【 不定期VTuberレビュー vol.2 】a.富士葵

VTuber



【 無間地獄 】
 行き詰ったチャンネルの現状を打開すべくいくつかの宣言をした生放送から一ヶ月近く経つが、どうやら打ち出した施策は効果を発揮しチャンネルの状況は改善しているようだ。生放送に関しては平均1万回以上、動画に関しては平均2万回程再生回数の増加が見られ、Shorts動画の回りも悪くない。ちょっと活動に力を入れるだけで毎回5万回弱程の再生回数を記録出来るのは固定ファンの他に常時なんとなく富士を気にしているVファンがYouTube上に結構な数いる事の表れだろう。

しかし私には今回の施策の発起人であろう運営キクノジョーが頭を抱えている様子が手に取るように分かる。キクノジョーが一月前の生放送でこの施策を宣言した時彼の頭に浮かんでいたのは恐らく各動画平均+5万回再生程の効果で、毎動画10万回再生を超えているぽこピー程は無理でも毎回5~9万回程を叩いているおめシスにはせめて迫れれば、という同じ動画勢を意識した上でのざっくりとした小目標のような物があった筈である。宣言以降伸びたとは言え富士の動画は3万回~5万回再生を記録して止まる事がほとんどで、ぽこピーはもちろんおめシスとすら違う次元にいる。

私は以前の記事で「キクノジョーは富士が相手だと気を遣ってしまい、備えている笑いの能力を出し損ねてしまう」と書いたが、どうやらそれは誤りであったようだ。富士とキクノジョーは嚙み合わせが悪く、「相性が悪い」が正しい。飄々として自分を出さないタイプのキクノジョーを富士は4年の付き合いを経た今も掴めておらず、関西由来の質のいいボケをそうと気付かず「変な奴が言う変な事」と捉えて制止したり咎めたりしてしまう。これは東京を主とした東の文化圏の人間がとる典型的な行動なのだ。ぽこピーとのコラボ時でも富士が一番絡み辛いのは相手の二人ではなく相方のキクノジョーだろう。「富士は相方がボケている事に気付きもしないし、下手をすれば変な空気になる」という事実を知っているのはキクノジョーのみで、空気が悪くなる事や事故のような状況になるのを防ぐ為にキクノジョーは富士の気に障らないよう無難に振る舞うしかない。伝家の宝刀を封じたキクノジョーは他Vとのコラボ時が嘘のようにつまらなくなり、どこか自分をセーブしているような彼の事を富士はもっと掴めなくなる、という地獄のようなループが生まれているのだ。


どちら共が自分を抑えて相手に合わせるタイプである事も痛い。ボケるタイプにはつっこみつっこめるタイプの前では思い切りふざけ、バラエティが出来ないVを優しくサポート出来る優秀な属性だがそれしかいない現場は面白くなりようがない。お互いが合わせる構えを向け合う膠着状態を打破すべく、キクノジョーが先陣を切って無理矢理にボケ始めているがこれは本当に見ていられない。よもやと思うがチャンネル向上の為の努力を彼はこういう類の事だと考えているのだろうか。その程度の人だとは思いたくないものだ。

お互いを好意的に思っているしリスペクトし合っている事は明らかだが場に二人だけだとどちらも絡み辛く感じているのが実際だろう。この図式を打開しない事にはいくら活動に熱を入れてもコンテンツの再生回数は伸び悩む。いくら企画を練って収録に臨んでもこの二人では面白い絡みなんか一つも生まれないのだから。

一月前から富士キクが取り組んでいるチャンネル向上の為の施策は健闘虚しく、二人が想定している目標に達する事なく失敗に終わるだろう。二人の仕事量・努力量は現在ぽこピーにも引けを取らない域に達していると思うが、頑張れば報われる程現実は甘くない。費用対効果を無視したような動画作りに伴わない伸び率と戦う数年を過ごした後、能天気な富士より先にキクノジョーの精神が燃え尽きてしまうだろう。

打開のカギは盟友VTuberコンビの黄色い方が握っているが、その件は彼らの記事にて後述したい。

→【 b.おめがシスターズへ続く 】

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