【 不定期VTuberレビュー vol.3 】にじライバーという生き物達(個人勢V視聴者向け記事).Ⅲ:関西系(非東京系)にじライバー ①アンジュ・カトリーナ(≒ぽこピー、キクノジョー)

VTuber




導入

✔ 前記事では「東京系にじライバー」について触れたが、にじさんじに限らず現在業界に存在するVライバーはほとんどが東京か、それに近い文化圏の出身だ。個人勢Vで言えばおめがシスターズ犬山たまきのような一面的で大味な者が多い中、視野が広く柔軟な立ち回りの出来る地方出身のライバーは貴重と言える。現在個人勢Vを牽引していると言っても過言ではないぽこピーや、穏やかで文化的な企画を活動の軸にしている富士葵(&キクノジョー)、企業の補助無しでにじさんじのトップライバー達と同等の登録者数・再生回数を叩き出す怪物しぐれうい等の視聴者は関西系(非東京系)にじライバーを併せて観るのがお勧めだ。これ以降の記事ではその中でも特に力のある者達を中心に、その近況も含めて紹介していきたいと思う。

①アンジュ・カトリーナ

✔ 雑談を主とした配信を活動の軸にしているにじライバーにとって最も重要なスキルは「一人喋り・コメント処理能力」だが、アンジュ・カトリーナはそれがにじさんじ内で飛び抜けて上手い。事前にエピソードを用意しピーナッツくんよろしく紙芝居のような形に起こして配信に臨むライバーもいるが、アンジュの場合「かかりつけの美容師のちょっとした一言に軽くイラっときた話」みたいな小粒なエピソードを手ぶらで配信に持ち込み、それを起点に何笑いも起こしてしまう。例えや転換を用いて話を膨らませ、コメントに自分を叩かせた上でキレ芸を披露する、という流れが上手過ぎるのだ。この流れを繰り返し見ていると干物や貧乳イジりをするクソコメ・クソマロをアンジュが読み始めると同時に、オチに向けて波が大きく引き始めているのを感じ取れるようになり、その時点から笑えるようになってしまう。外出したエピソードを話して拾い易いコメントだけ読んで終わりという一般的なにじライバーのスタイルより何枚も上手の雑談技術だが、アンジュは才能と言うより努力と工夫でこれを成し遂げており、彼女の配信はVライバーの雑談配信における教本のような物だと言える。

卓越した雑談配信技術

✔ 「結婚」という1テーマで1時間喋りそのずっとウケ続ける驚愕の話術。配信に持ち込んだエピソードはたった1つだが発言の全てに「非モテ・干物・妄想・狂気」のニュアンスを含ませリスナーに叩かせる事で次の展開の起点を作り続ける。


✔ 36:35~ 「ペタンペタン」という台パン音が、ドンキーコングが地面を手のひらで叩く音に酷似していたのが大ウケし、切り抜きが量産される。キレても絶対に面白い方向に持って行くプロ意識


✔ 2:45:37~ キレ方のダメな例。シンプルに自分を抑えられていないだけで、動画としての面白さに全く繋がらない。動画の最後に「台パンとかしたけど全然怒ってなかったよ」というアホみたいなフォローあり(4:49:23~)

非モテの笑い

また全Vタレントの中でも年長の部類に入るアンジュは結婚や恋愛の面で年々干上がってきており、その非リア色満載の煮詰まり具合が面白い。私が驚愕したのは「しげみ」という妄想の中で作り上げた愛娘について本気で一喜一憂しながら語る配信だが、この「具体的な妄想の中で理想の人生をリアルに生きる」という逃避行動は極限まで干上がった中年の男女に稀に見られる物だ。私の知っている実例はテレビタレントのマツコ・デラックスだが、彼女は妄想の中では世界トップレベルの女子テニスプレイヤーで、全仏・全豪オープンのような世界大会で数度優勝した後引退し、その後フィギュアスケーターとしてオリンピックに出場するもメダルには全く届かない、少々残念な結果で幕を閉じたのだと遠い目で語っていたのだが、アンジュは今干上がり過ぎてあろう事かこの巨漢の大御所オネエタレントと同じ領域に入ろうとしているのだ。まだ若いんだから諦めるのは早いぞ、と励ましたくなる気持ちはさておき、これだけウケるネタを自分の頭の中でゼロから錬成出来るというのは驚異的だ。デビュー以来一度も使ってこなかった「錬金術師」という設定はそういう意味だったのか…!と強く納得させられる。

