセンスと言い回しで発せられたksonの言葉は、やはりほとんどの日本人にとって受け取り難い。ksonがここで喋っているのは面倒なスパチャを処理する為の建前でお為ごかしだが、アメリカ流のそれを出されても日本人リスナーにしてみればコメントでどう同調していいかすら難しく、しんどいだけだろう。


✔2:10:33~2:12:20頃まで、日本語と英語を行ったり来たりしながらコメント対応を行うkson。日本人リスナーは当然この間何も面白くない。

「英語と日本語の両方が話せる」という事以上に、「アメリカ人の感性と日本人の感性のどちら共を自分の中で両立させている」という意味で、ksonは非常に稀なライバーだ。アメリカ人のセンスを下敷きにした英語と日本人のセンスを下敷きにした日本語、その両方を扱える事はもちろん高機能ではあるのだが、一つの配信で両方を混在させてしまうと外国人と日本人、どちら共が100%は楽しめない物が出来上がってしまう。だからksonの配信の視聴回数は、ホロライブ時代から一貫して非常に不安定だ。「両方やれば両方共引き付けられる」という思惑が外れ、「両方やったせいでどっちつかずになっている」という現実がそこにはある。

大空がネイティブ並の英語を身に付け、それを日々の配信で海外ニキ相手に振るいだした時、多くの日本人リスナーにとってそれは配信の質の劣化にしかならないだろう。何のコンテンツでもそうだが、観せる対象を絞った上で特化させなければまともな物は作れない。配信では英訳を背景に貼り付け、翻訳機や翻訳ソフトを用意すれば海外ニキへの意思伝達には事足りるし、それ以上やってしまうと日本人リスナーにとって観辛い物になってしまう。アドリブで反射的に、差し込むように流暢な英語をあくまで付け足しとして使いたいというのであれば、その程度にしか使わないスキルの習得の為に毎日一時間以上も時間を割いて教室通いまでするのは時間の無駄でしかない。そんな時間の使い方しか出来なくなっているという事は大空は活動上の新しい展開を打ち出せなくなっていて、これまでと同じパターンを繰り返すうちに暇を持て余し始めているという事だろう。やたらと重ねる習い事の中に「カラーコーディネーターの先生にアドバイスを受ける」という物が最近追加されたが、これを見ても近頃何をやればいいのか分からなくなってきていて迷走が始まっている事実が窺える。

残る英語履修の動機は「①ホロライブEN・IDと円滑なコミュニケーションをとる為」だが、これに関してはそもそもそれをやる必要自体がない。


EN・IDの体たらく

✔ 32:37~ 2022年年末特番の「誰が蕎麦を啜っている音か当てる」コーナーで上手く蕎麦が啜れない小鳥遊キアラ。小鳥遊はオーストリア出身のENホロメンで、麺類を啜る文化のない国の出身。

現状ENがJPと交わり、取れ高に昇華出来るのはこの類のムーブに限られる。この蕎麦の件は「日本文化が好きで取り組んでみるものの出身国との違いで上手くいかない(しかも欧米の国の金髪白人美少女が)」という日本人が一番好きなパターンの典型例だが、JPのリスナーはEN・IDにこれ以外を求めていないだろう。


✔ 36:51~ 「誰が蕎麦を啜っている音でしょう」の回答パート。「一番下手な音をさせていたのは小鳥遊」という大神の回答に異議を唱える地獄ノリを始める小鳥遊。

面白くないから黙って座っとれEN、だけで済ませられない問題がこのパートにはいくつかあって、まずは「①大神は小鳥遊のチームメイトで、大神が正解すると小鳥遊的にはプラス」という事を小鳥遊が理解出来ていない点。このクイズコーナーは日本人であれば一瞥しただけで大まかな概要とルールを理解出来る絵面でお送りされていて、共演しているJP、そしてリスナーに対して小鳥遊だけが付いて行けていない。にも関わらず外国人の自己主張の強さでたっぷりと時間を取って見切り発車のノリを仕掛ける為、流れも空気もぶち壊しで邪魔にしかなっていない。

