【ホロ些事!】01-J《丘船長は老けていく③泣いて、ヘラって、愚痴言って-Ⅰ》include:宝鐘マリン/白上フブキ/星街すいせい

VTuber





成果を挙げてもやっぱりヘラる

✔3:35~ 直近でヘラっていると明言した歌配信の模様。ヘラる→治る→ヘラるを繰り返すのは宝鐘デビュー以来のテンプレパターンだが、後ろを向いて何やらごちゃごちゃやっているこの配信の冒頭部分のようにヘラったらヘラったなりの笑いの取り方をしてくるのはやっぱり天才なんだなこいつとしか言い様がない。

去年と違ってヘラり方が浅いのか最早ヘラる事自体に慣れてきていて、ヘラった自分自身をこういった形でコントロール出来るようになってきたのかは分からないが、一つだけ確かなのは宝鐘の「ヘラる」はネタのように見えてもガチである点。前の記事で挙げたような今のVとしては革新的とも言える活動の数々を矢継ぎ早に行い、目に見えた成果を誰よりも多く挙げておきながらその傍らで「自分の存在意義って…」と落ち込む矛盾した思考パターンが存在している事に注目。


10歳年上の同性がこれをやってくる恐怖

✔ 7:05~ こちらは上の歌配信より少し強めにヘラっていた数カ月前の飲酒雑談。フラストレーションが溜まるとヤケ酒気味に飲酒雑談を行うのはホロメンあるあるだがそれも宝鐘がやるとモノが違い、このシーンの紫咲へのダル絡みなどやはりとんでもないクオリティ。──30過ぎがハタチの同僚にこんな事出来るか普通…

ヘラって限界化した上に酒まで入っているにも関わらずこのクオリティのムーブが出来ている事から分かるのは宝鐘はただ何となく動くだけで笑いが作れてしまうという事。ここまでに挙げた他の箱の大型Vとのコラボ然り「美魔女の真実 -マリンの秘宝船-」の成功の素となったセルフプロデュース能力然り宝鐘の活動は多分に考え尽くめだが、それが出来ない状態で見切り発車気味に、手ブラのノープランで始めたこんな配信でも宝鐘は面白く出来てしまう。他だとどんな売れっ子でも決して行えない芸当をいとも容易くやって除けてしまう、それは紛れもなく「超VTuber級のお笑い能力」だ。


「面白い人」と「面白い事が出来る人」

✔ お笑いの専門家たるテレビ地上波のお笑い芸人達は生まれ持った性質により「面白い人」と「面白い事が出来る人」に二分される。「TVに出てないようなマイナーな芸人でもトップYouTuberより全然面白い」とは仮面を着けたとあるオワコンYouTuberが言った言葉だがその通り、地上波常連の売れっ子を志して笑いの鍛錬を積んだ芸人はYouTuber・VTuberなどとは比べ物にならない程「面白い事が出来る」。笑いのルールを学んでネタのストックを積んで、「間」を体得した上で上手の芸人達からのインプットを欠かさなければ根が余程無能でない限り芸人は誰しも「面白い事が出来る」……訳だがそんな芸人の9割9分は売れない。ある種訓練を積みさえすれば誰でも会得出来てしまう技能にお呼びがかからないのは当然と言えば当然の話と言える。

TV地上波常連になれるような芸人は皆「面白い事が出来る人」ではなく生まれつき「面白い人」だ。似たような字面だがその二つの違いは上に挙げたようなプロ芸人になる為の訓練を積む前から面白いか・そうでないかに依る。ネタも用意せず間も分からないままただ何となくやってみた事が不思議と衆目を集め場を沸かし、観ていた者に不思議な余韻をいつまでも残す……それが「面白い人」だし、「芸人としての才能がある人」とも言う。

メンタルが限界を迎えていたり、その上酒まで飲んでいたりノープランだったりで本来ならデバフにデバフを重ねたような状態でありながらただ何となく動いて他のVがどう逆立ちしても無理なレベルの笑いを作れてしまう宝鐘は芸人で言うところの「面白い人」だ。淡泊で平坦な精神をしていて感覚ではなく鍛錬でお笑いを作ろうとする人間には決してたどり着けない境地がそこにはある。

ちなみに言っておくとホロライブの「面白い人」ではなく「面白い事が出来る人」……ですらなく「面白い事をしようとする人」の代表は白上だ。このブログでも何度か書いている事だが独自の発想で笑いを作る事はおろか最低限場の空気や流れを読んでせめて共演者の邪魔にならないよう大人しくしている事すら出来ない白上は自分をそれなりの「面白い人」だと勘違いしている上笑いに関して不勉強で「面白い事が出来る人」にもなれず、ただ闇雲に「面白い事をしようとする人」になってしまっていて………要するに「面白くない人」という事だ。

生来「面白い人」である宝鐘が「笑い」をやって成功しているように、自分が生まれつき「どんな人」であるかという事を把握した上で活動方針を形作っていくのは全Vにとって非常に重要な点だと言える。白上の敗因は自分が元々面白い人ではない事を自覚出来ていないまま動き出してしまっている事で、決して面白い事が出来ない事自体ではない。清純派で綺麗めで引きのある声質で、何となく喋っているだけでチャンネル登録者数が爆伸びした事を踏まえると、白上が自分の強味と自覚して擦って伸ばして行くべき部分は自ずと分かる筈だし、それは決して笑いなどではない。──だから僕は何度でも言う、ボケるな白上、狙うな白上。──お前がボケると、配信が終わる。


「超VTuber級」にはVの領域を超えた場での活躍を

✔ 宝鐘のお笑い能力の他にホロライブが保有するもう一つの「超VTuber級」は超VTuber級の歌唱力を持つ星街だが、星街は少し前地上波の大型歌番組に出演している。それは「超VTuber級の実力を持つ者にはVTuberの領域を超えた場所での活躍を」というある種当たり前の活動方針な訳だが、同じ「超VTuber級」である宝鐘は地上波はおろか星街にとってのTHE FIRST TAKEのような形でV業界の外に出る事もほとんどなく、今やっと事務所の外の近しい領域に少しずつ目を向け始めたばかりだ。

ネットでのバズり→地上波への出演と順調に階段を上っている星街は今後時間と共にレコ大・紅白への出演、「ONE PIECE」や「ポケモン」のような有名アニメ映画の主題歌の担当等を経験していく事になる筈だが、上の領域への階段を一つも上っていない宝鐘にとってのそれに当たる物は今後実現されるかどうかすら怪しい。そして勘が良い上に人一倍考える事も出来て、自分の才能や技術が「超VTuber級」である事も把握出来ている宝鐘はこの事を、少なくとも体感では理解している。

もっと広い領域の、もっと上に居るプロ達と十分に殴り合える実力を備えているのに実際やっている活動は、抜きん出ているとは言え所詮VTuberの域を出ない。どれだけ動いてもやっているのは結局自分の実力以下の仕事ばかり……その不完全燃焼がもたらす欲求不満とフラストレーションによるイラ立ちと倦怠感、それが宝鐘の寄せては返す「ヘラり」の正体だ。


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