【ホロライブ・アフターライフ】04-00《鬼道丸さァん!!!!!!》include:[星街すいせい]*さくらみこ*Ado*宝鐘マリン*みこめっと*[ビビデバ]*[BLEACH]*ドラゴンボール*パイパイ仮面でどうかしらん?/覚えていますか、〝鬼道〟なるものを/Vの怖い話

VTuber


Vの怖い話.03『鬼道丸さァん!!!!!!』3/10




ほらほらほらほら

やっぱりそうなんだよ

こういう連中なんだよ、結局こいつら・・・・

「………………フッ笑」「〝何も起こらない〟って笑」「じゃあ何のための〝詠唱〟なんですか笑」

男は白々しくも〝ハッ〟とした顔を作ってこう続けた。

「そうか、」「言ってなかったか……」「言ってなかったかぁ~」

言ってなかったかぁ、じゃねんだよ

早く言えいいから

「今日お教えする〝秘匿鬼祇術ひとくきしじゅつ〟は私が先代から伝授されたものなんですけど、発動はしません」「〝術式〟だけは代々受け継がれているんですけど、発動自体は長い間確認されていないんですよ」

………………………

………………………ふぅ~ん、

粘るね?笑

「なる程なる程…………笑」

「えぇ」

「スゥーーーーーーーーー、、、、、」

「えぇ、えぇ、」

「ちなみになんですけど」

「はい?」

「〝発動は長い間確認されていない〟の、〝長い間〟っていうのは、具体的にどのくらい?」

「記録に残っている限り、最低でも900年以上ですね」

おっほほほほほォ……………

なる程?笑

数字を盛ってボカすんだ?笑

「ふゥ~ん笑」

「えぇ、えぇ、」

ちなみに、と男は続けた。

「〝オマケ〟、ありますけど、どうします?」

はいはいはいはい、

そういうやり方ね笑

そういうやり方でこいつら・・・・はいつも

………………………

………………………

………………………〝オマケ〟?

〝オマケ〟って何だ?

「え、〝オマケ〟っていうのは……?」

「〝オマケ〟です、さっきの術式の」「あなたが言う〝びびでつばびでつ〟と対になって記録されている、もう一つの術式です」「良ければ合わせてご教授しますけど」

いや、

うん?

………………えぇ?

凄いなこいつ

どういう空気の読めなさ?

「いや、〝びびでつばびでつ〟が眉唾なのに要るわけないでしょう〝オマケ〟」

「そうですか?」「なら、仕方ないですね」「残念ですけど」

困り顔で軽く肩を落としている。

………………………

………………………

スゥーーーーーーーーー、、、、、、、、

………………………

………………………え?

何こいつ?

どういうつもり?

どういう気持ちで今ここにいるの?

「もうさぁ、」「あなた、あれだろ?笑」

「はい?」

「〝互助会〟の人とか、そういう類の人でしょ?」

「〝互助会〟……………?」

「あるじゃん、あの〝あい鬼道道きどうどう〟とかいう、最近周りに迷惑かけてるやつ」

あい……………?」

「そうそう、あの鬼道師連中みんなから嫌われてるやつ笑」

鬼道師には〝なりそこない〟…………………もとい〝ファン〟みたいな連中が結構な数いて、大昔から徒党を組んで〝互助会〟を結成する流れがあった。〝あい鬼道道きどうどう〟はその中でも最多の構成人員を誇る団体だけど、有名なのはそれ以上に「構成メンバーのタチの悪さ」についてだった。─────目を付けた鬼道師をストーカー気味に付け回す〝追っかけ〟なんかはまだ可愛い方で、最近だと〝祓い仕事〟の最中に乱入して妨害したりあらぬ噂を立てて鬼道師同士の対立を煽ったり、密かに収集した鬼道師の個人情報を晒したりで本当にタチが悪い。

こいつ・・・みたいな「術師ごっこ」タイプも〝互助会〟の中には多く、一番も撃てないのに「新しい鬼道を開発する」などと言って〝研究ごっこ〟をしたり「真の鬼道とは」みたいな〝議論ごっこ〟に明け暮れたりで見聞きする度本当に痛々しい。─────鬼道は本質を理解した上でしっかりと時間をかければ基礎ぐらいは誰にだって習得出来る。私に言わせれば、それすら出来ないのは鬼道に対する〝愛〟が単純に足りていないからだ。それで〝あい鬼道道きどうどう〟なんておこがましいにも程がある。