狂気のネタメイカーとして

✔ 1:16:46~ すごく怖くてすごく面白い「しげみ」の話。「そもそもいない子供だけど養子だけど私が生んでて、女性のパートナーと一緒に育てた。すごくいい子に育って結婚式では…」という込み入り具合。話しながら正気と狂気を行ったり来たりするアンジュの様子にも注目。


✔ 57:03~ 同僚の女性にじライバー達を相手に据えた、珠玉の恋愛短編小説集。やっている事がピーナッツくんと同じ。どちらも非リアで干物で引き籠り体質。学歴を積んでいる知識層で社会人歴があり、バラエティでは進んで汚れ役を請け負いキモがられ、同性を恋愛対象として見る等共通点が多い。トマトと飲み会が嫌いなのも同じ。

さんばかの機能不全

アンジュは同期のにじライバー二人と「さんばか」というユニットを組んでいるが、この1~2年程ユニットの核であるアンジュとリーダーのリゼの仲は冷え切っているようで、さんばかで集まってもかつてのようなパフォーマンスは出せなくなっているのが現状だ。そしてユニットでの活動も必要最低限の頻度でしか行われない。同メンバーの戌亥は何度となくアンジュのチャンネルに登場しているが、リゼが最後にアンジュのチャンネルに単身で遊びに来たのはもう2年以上も前の事になる。

リゼとアンジュはにじさんじ加入前から親交があり、そもそもさんばかも「リゼアン」を起点として始まったユニットなのだが、近年さんばかとして一緒に活動している様子を見ても裏側で絡んでいる時のエピソードを聞いても初期のベタベタ具合が嘘のように嫌な距離感を感じる。「不仲」と言えば「裏では口もきかない」という状態がイメージされるが、リゼアンの場合初期より空いてしまった距離感にお互いが戸惑い、どう絡んでいいか分からなくなっているような雰囲気だ。そんな状態が年単位で続き空気の悪い共演シーンが量産された後、アンジュがリゼのTwitterアカウントのフォローを解除している事がファンによって指摘される。

リゼアンの初期と今

✔ 58:50~ 今から2年半前、アンジュの好きな所を語るリゼ。今ではあり得ない親密な空気感。


✔ 18:09~ 日に何度も連絡をとり合いアンジュを拠り所にして生活しているという、デビュー後数ヶ月目のエピソード。こちらも今ではあり得ない。


✔ 45:35~ アンジュを反射的に跳ねつけてしまうリゼのエピソード。


✔ 3:35~ リゼの強過ぎるイジりに堪えかねて反撃するアンジュ更に攻撃加えようとするリゼ。事故一歩手前の空気。


✔ 39:43~ フォロー外しの釈明をするアンジュ。さんばかの3周年記念ライブ直後で、一ヶ月ほど前の配信。


✔ 12:55~ パーティーからアンジュが外れる先日のMOTHER実況。代わりにリゼ直近お気に入りフレンがさんばかに加入するという示唆的過ぎる展開。

「フォローが外れてた理由は分からない。知らない間に外れてた」というのがアンジュの説明だが、これにこれまでの経緯を踏まえた行間を補完すると「(デビュー当初が嘘のように距離をとり冷たく接する、恋愛感情に近いアンジュの一途な想いを無下にした、沢山いる他のにじライバーでも戌亥でもなくよりにもよってリゼの)フォローが外れてた理由は分からない。知らない間に外れてた」となる。

配信の釈明シーンを観ていたリスナーはもちろん誰もこの言い分を信じていないが、他の誰でもないアンジュの言葉なので、私は信じる。「気持ちを裏切ったリゼに対して日々悶々としており、加齢と干上がりと活動のストレスである夜、感情が煮詰まり高ぶり全部お前のせいだ、と勢い余ってフォローを外してしまった。しかし3周年ライブでユニットの空気が若干良くなったので我に返って再度フォローする事にした」という可能性以外あり得なくても私は信じている。お前は夢月ロアか、とリスナー達は反射的に思ってしまったと思うがあの事件は登場人物全員がバカかクズだったので今回の件とはまるで違う。だから私はアンジュを信じる。

