【ホロライブレビュー.03】D-9《「スバルだって、女の子なんスょ」》include:大空スバル、ラプラス・ダークネス、獅白ぼたん、常闇トワ

VTuber


【①.正しい上下関係がラプラスを守る筈だった世界線】

【➁.大空にとって大事なのは「後輩」ではなく「友人」】

【③.ホロメン達にとって必要なのは「友人」ではなく「先輩」】

【④.若者よ学べ、「女は怖い」とはこういう事だ】





先輩に恵まれなかった炎上魔

✔ 1:32:03~ 全く関わりのないラプラスとコラボするなら、というテーマで話す宝鐘。その口ぶりと言葉選びからラプラスの事を一切信用しておらず、敬遠している事が読み取れる。

ラプラスがデビュー以来犯し続けた一連の間違いを内側から見続けた同僚もやはりラプラスを憎むリスナー同様、この心証になるという事だ。リスナーからだけではなく同僚からもこうして訝しまれればラプラスを助け、また協力関係を築いて活動に当たろうとする者も減ってしまい、ラプラスにはライバーとしての上がり目が無くなってしまう。

組織に属した新参者を須く教育しなければならない理由はここにある。無知と未熟故に重ねた浅はかな乱行は、外野に敵を作るだけではなく身内すら遠ざけ当人の将来を閉ざしてしまう。「上にまともな先輩が付いて上下の関係で関わればそれなりに何とかなる」という一縷の望みにすら目を向けて貰えなくなってしまう。

しかし空前絶後のDQN王である宝鐘が自分よりは明らかに汎用型なラプラスを訝しむこの展開はツッコんでもいいやつなのだろうか。どうもアーカイブが消されたようだが誰かとのオフコラで桃鈴の事を「さすがにダメだろアイツは」とこき下ろしているのも見た事があるがお前よく言えんな、やっぱ天才は違うなと驚きを隠せない。殺人鬼が強姦魔を非難しているような状況なんだが。

✔ 6:16~ ラプラスに宅呑みを打診されるも当日キャンセルを想定していた天音。一年近く前の配信だが近々の宝鐘と同様ラプラスを全く信用していない。直前にラプラスが天音に宅呑みを打診する際のエピソードがあるが、その積極的な様子は要注目。


✔ 7:24~ 実際の宅呑みの模様。配信中に失言をしてしまうドッキリを天音が仕掛け、それに対するラプラスのフォローが出来過ぎていると話題に。

天音は覇気が無く弱腰で多分に舐められがちな人間だがラプラスはこの配信中後輩ムーブでずっと天音を立てているし、失礼でない範囲でイジって刺激するサービスにも暇がない。先輩が失言すれば身を挺して庇いにもいっているし、天音宅を訪れる上で気の利いたプレゼントまで用意している、それに天音を呑みに誘う際の様子を併せてみると当時ラプラスには引っ張ってくれる先輩を探す意識があった事が朧気ながら見えてくる。


✔ 2:00~ ラプラスと言えばこれしかないと言える程に擦られた常闇トワとの関係。ラプトワ関連の動画を観ているとサバサバとして仕切りが上手く、引っ張ってくれるような上手の女性との関係を望んでいる事が分かる。

残念だったのは表面的にはそれらしくてラプラス的にツボである常闇が実はホロライブ一の腑抜けの役立たずで、人を引っ張るどころか自分の世話をする事も最低限の仕事をこなす事も出来ないザコだった点だ。二人の関わりを見れば分かる事だがラプラスは常闇の言う事なら何でも聞くし、また操って貰いたがっている。常闇がまともなライバーで先輩としてラプラスを守る意識があった場合ラプラスがデビュー後間もなく乱行を重ね始めた時点で制御する事が出来た筈で、ラプラスは炎上や休業を経験する事は無かっただろう。常闇ならDiscordで注意の短文を一つ打つだけでラプラスを大人しくさせられた筈だ。

ホロライブの創設以来の指折りのザコにそれを期待しても仕方がないのだから、ここはその元締めで少しでも話の出来た大空が世話をする形がベストだっただろう。本当ならホロライブ社員の仕事だがホロライブは4期以下の教育と管理を投げだしているきらいがある為、先輩が世話をしてやる以外に方法が無い。


「女は怖い」とは正にこの事

✔ ラプラスは休業中当然引退についても検討したと思うが、デビューから一年経たないうちにVライバーが引退するのはバトロワ系シューターゲームで言うところの「落下死」に相当するだろう。

何の手がかりも無い、限りなく何をやってもいい自由過ぎるステージに投げ落とされクエストに導かれる訳でも指示を出されるでもなく慌てふためき、何のスキルもないから既に戦っている先輩プレイヤー達を傍目に見様見真似で精一杯動いてみる、そしてやはり何の成果も残せないままあっけなく死亡する。ラプラスがAPEXの新人野良プレイヤーと違うのは死亡してしまった場合一度のやり直しも利かない事だ。こういう場合「自主性を尊重する為」などと言って何の教育も施さず放置するのはネグレクトと相違ない。

