【 DUNE/デューン 砂の惑星 】27点 – 批評 –

映画




※ネタバレを含みます※

【 1️⃣ 現実離れした世界観でも抵抗感を覚えさせない丁寧な作り】
【 2️⃣ 壮大でアーティスティックな画作りで見応え十分】
【 3️⃣ キャスティングがいい。独特な世界観に合わせて適切な演技が出来る実力者揃い】

【 1️⃣ 脚本がボリューム不足で意外性を欠き、全く面白くない】
【 2️⃣ 大袈裟で詩的な表現が多くて寒々しい。全体的に古臭い】


✔「DUNE/デューン 砂の惑星」は1965年発刊のSF小説「デューン砂の惑星」を原作としたSF大作映画。「スパイス」という資源に恵まれた砂漠の惑星を巡って巻き起こる、宇宙規模の争いを描くストーリー。監督は「メッセージ(2016)」「ブレードランナー 2049(2017)」等でお馴染みのドゥニ・ヴィルヌーヴ。

ドゥニ・ヴィルヌーヴは世界屈指の実力派監督だが、日本ではほぼ誰も知らない。「メッセージ」の名を出すとそのタイトルぐらいはギリギリ覚えている人がちらほらいる、というぐらいで誰ともファントークが出来ないのが辛い。通ぶってマイナーな監督の名前を挙げていると思われたら嫌なので私は誰かと映画の話をする時に彼の名前を出すのはやめてしまった。

手掛ける映画の8割方を超高品質に仕上げてしまう彼の名前が日本で知れ渡っていないのはその独創的な作風のせいだろうと思う。シックでアーティスティックな世界観はポップで咀嚼に易い物を好む日本人の感性には合わない。庵野秀明監督のエヴァシリーズが根強く叩かれ続けている現実を見るとドゥニ・ヴィルヌーヴが日本国内で広く受け入れられる事はきっとこの先もないだろうと思う。


本作でもヴィルヌーヴ監督のシックでアーティスティックな世界観というのは存分に楽しめるがストーリー面はスカスカで意外性も何もなく、非常に退屈だ。主人公が選ばれし人だったり「夢を見たんだ…」みたいな使い古された西洋風の中2描写が多いのは原作が物凄く古い時代の物だからだと思うが、いかにヴィルヌーヴ監督の上質な画の上で観てもこれはしんどい。ストーリーが一本道過ぎたり「サンドワーム(巨大砂ミミズ)」みたいな原始的なクリーチャーにスポットが当たっている辺りも原作が古過ぎる事の弊害だろう。監督と役者の質がいいので終始画に凄みがありずっと観ていられるが、そのあたりを受け取れない観客からしたらこの映画は地獄だろうと思う。私は登場人物がほぼ主人公とその母親だけになる中盤以降の視聴がとても辛かった。

本作は続編の製作が既に決定しており、監督には三作目の構想もあるらしい。この世界の政治的背景やルール、使用するガジェットに関して説明するシーンが前半特に多かった事から見ても本作はあくまで続編のための導入、という意識で作られていると思うが、それにしてもこれ単体だとつまらなさ過ぎる。来年公開予定のパート2を観て興味が湧いたら本作も観てみる、ぐらいの扱いで十分な映画ではないだろうか。


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