✔ 《自分側の条件》に《自分》を設定していないさくらみこがでは代わりに何をそこに当てはめているのかと言うと、それは明らかに《*より良いものが作りたい*》《*仕事の質を上げたい*》だ。
《*より良いもの(Vとしての自分)を作りたい*》×【バカで間抜けでいて欲しい(でもちょっとはロリ可愛くもあって欲しい…)】という形で折衷してその通りの自分を、《*より良いもの(衣装)が作りたい*》×【みこちの親しみやすい安心感が好き】で今ある垢抜けない衣装の数々を、《*仕事の質を上げたい(笑いの意味で)*》×【みこ虐大好き】=「一週間岩を転がし続ける」、《*(リスナーとの絆を深めて)仕事の質を上げたい*》×【推しの配信に携わりたい・寧ろ出たい】=「キャラクリエイト格ゲー配信」こうして見るとさくらみこの『折衷方式』の方程式で《左側》に設定されているのは間違いなく《自分》ではなく《*仕事の質*》だ。さくらみこにとって他のホロメン達が《自分側の条件》に設置するような自分自身を守り立てる類の項目は《》×【】の式にオプションで追加して掛け合わせる[その他諸々の条件]でしかない。
【リスナー側からの需要】に押し負けて呑まれぬよう、自分を守るために設置する《自分側の条件》に「自分自身」を入れず、代わりに設置した《*仕事の質の向上*》のために積極的に阻害し貶めていくなんて他のホロメン達と比べれば自己犠牲が過ぎて狂気も狂気の狂気の沙汰なのだが、その狂気の具体名はきっと「愛情」だ。そのためなら傷ついてもいい、貶められてもいい、元がどうだったかなんて忘れてしまう程に変わってしまっても、若く華々しい人生の盛りを全て投げうっても、そもそもどんな気持ちで何故始めたのかを忘れてしまっても……そんな自己犠牲の連続を軸として成り立つ狂気を人は往々にして「愛」と呼ぶ。活動上確かな意志を基に意図的な自己犠牲を重ねるさくらみこはこの仕事に対する愛情が全てのホロメンいち、VTuberいち強くて深い人間だ。
散々御託を並べて結局最後は愛がある奴が最強なんて何ともお粗末な精神論オチだが、ただ確かに言えるのは活動の何もかもを決めるのに用いる『折衷方式』において掛け合わせる二大軸の片方に他のライバーが[その他諸々の諸条件]として扱っているものを設定するならそいつはそのライバーには絶対に勝てないよ、という事だ。持って生まれた才能により現状保持している数的な記録はさておき、宝鐘や大空のような同じ『折衷方式』を用いている大型のホロメンのことごとくが誰も日々の活動、特に平常の配信活動において仕事の質でさくらみこの上を行っていないのが正にその証拠。
そしてそんな『折衷方式』の質を問うような論壇にも上げられないのが『片手落ち』とかいう信じられない程稚拙な方法を活動に用いる星街という人間だ。「どう間を取ろうか」「自己犠牲が云云」どころかそもそも《自分の気持ち》以外の条件にまともに向き合わず知ろうともしない、そういうそもそもお話にならないレベルの低さがそこにはある。