【ホロライブレビュー.04】B-21《怪物装備-④.page4》include:天音かなた/紫咲シオン

VTuber




「C:【変わらなきゃ】の呪い」続き

【C-5:これも職務】
✔ 「大人数の企画には参加しない事にしてる」とぶっちゃけた後延々と「大人数企画がいかに無理か」について喋り続ける紫咲。「大人数の企画が全部無理」はVTuberにとって結構な問題だが、その様子からは何の後ろ暗さも感じられない。「変わった」と言って自分の欠点が改善したか、若しくはその過程にある旨を強調したがる天音とは余りに対照的な様子だが、これは欠点がある事も含めた自分に大きく「マルが付けられている」紫咲の精神性を表している。要するに自己肯定感が高い訳だが、そうなった理由は弱点を晒している状態でも構わず愛す姿勢を親がとっていたからで、これもやはり天音とは逆だ。

多分天音はこの辺りを感覚ではなく事実を元にした理屈で理解していった方がいい。「①他人と比べると何かと上手くいかない自分」→「➁それは自分が自分の短所にのみ注意を向けて頭を悩まし、長所を使いこなす事を怠って来たせい」→「③自然とそうしてしまう仕組みは親が自分の中に構築した物」→「④普通に考えて自己肯定感の高い奴らと自分にそこまでの能力差は元々ない筈」→「⑤むしろ厳しい環境で鍛えられながら育ったのだからその分何か多めに持っていてもおかしくない」といった形で。この流れは全部がシンプルな事実だし、自己肯定感の低さに頭を悩ます、世を生きる大人達のほぼ全員に当てはまる共通項でもある。

自分の欠点を晒して平気な顔をしている紫咲だが、これをする事によって「多人数参加型の大型企画に参加出来なくて箱内への拡散力やホロメンとの繋がりの構築の面で後れを取ってしまう」縛り以上に得ている物が二つある。

一つ目は「キャラクターの明確化とその周知」だ。「自分は多人数参加型企画への参加は無理だ」という欠点を事実として配信でハッキリと話す事によって今後紫咲をどう扱うべきかをリスナーやホロメンが正確に理解する事が出来、これが取っ付き易さに繋がる。「意外と陰キャ」という事で新しいイジりが生まれるかも知れないし、「意外と陰キャなの可愛い」という事でファンが増える可能性もあるし、「多人数無理とか言うややこしい奴はちょっといいわ」という事で紫咲と合わないタイプの人間が向こうから紫咲を忌避し、AmongUSのような多人数参加型企画には当然呼ばれなくなり、居心地の良さが保たれる。「無理な事を無理とストレートに周知する」事は味方を増やし苦手を遠ざける非常に理に適ったやり方で、メンタルを良好に保ち環境を整え、活動の質を底上げする重要な動きであると言えるだろう。

見るからに純情な天音の「コーン営業」には確実に需要があるし、AmongUsのような大人数の場で口がきけなくなる陰キャぶりには共感と庇護欲を掻き立てられるリスナーもそれなりにいるだろう。コーン営業はヤケクソ気味に男女混合型のイベントに参加する事で、AmongUsの方には「直った」と無理矢理に嘯く事で天音はそのキャラ付けをブラしている。本当の自分と違う事をするからキャラの確立が未だに出来ていないし、ホロメンは天音をどう触っていいのか未だに掴めず困惑している。周囲に迷惑をかける事が死ぬ程嫌な天音だがこれも立派な迷惑で、やはり死ぬ気で直した方がいい所だろう。

二つ目は「魅力」だ。自分の思った事を臆することなくそのままの形で口に出来る人間は、ほとんどの人間の目に魅力的に映る。紫咲はDQN系の同僚からモテるタイプだが、同じ長所を持つ星川や赤井もノーガードで言いたい事は言っていくタイプで、うじうじと打算や保身を考えない有様が人を惹き付ける事実が窺える。

ホロライブで成績優秀な上位層を見ても、やはり打算と保身を優先して秘めるタイプのライバーはおらず、下位のライバー程秘めるタイプが多い。「言いたい事を言う」と言ってもさすがに何を言ってもいい訳ではなく、発言内容を一切精査・剪定しないラプラスみたいなのはやはり事故る結果になるのだがそれでも配信の視聴回数等はベース好調で、リスナーにも「言いたい事は言っていく」スタイルの方がウケがいい事が分かる。

自分の全てを秘めた上で安心・安全な言動を「作る」スタイルで生きてきた天音は「言いたい事を言う」というより「言っても問題の無い事は全て言う」という方向性で努力していく事が必要になるだろう。それでも「言いたい事は言っていく」人達に匹敵する程人を惹き付けるには至らない筈なので足りない分は「思ってもいない事をゼロから作った上で、さも言いたいから言っている体で言っていく」努力が必要になる。とっても面倒臭い手順だが、これも有吉・マツコが日々の仕事で当然のようにやっている事だ。

✔ 売れっ子の全員が選択しているスタイルでメリットが多く、分かり易く扱い易い自分になっていく事で同業者やリスナーの為にもなる「欠点のようなネガティブな内容でも出来る限り言っていく」「等身大の自分を、自分と周囲両方に認めさせていく」動きはこの仕事をやっていく上で必ず行わなければならない「職務」と捉えて間違いないだろう。これも必ずクリアしておかなければ同僚が向こうから寄って来る事などあり得ない。


「間違っている」ではなく「努力が足りない」

【ホロライブレビュー.04】B-17で書いた通り、自然と湧く友情でナチュラルな人間関係を作っていけない人間は堅実な仕事ぶりと信頼のおける人柄で向こうにこちらを頼らせる形で引き寄せていくしかない訳だが、これまでに挙げた三つの仕事のようなクオリティでは一生そんな事は実現しない。何度でも言うがオートマでベストな選択を、自動的に行っていけないマニュアル人間は最大限頭を回して抜かりの無い、ベストな選択を自分の力で行っていく以外に道は無い。

簡単に言えば天音は努力が全然足りていない。笑いのルールを理解した面白ホロメンでありながら企画の趣旨を読み解いてそれに正確に沿う事に失敗する、箱で浮いているホロメンを救済する事に意欲がありながら本当に効果を上げるまで努力をし切らない、気遣い屋でありながら「気遣い屋である事に対する周りからの気遣い」に対してそれをさせないようにと気遣う事まではしない。「自己肯定感の低い文化系陰キャ」はそれなりに同類の多いステレオタイプの一つだが、天音はそのタイプの人間としてはレベルが低過ぎる。同タイプのレベル.9999であらせられる有吉・マツコのご両名を見習ってしっかり精進せんかい小娘、要はそういう話だ。


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