そして「➁JPはEN・IDを腐せない」ので、共演者は小鳥遊に対して「チームメイトの邪魔してどうすんの」「一回黙って、落ち着いて」という適切な突っ込みが出来ない。大神だって本当はそれが言いたい筈なのに無理に合わせて地獄の時間を上塗る始末。このコーナー中小鳥遊はこの調子でずっと邪魔で、面白くない上に尺を取って場を冷ます動きがまるではあちゃまのようだが、そんなのに突っ込みも入れずに放置せざるを得ない時点で笑い・バラエティの場に呼んでJPと絡ませる上では害悪にしかなり得ない。


✔15:33~ 「以心伝心」の意味を質問する小鳥遊。「外国人が臨時ゲストとしてゲームに参加している」という前提を踏まえた、日本人リスナーにも受け取り易い100点のアクション。「以心伝心ドウイウ意味デスカ?」という中途半端な片言で尋ねるのもいい。これもやはり「日本好きの外国人が日本文化を理解しようと、たどたどしくも頑張っている」動き。


✔ 54:00~ 伝言ゲームの出題役になり、最終的な答えが大元と違うにも関わらず正解判定を下してしまう小鳥遊。元の文章と違うにも関わらず正解にした理由は「大体同じ意味だし、自分好みの言い回しに変わったから」。コメント欄は「だめだろ」で大混乱、MC白上大慌て、共演者はぬか喜びでもう滅茶苦茶。

小鳥遊の判断は日本人ならどんなバカでも下さない物だが、これで「外国人らしいミスで可愛いね」とはならない。蕎麦を啜るのが上手くいかない事や「以心伝心」とこれが違うのは小鳥遊が「日本側に寄り添おうとしているか、下に付こうとしているかどうか」という点にある。その点を踏まえないのなら日本人のノリや笑いを全く理解しない外国人ホロメンなどJPばかりの場では邪魔にしかならない。

簡単に言えば日本が本場で、日本人タレントが回しているVライバーの活動シーンに外国人が後乗り・少人数で割って入ってきている以上、お互いが一所に集まって円滑にやっていきたいのなら言語・文化・笑い・バラエティ・ノリ全てにおいてEN・IDが勉強してこちらに合わせにくるべきだろうという話だ。それが言ってみれば異物である海外ホロメンが入り込んでも日本人リスナーを変わらず楽しませる方法であり、また海外ホロメンが好感度と新規固定リスナーを獲得する方法でもある。大空が海外ホロメンに合わせて流暢な英語を振り回す機会が増えた場合、これまでの大空を観ていた日本人リスナーの楽しみは少なからず減ってしまい、本末転倒も甚だしい。


✔ 34:33~ 「難しい英語コメントして、今からこいつ(宝鐘)に読ますから」とリスナーを煽る小鳥遊。それの何が面白いの?リスナーそれ観たがってるか?誰の配信に来てるか分かってる?という話だが、ENやIDにはその類を考える能力自体、恐らく備わっていない。宝鐘が自分に合わせてこれまでにない程遠慮した態度を取っている事をありがたいと思うどころか、そもそも気付いてすらいない。

宝鐘をしても海外ホロメンを腐す事は出来ない。地雷がどこにあるか分からないし、素で絡んでも受けて処理する力がある訳が無いので、海外ホロメンと絡むJPは誰でもこの配信の宝鐘のように遠慮して自分を殺し、いつもの何分の一も面白くなくなってしまう。上に挙げた年末年始のクイズコーナー同様、はあちゃまクラスの迷惑ムーブをパッシブ発動する相手に突っ込むでもなく止めるでもなく、スカすでもなく徹頭徹尾合わせに行かなければならない地獄。年一以下だからギリギリ耐えられる害悪コラボと言える。

ここ最近繰り返される海外ホロメンの来日・連日のオフコラボだが、その目的は彼女達の事をJPに付いているリスナーに知って貰い、彼女達のチャンネルに誘導する事にある。その目的を果たす為にもやはりEN・ID側がJPに合わせ、JPのリスナーが素直に楽しめ好感を抱くような動きを心掛けるべきではないだろうか。


✔ 小鳥遊→ハコスに続いて矢継ぎ早に来日し、JPとのコラボ週間を行ったホロライブIDのムーナ・ホシノヴァ。その前に来日した二人と比べて「ちょっとおっとりしてるかな」以外の目立った差異はない。小鳥遊、ハコス、ムーナにどんな性格上の違いがあってもJPのリスナーにとっては皆同じ、満足に喋れずノリもセンスも面白くなく、推しのチャンネルに現れてその日の配信を望まない形に歪めてしまうだけの存在だ。