才能と可能性のあるライバーは若くてもその片鱗を必ず見せる。湊が何年も前からリスナーと同僚を惹きつけて止まなかったように、紫咲がただそこに居て息をしているだけでDQN系の同僚を狂わせてしまうように、宝鐘が二十代の頃にはほぼ出来上がっていて今と変わらない完成度だったように、何かを持っている人間は未熟で粗削りでも明らかに他と違う輝きを見せる。

ラプラスは小器用で小賢しくて喋り馴れているだけの何の才能もないザコだし、今回の事で消えても特に問題の無かった人間だと思うがそれでもバトロワ系シューターゲームで言うところの「落下死」がふさわしかったかと言えばさすがにそこまでは言い切れないだろう。ネット民跋扈するスカルタウンのような即死級の激戦区に落とされ訳も分からないまま常闇とかいうモザンビークを拾い、IGLである大空やホロライブ社員から何の忠言も貰えないまま単身突撃してあえなく死亡。そんなのはいくら何でも可哀想が過ぎる。

とかく非常識な人間の集まり易い人気商売の団体だからこそ人材を無下に損なわない為の、上下関係をベースとした教育体系が殊更大きな意味を持つ。テレビ地上波を主戦場とする芸能人の事務所では何十年も前からの常識だが、発足から間もないホロライブ、引いてはV業界でその不文律は未だ踏襲されずにいる。

大空はキッズ可愛いキッズ可愛いと口先でおだてて騙しながら、ラプラスをタレントとして殺そうとした。何も分かっていない子供が人生の成功と失敗の分かれ道、その瀬戸際を不用意に行きつ戻りつしている事実を把握していて、その旨進言して止められる立場に居たにも関わらず何もしなかった。ラプラスはキッズで生意気なところが可愛い、ホロックスが好き、6期は皆可愛いなどと明るい嘘と作り笑いで嘯き「こいつ多分終わるな」という本音を隠し続けた。

事務所でベテランの部類になっても未だ何の存在価値も得られない常闇が自己嫌悪に陥りヘラって苦しんでいる事も、表に出て人前で喋る事自体が不適切な獅白のばあさんが無修正のままリスナーの前に放たれ自分で自分を貶め続けている事も、ラプラスの件と結局根は同じだ。彼女達は全員適切に指導して正しい方向に導いてくれるリーダーに出会えなかった。彼女達、と言うかホロライブに所属している大半のライバーにとってリーダーは大空だが、大空は彼女達に好きだ、可愛いとしか言わない。アイドル系もバラエティ系も、常識人系もDQN系もロリもババアも全員守るべき、守った上で個性を出して方向性を決めて行くべき、守らなければそもそも何者にもなり様のないライバー稼業鉄の掟を全てマスターしていて自分は堅く守っているにも関わらず、彼女達がその点踏み外している事には気付いていないフリをする。

獅白は最近何かがあって大空に相談事を持ち掛けたという。恐らくサシでラーメンを啜りながら打ち明けられたであろう獅白の相談事を「うんうん、うんうん」と聴きながら「そりゃそうなるよ、だってお前のやり方めちゃくちゃだもん」と大空は思う。話がいい感じに纏まって店を出る段になって「なんかあったらすぐ言って下さい、いつでも話聴きますから」と言伝る時にも「聴く以外何もしないけどな。出来ないし。ここまで滅茶苦茶やってるとさすがに助け様がない」と内心付け足す。常闇と毎日のように交わすDiscordのメッセージでも「お前昨日の配信のここの所もうちょっとちゃんとやってみろ」とは言わない。姫森が日毎滅裂を極めて化物のようになってもやはり何もしない。

大空は同僚の事がどうでもいいのだ。もちろん大空は大空なので友達は自分の事以上に大事に思っているだろう。だがその友達がライバーとして成功するか、人として恥をかかないか、ライバーという身分を先々まで保てるか、同じ事務所の一員で居続けられるか等全て全く気にしていない。彼女達は大抵の場合ライバーとして成功したいだろうし、人に認められたいだろうし、自分に価値を感じて誇らしい気持ちで居たい筈だが、それを全部知っていて大空は絶対に手助けをせず、嬉々として泳がせる。大空にとって大事なのは彼女達と良好な関係の友人同士で居続けられるかどうか、唯それだけだ。下手に忠言などして関係性が危ぶまれるぐらいなら事務所なんか辞めて頂いて結構、ライバーとしても失敗して下さい、それでもずっと仲の良い友達で居ようね、それが大空の思考回路だ。

幼い頃父がよく口にした「女は怖いぞ」という金言を思い出す。でも大空はすごくサバサバとしていて豪胆で漢らしいからなぁと思いかけて「スバルだって…女の子なんスょ」という、バ美肉のような声で発せられるかの名言が脳内再生される。そうか大空、お前も女なんだな、と私は思う。


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