【 04.早瀬 走:14点 】 – VTuberレビュー(にじさんじ) –

VTuber



【 YouTubeチャンネル:早瀬 走 / Hayase Sou【にじさんじ所属】
【 所属:にじさんじ 】
【 活動開始:2019年9月21日 】
【 チャンネル登録者数:20.8万人 】
【 直近再生回数(一ヶ月平均):4.64万回/day 】

【①業界最強クラスにエネルギッシュなキャラクター】
【➁業界にたった一人の関西のおばちゃん。競技人口一人の強み】
【③ゴリゴリの強面キャラだが常識と冷静を兼ね備える。あらゆるラインを決して超えない】

【①VTuberの視聴者に刺さらないリア充系キャラ】
【➁笑いやバラエティに関して素人以下。勢いと声量で乗り切る】
【③キャラと実力が噛み合わない。視聴者の期待を裏切り続ける】
【④VTuberや配信業に関して勉強不足。サブカル系エンタメの出役として根本的に不向き】

この記事の要約

✔ 早瀬走は業界最高クラスにエネルギッシュなライバーだが表面的な特徴に反して笑いやバラエティ面での技量に乏しく、VTuberどころか素人にも劣るレベルだ。今一度自分のキャラを見直し、必要なスキルをいちから習得していく事で活路が見出せるだろう。

批評

✔ 早瀬走(はやせそう)は2019年後期にデビューしたにじさんじのライバー。同期に健屋花那(すこやかな)シェリン・バーガンディがいる。爽やかなアスリートのモデルに反して中の人はゴリゴリの関西人女性で、強過ぎるBL愛やド直球の下ネタを明け透けにぶっ放すパワータイプの立ち回りが十八番。愛称は走(らん)ねーちゃん。本家の蘭姉ちゃんとは性別以外どこも似ていない。ほとんどの配信がにじさんじ所属のVとしてはデッドラインの3万回再生を割っており、時には4桁で止まってしまう事もある。ここまで厳しいと活動自体を辞める事を考えたのは一度や二度ではないだろう。

2019年後期デビューと言えばさんばかの半年後輩で、これより後にデビューしたにじライバーはスペックが高くても基本的に埋もれてしまう、という魔の世代の魁だ。健屋やフレンのような才気溢れる者がたかだかデビュー時期ごときで日の目を見れないという現実を見ると本当に遣り切れない気持ちになるが、早瀬は時期とか関係無く普通に向いていないタイプなのでこの話は関係がなかった。申し訳ない。

早瀬が関西色の強いライバーだという事はどこ出身の者でも分かると思うが、関西に長く住んでいた私からしても彼女の喋りは相当どぎつい。関西の郊外で接客系のバイトをすると大抵こういう元ヤン主婦みたいなボスパートタイマーが職場を仕切っており、いつも肩身の狭い思いをさせられるのだ。早瀬が配信業の傍ら何の仕事をしているか知らないが、職場ではさぞかし幅を利かせている事だろう。

関西に住んでいた時私は早瀬のような女性が本当に苦手でずっと避けて生活していたのだが、関西を離れて久しい今彼女の喋りを聞くと不覚にも強い郷愁に駆られる。戌亥や健屋のような関西出身の若者からしてもそれは同じ筈で、「らんねーちゃん」と広く慕われているのにはそういう背景もあるのだろう。

普通関西の女性が早瀬のようなおばちゃん口調になるのは早くても30代の後半に入ってからだと思うのだが声質が若々しい事と話す内容、推定20代前半である同期の健屋の接し方から察するにまだ若く、下手をすれば20代の可能性もある。精神年齢が高く根が落ち着いている事と併せてどういう経緯を辿ってここまで早く老け込んだのか知りたい所だが、「ゴリゴリのリア充キャラ × ゴリゴリのBLオタク」という普通ならあり得ない組み合わせの方も気になる。分かり易いようでなかなかに込み入った、知れば知る程謎なライバーである。