「それでしょ?あなた?」

「いやいやいや……………」

「今回はいいけど笑」「ダメよー?今後これ以上やったら」

「僕は知りません、その〝愛・なんちゃら〟言うやつは」

「んー?笑」

「ずっと籠っているので、疎いんです、世俗のことには」

もういいって笑

「まあまあまあ笑」「許すから、今回は笑」

「いえ、本当です」「僕はれっきとした鬼道師なんです」「〝秘匿鬼祇術ひとくきしじゅつ〟も確かに先代から正式に受け継ぎましたし」「だからこそこうして大きな施設も任せて貰ってるわけじゃないですか」

そう、それは確かに気になっていた。

こんな眉唾者の陰謀論者みたいな奴がこんなにも立派な施設にどうして一人でいたのか、それだけは。

この真っ白で広大な羨まし過ぎるVoid-Carbonateヴォイド・カーボネイト〟製の鬼道演舞場にしたってこいつがオーナーだとか管理者だってことになるし、「職員はいない」らしいから実質独占出来てることになる。─────〝びびでつばびでつ〟言いながら舞を舞うだけの奴がこんな頑丈で豪勢な鬼道演舞場を…………………こんな〝びびでつばびでつ〟言うだけの奴…………………〝びびでつ〟…………………〝ばびでつ〟………………………………………………………ん?

〝びびでつ〟〝ばびでつ〟………………

何だっけ、続き

〝びびでつ〟〝ばびでつ〟………………

〝ぶーわつ〟か

〝びびでつ〟〝ばびでつ〟〝ぶーわつ〟だ

〝びびでつ♪〟〝ばびでつ♪〟〝ぶーわつ♪〟

〝びびでつ♪〟〝ばびでつ♪〟〝ぶーわつ♪〟

………………………

………………………

………………………なんだろう、

知ってる気がする

なんかどこかで

聴いたことがあるような…………

あのぅ、と顔を上げると男はそこにいなかった。

エレベーターの方を見てもいなくて、ぐるっと遠方まで見回すと例の〝ドリンクバー〟から飲み物入りのグラスを二つ持って帰って来るところだった。

(本当にドリンクバーだったんだ、あれ)

どうぞ、と渡されたグラスをスッと脇に追いやって改めて尋ねた。

「あの、散々言ってなんなんですけど」

「はいはい」

「さっきのアレ、もう一回見せて貰えたり…………」

「…………あぁ、はい」「もう一回?いいですよ、全然」

(いいんかい)(読めない奴だな本当)

「すみませんけど…………」

「えぇえぇ、もちろんです」「じゃあちょっと定位置の方に……」

と言って移動し始めた男を慌てて引き止めた。

「いえいえ、いいんです、〝フリ〟は」

「へ?」

「あの、文言だけで」

「あぁ、あぁそう?」

「えぇ、声量も全然抑え目で構わないので」

はいはい、と言いつつ男はまた肩幅に足を開いて「押忍」の構えをとり、右足で地面をタップしつつ〝歌詞〟を熱唱し始めた。

「びびでツばびでツぶ~わツっ♪」

(!?)(っせぇ)

「びびでツばびでツぶ~わツっ♪」

(抑え目でっつってんのに)

「ひぇぇえぃ~♪」

(……………うん、)(「yeah~♪」)(だ。)

「ツこんがらがツてもしょうもないツっ♪」

(うん、「こんがらがっても」「しょうもない」)

(次は「ガラスシューズで」………?)

「ガラツシューツでツオンリナイツっ♪」

(「Only nightオンリナイっ♪」だ)(うん)

知ってる。

100%知ってる歌だ。

「びびでツばびでツぶ~わツっ♪びびでツばびでツぶ~わツっ♪」(2回目)

「ハイ、OKオッケ!!!!」

パンパン、と頭の上で手を叩くと男は「ハイ!!!!」と景気よく返事をして数メートル後ずさっていた私の所に走り寄って来た。

偽りの『秘匿鬼祇術ひとくきしじゅつ』に憤慨していた私は、今全く別の知的好奇心に突き動かされていた。

「あの、〝秘匿鬼祇術ひとくきしじゅつ〟ですよね?」

「ハイ!!!!」

「ここで教えてるのって」

「ハイ!!!!」

「その詠唱文が何故、」

「ハイ!!!!」

「2020年頃のインターネット・ミュージックの歌詞なんです…………!?」


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