✔ 今の地位や実力を以てすれば前記事で挙げたような形でV業界の外と繋がって次の段階を目指していく事も可能な宝鐘がこの記事シリーズの初めに挙げたような形で事務所の内側か、外と言っても同じ業界のすぐお隣ぐらいまでにしか働きかけを行っていないのは不足過ぎると思わないだろうか。「業界1位」の肩書きを見てもいいしチャンネル登録者数が200万人代の後半に突入し、今でも月5万人以上などというペースで増え続けている状況を見てもいいのだが、宝鐘が今年行った活動はそれに見合った物だっただろうか。他のVとは桁が違う、トップの地位に居るからこそ与えられている莫大なアドを使い切る事と、業界を牽引する責務を宝鐘は今年果たせたと言えるだろうか。
✔ 3:29～ オリジナルラインスタンプの宣伝を行う宝鐘。とっても怖い話だがこのラインスタンプは全て宝鐘の手描きだ。
ラインスタンプというのは宝鐘の身内のようなファン、つまりゴリゴリの一味という極めてコアな層しか使わない。業界1位の大スターが自分の箱の中にある自分のチャンネルの、そのまた更に中心部のコアな層だけを対象にしたグッズの製作の為に机に向ってチマチマと絵を描く作業をしていた事を思うと背筋が寒くなる。事務所下位のホロメンも専ら自分のチャンネルのコアなファンに向けた活動に終始し勝ちだがグッズ自体を製作する事に纏まった時間を割いたりはさすがにしていないだろう。
学生の頃作った黒歴史ゲーがハイクオリティなPVに昇華された例を見ても分かる通り、それが何であれ宝鐘の作った物には今須く多大な価値が付く。グッズ用に絵でも何でも描くのはいいがただ一つ重要なのは宝鐘は今時間を絶対に無駄遣いしてはいけないという事だ。どこか外の領域の大舞台で有名人の一人でも伴って紹介され拡散される訳でもない、既に自分を好きな層にだけ向けた細かい活動──つまり新しく得る物が何もない活動の為に数ヵ月机に向って作業するなどという事は絶対にやってはいけない。ラインスタンプが作りたければ3、4個は自分で書いて後は高校の頃好きだった女にでもやらせるのが適当だろう。
✔ どんなにオワコンでどんなに行き詰っているように見えても、ホロメンには皆必ず役割がある。まず重い腰を上げて箱の中心部に出て来る努力をすべき者、ブランディングを固めていくべき者、てぇてぇや虐のような発展的なスキルを身に付けるべき者、箱の中にいくつか存在する領域をまとめる者、箱の外にアプローチして外からリスナー層を誘引してくる者等様々だが、事務所どころか業界のナンバーワンである宝鐘は業界を代表した動きを当然行っていかなければならない。今ホロライブで一番それをやっているのは直近で外の大舞台に誰よりも多く立った星街だが、宝鐘より明らかにVとして規格が小さい星街の方がそれをやっている時点で筋が通らない。「V業界の外との関わり」に限定するならゲーム特化型の下級ホロメンの方がまだ宝鐘よりやっているがこれもやはりおかしい。
何の領域でもそのトップを取ってそこを統べた人間は必ず別の領域に手を伸ばし、そこで自分の力を見せつけていく必要がある。宝鐘がそれをやらないのはイチローがメジャーに行かないようなものだし、松本人志が関西のローカル芸人のまま終わるようなものだし、アベンジャーズが町の平和を守っているようなものだ。ライトフライ級を統一した後近しい階級に移動して次々と同じ事を繰り返した井上尚弥のような動きを、業界に並ぶ者無しの宝鐘は当然行っていかなければならない。
本人にとっても原因不明な、慢性的に繰り返す「ヘラり」は宝鐘の体が生来雇われ人の小物だったご主人様に向け、その必要性を訴えかける叫びのようなものだ。何かおかしい、こうじゃない気がすると宝鐘はザックリとした感覚で今の活動に釈然としない物を感じているが、業界1位の者が背負う外の世界に向けてアプローチしていく責務には数年後若年層を終えてタイムリミットを迎えるまで遂に気付かないままなのかも知れない。24のラインスタンプを数カ月かけて丹念に描き上げご満悦な様子を見ると心底そう思う。
✔ こういった箱や箱外のごく近い範囲を沸かすような活動は当然やっていかなければならないし、現状それが一番出来るのも宝鐘な訳だが、その準備段階まで宝鐘がやるのは時間がもったいない。星川との動画企画なら天音が同程度の企画を発案しセッティングする事が出来る筈だし、ホロライブのトップを4人集めた配信は少々やり過ぎで素材の無駄遣いなので湊を外して不知火なんかを入れるといいシナジーが生まれるだろう。その企画立案・準備も当然不知火にやらせればいい。
天音はごく稀に行う配信でモデル越しに観ても分かる程目が死んでいてどうやらこの辺りでリタイアのようだし、不知火は大型のホロメンと組ませてシナジーを作らせる以外にVとして使い道がない。企画力と細かなパフォーマンスに優れる天音、絡む大型のホロメンを全て陶酔状態に陥れて謎のシナジーを生むジャイアントキリングな不知火はどちらも宝鐘の傍でその能力を発揮する事で存在価値を高めていけばいい。それで宝鐘は時間が浮いて業界外に働きかけを行う事が出来るし、今後何を考えて生きて行けばいいのか最早分からなくなっている天音や不知火には生産的な課題が生まれる。
単独でVの領域の外への働きかけを行う事が課題である宝鐘に箱内だとか同じ業界のお隣さんへ向けた活動にがっつりと時間を割いている余裕は無い。そういった事は一人ではこれ以上どうしようもない下位存在にやらせ、最後に乗っかる形で企画に華と拡散力を持たせる事だけやっていればいい。