「〇MANK〇なんかいらんねん!〇CHINCHINくれぇ!」と吠える例の配信はV界有数の大傑作だと思うが、思えばこれ以外で早瀬が面白い事を言っているのを聞いた事がない。鈴鹿や健屋とBL談義で盛り上がっているのは普通に面白いがBL好きの女子、所謂腐女子という属性自体が絶妙に古く、一番面白がられていたのは「ホモォ」が誕生した十年近くも前の話である。

1:29:50~ 魂の「OCHINCHINくれぇ!」。1:37:37~の熱唱も必見

下ネタとBLに加えてエネルギッシュなトークが早瀬の売りだと思うが、これが本当に面白くないのだ。声量と勢いだけ見ているといかにも面白い事を言いそうだが、いつまで聞いても普通の受け答えを大声で喋っているだけで、その様子は本当に関西のパートのおばちゃんの、休憩室での世間話みたいだ。彼女は関西に住んでいながら笑いやテレビバラエティの類をちゃんと見て自分の日常会話に取り入れる、というタスクを行った事がないのだ。デビュー時期でもクセの強いキャラのせいでもなく、彼女がライバーとして極度に上手くいっていないのはこのお笑い・バラエティスキルの無さのせいだろう。「わてお笑いできまっせ!」という空気を常時発している早瀬がその点を取り落としているのは実質詐欺のようなもので、その裏切りが視聴者を落胆させ期待感を削ぎ、今の結果を作り上げているのだ。

「早瀬とサシ飲み」というライバーを招いてサシでフリートークをする企画で戌亥を呼んだ時に戌亥がリゼの歌声の素晴らしさについて語る一幕があったが、これはリゼという稀代のライバーを3年間横で見続けた彼女がその特異性について語る、極めて重要なシーンだったのだ。竜胆のように声真似に特化した者でも決して再現出来ない声について語る事で、リゼがライバーとしてどれだけ特別な存在かを慎重に言葉を選びながら心を込めて一つ一つ、普段見られないような真剣なトーンで伝えようとする戌亥を見てコメント欄も当然大盛り上がりだったのだが、それをMC役である早瀬は「うちも可愛い声出してみよ」とちょけて台無しにしたのである。

ここで言いたい事は二点で、まず一つ目は底面床ペロペロ状態の早瀬なんかの誘いに応じてわざわざ来てくれた、それも飽和状態のにじさんじでちゃんと成功している先輩ライバーがしてくれた真面目な話を遮って、素人のおばちゃん以下のおふざけを見切り発車で始めてしまう早瀬の、ライバーとしての常識の無さである。戌亥とリゼの関係性、そして話している戌亥の空気感やコメント欄を併せ見ればふざける場面でない事は簡単に割り出せると思うのだが合わせる事が苦手な早瀬はその全てをそもそも見ていない。狭い視野で気分に任せて脊髄反射で喋る様子は舞元ジョーを始めとした東京系のライバーのようで、非常に程度が低い。早瀬の本来のお客さんである筈の関西の視聴者はこういう立ち回りを非常に嫌うし、早瀬の面白くない声ボケを前にして動画の中の戌亥も困っているではないか。最早常習化している早瀬のこういったアクションは「関西色が強く、関西系のライバーと結びついて関西出身の視聴者層にアプローチしなければならない」という彼女自身の課題から激しく逸脱している。

1:46:05~ 素人のおばちゃん以下のボケで先輩ライバーを困らせる早瀬

そして二つ目は同じ事務所のライバーで、明らかに他より突出しているリゼの事すら何も知らない不勉強さである。戌亥が語るリゼの「切なくていじらしくて宝石みたいな声」「誰にも真似出来ない声」「(リゼは)主人公」みたいな説明はリゼをまともに見ている者なら誰もが共感出来る的を得た表現なのだが早瀬は逐一ピンと来ておらず、「(リゼの歌を聴くと胸が)ぎゅっとなる」という言葉からは「3年の付き合いを経た今も戌亥はリゼの横で、リゼに対して胸をときめかせている」というファン感涙の事実が窺い知れる訳だが、横から何も分かっていないおばちゃんMCが「心臓掴まれる感覚よね」とかおかしな合いの手を入れるから出かけた涙がその都度引っ込んでしまうのだ。