一人でにじさんじを受けるのは不安だというリゼの為に自腹で飛行機に乗ってまで面接に赴き、明らかにウケが悪かったにも関わらず合格したのは只リゼの友達だからその助けになるのなら、という理由だろう。そういった経緯もあってデビュー当初こそアンジュにベタベタだったリゼも、今は飽きて梨のつぶてだ。行儀が良くてお上品で、優しい性格のリゼだが根は感情型で自分本位な質なのだ。活動初期の大事な人ランキングは【①月ノ美兎&アンジュ、➁戌亥】でも3年経った今は【①戌亥&フレン、➁メスライオンのジル(飼ってる猫)、③月ノ、④名取】みたいな感じでアンジュなどランク外、平時思い出しもしないぐらいだろう。今アンジュはリゼの為に選んだにじライバーとしての人生を、リゼに無視されながら生きているのだ。腹が立ってツイアカのフォローぐらい外したくもなるだろう。私は違うと信じているが。

ここまでの経緯を踏まえればリゼ最悪だな、となりそうだがこれはアンジュが悪いのだ。活動開始間もない頃のリゼアンの関係は友達と言うより男女の恋愛に近いような物で、リゼの「ずっと一緒にいようね」みたいな態度にほだされたアンジュが逆に本気になってしまい、依存と執着を重ねて重くなった結果リゼが冷めてしまった、というのが実際だろう。いくら仲が良くても「朝リゼが目を覚ましたら(寝顔を凝視していた)アンジュと目が合って悲鳴を上げた」「リゼには膝枕されたいよなぁと呟くアンジュ」「本命の人は?と尋ねられ咄嗟にリゼを見てしまうアンジュ」みたいなエピソードは重過ぎて、本気で好きな相手がとった行動だったとしても誰だって何段階か冷めてしまう。散々言っている通りアンジュは干物で、恋愛敗者なのだ。人並に恋愛をしてきた者なら誰でも知っている地雷を、彼女は幾つも簡単に踏み抜いてしまう。

恋愛に飽き飽きして暇になったからという動機でにじさんじのアンチブログを立ち上げたイケメン恋愛強者の私だからこそ断言出来るが、一度リゼのようになってしまった女は二度と元には戻らない。リゼとアンジュは女同士で同じ事務所に勤めており、根っからの配信者でもある為二人は会社やV業界が衰退するまでそこを辞める可能性はないものの、適切な距離感で正常な付き合いが出来るようになるまで少なくともあと何年かはかかるだろう。その間さんばかというV界最高水準のユニットはまともに機能しないし、先日のライブのような大舞台も変な軋轢を抱えたまま断行する事になる。残る一人のメンバー戌亥は以前の記事で書いた通り周りに甘えるばかりでどんな時も率先して動かない。明らかに関係の悪化している二人を前にしても知らんふりを決め込むだけだ。



リゼと戌亥の関係は良好なので、考えたくない事ではあるがアンジュさえ他の誰かと入れ替わればさんばかは上手く回るのだ。そこで先日リゼがMOTHER実況で見せた「パーティーからアンジュの名を冠したキャラが抜け、フレンと名付けられたキャラが加入する」という展開が嫌な現実味を帯びてくる。アンジュをさんばかから脱退させ、現在戌亥の次にリゼのお気に入りであり、戌亥とも懇意なフレンを加入させればさんばかは正常に回る。そしてその新しいさんばかは、これまでのさんばかに負けず劣らず面白いだろう。「このパーティーは4人にはなれないんだな。これが新生さんばかか」などというセリフは冗談でも口にしないで貰いたいものだ。



まとめ

アンジュ・カトリーナはVライバーの必須技能「雑談・コメント処理能力」に最も長けたにじライバーだ。東京系にじライバーとは全く違う、気遣いとプロ意識に満たされた配信スタイルは一級品で、他ライバーの為のお手本とも言える。

関西出身で非リア・非モテを軸にしたハイレベルな笑いを使いこなす事からぽこピーやキクノジョーが好きな人は同じようにアンジュを好きになれるだろう。ほとんどの配信が2時間を超える長尺なので、まずは「アンジュ 切り抜き」で検索してヒットした物を視聴するのがいい。

「さんばか 切り抜き」や「リゼアン 切り抜き」も面白いがリゼとアンジュが動画の中で仲良くしていたらそれは何年か前の物なので、その点留意して視聴する事をお勧めしたい。



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