✔ 58:27~ 八割方のJPリスナーにとって興味の無い、馴染みのないライバー二人が意味不明な言語で何やらくっちゃべる時間が延々と続く「大空警察2023」地獄の海外ホロメンパート。大空警察だから皆大空を、次いでJPホロメンを観たくて来ているのにこれは余りに酷い。

通訳をしているのはこの時来日していたハコス・ベールズだが自分の役割がよく分かっていないようで、通話相手の言葉を迅速に翻訳して大空に伝える事をしなかったり、勝手に話し込んだりしていて企画が円滑に進まない。一番まずいのはEN同士の会話が続く限り大空は黙っているしかない事で、これだけ長い間黙られると最早誰の配信で何警察なのか分からない。このレベルの害悪ムーブもJPだとはあちゃまぐらいしかやらないだろう。

大空が英語を習い始めた動機となったのが正にこの配信のこの部分で英語の会話に混ざれなかったからなのだが、これだけ好き勝手やるENを観ていて大空が向こうに合わせるべきだと思う人間はさすがにいないだろう。本家JPの先輩の、年一の特大企画に呼んで貰って日本人リスナーに拡散して貰うのだから、ノリも何もかも向こうが合わせるべきだし、言語も向こうがこちらに合わせるべきだ。お邪魔している身分をわきまえずまともに働かない通訳のENと、人気に胡坐をかいて端から日本語を喋る気がない、習得自体もとうの昔に投げ出した鮫のENの無作法が、海外ホロメンの意識の低さと分別の無さを物語る。


猪ホロメン、大局が見えず

✔ 大空が英語をマスターする目的は「①ホロライブEN・IDと円滑なコミュニケーションをとる為」、「➁海外ニキへ意志伝達を行う為」だが、どちらに関しても大空が英語をマスターする形で対処すべき問題ではない。①に関してはEN・IDがJP側に合わせて円滑なコミュニケーションを実現させる努力をしなければ誰にとっても得る物が無いし、➁に関しては背景への英語訳の貼り付けと桃鈴・白上両名と同じように、ツールを用いた補助を行えば明日にでも実現出来る。それ以上向こうへ擦り寄るのは進歩ではなくブランディングのブレと配信の質の低下でしかない。大空を現行で追ってくれている日本人リスナーはそれでより楽しめるか、大空自身は本来の持ち味を損なわないか、その点を考えればすぐ分かる話だ。

大空のライバーとしての生活は、短く見積もってもこの先二十年近くは続くだろう。英語はその道すがら長い目で見てゆっくりと上達していけばいい。翻訳機のような補助を片手にEN・IDとなるべく頻繁に絡み、追えなかった部分やつっかえた部分をアーカイブ等履歴から復習する形で、または彼女達の配信の切り抜き等から勉強する形で、無理のない範囲で続ければ文法や単語力は嫌でも上向いていく。リアルタイムでの会話は彼女達をモノマネするように、抑揚やアクセントの付け方、ワードセンス、文章の組み方を学んでいけばいいだろう。英語で話す際の外人ノリがクソサブい大空には文法や語彙力よりこちらの方が大事な点かも知れない。

どうしても座学がしたいのなら中学生用の、標準レベルの英語の問題集を書店で購入して短期集中でやり切るトレーニングでもすればいい。どんなにジャンクな英会話でも中学英語の文法はさすがにマスターしていなければ追いつけない。中三の最難関、関係代名詞や現在完了は省いたとしてもそれ以外は何度やっても間違いなく100点が取れる程まで詰めると大空の英語力は飛躍的に上昇するだろう。「Did you listening the word?」みたいな形で中一の英文法でつまずく情けないシーンもよく見かける。その程度の癖に英会話教室だ毎日単語五十個だと形だけそれっぽく取り繕っても効果など上がる筈がない。

そしてそもそも今この時に、大空には英語なんかに手を焼いている暇はない。うまくいかなかったからとりまそれを改善する、みたいな目先の事ばかり気にしているせいで今大空には箱の中で起きている重大な動きが見えていない。大空が介入するしかないし、大空にしか触れられないそれらは、英語の履修やホロライブの海外領域とのコネクトなどより余程急を要する案件だ。


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