尤もそんなにも素晴らしい声を使って、可愛い戌亥が「主人公で特別な人」と慕ってくれている気持ちまで無視して「MOTHER実況」なんてつまらない事をやっているリゼに対して腹が立っていたせいで反応が悪かったのなら、それは私も完全に同意見なので謝りたい。ほんとどうかしてるよなアイツぁ💢

✔ 26:02~ パート主婦と学生バイト君の会話。何の引っ掛かりもない

業界どころかにじさんじ内の大型ライバーについてすら疎いようではトーク企画の時逐一支障を来してしまうし、戌亥を呼んだ時のように失礼で迷惑な対応をしてしまうとコラボしてくれる相手も取り立ててくれる先輩も事務所内にいなくなってしまうだろう。恐らくVTuberという文化自体にあまり興味が無いのだと思うが、好きな出役系の仕事で天下のにじさんじに所属出来た幸運を再確認し、仕事だという自覚を前提にYouTubeで関連動画をひたすら漁るような業界研究を日常的に行うべきだ。その過程でアンジュや戌亥みたいな質のいい関西系のライバーに出会えればスキルも盗めるではないか。

素人より空気が読めず、何がどうなれば面白いのか全く分かっていないというお笑い能力の欠如に関してもテコ入れが必要だろう。質のいい関西系のライバー達の動画を漁って一つでも二つでも話術を盗む努力をコツコツ続けるのが基本だが、早瀬が日曜の昼に毎週観ている「やすとものどこいこ!?(tv.大阪)」でやすとも姉さんの立ち居振る舞いをしっかり研究して身に付ける事を私は強く推したい。早瀬は表面的なキャラだけは彼女らにそっくりで、「関西のおばちゃんだが全世代にウケる、センスある笑い」を身に付けているのは有名所では彼女らぐらいしかいない。似た動きが出来るようになれば関西出身者は全員早瀬を推すようになるだろう。関西限定にはなるがやすともは「女性が好きな女性」の代表格でもあり、将来的に女性人気を狙える点も大きい。VTuberには興味がなさそうだが「一生出役系の仕事をしていたい」という気迫だけは伝わって来るので、この辺りでプロ然とした笑いのスキルを身に付けておくと今後の頼みになるだろう。努力を続けていれば段階的に今つるんでいるような東京系のライバー達と波長が合わなくなってくると思うが、それこそがスキルアップのサインだ。勢いでゴリ押すだけの彼らと噛み合わなくなり、アンジュや戌亥のようなスキルに富んだ者達と上手く絡めるようになった時、早瀬はようやくライバーとしてスタートラインに立つ事になる。何年かかるか分からないが、人前に立つ仕事を続けたいならやるしかない。

✔ 早瀬 走は一面的なネタと表面的な勢い以外に取り柄のない底辺ライバーだが関西特化型のキャラクターは唯一無二で、まだ見ぬ可能性を秘めている。BLも下ネタも封じて話術でサラリと笑いを取れるようになった時、彼女のライバーとしての価値は激変するだろう。VTuberというコンテンツ自体がこの先も長く続くのなら、V達は必ず西と東の文化圏で二分化される。その時西の陣営の一角を仕切るのは、もしかすると彼女になるのかも知れない。らんねーちゃんと慕ってくれる関西の歳下ライバー達が、人柄だけではなく笑いの実力でも信用してくれるような存在に早瀬が変貌する事を、私は密かに楽しみにしている。



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