✔ この二つの動画を観れば大体誰にでも察せられることなのではないかと思うが、悠木と上坂(ホロライブとの絡みが多い二人)には声優として唯一無二と言える程の何かがない。前出の花澤とか沢城とか、例えば林原めぐみなんかだとどんな素人でも一聴して分かるとんでもないモノを持っているわけだが、この二人にはそれが明らかにない。売れっ子なので努力で突き詰められる部分に関しては当然突き詰められているのだが、人気商売の場合それでしか勝負出来ないのならその時点で二線級でしかない。
だから二人は丁度今のような感じでバラエティ的な活動に力を入れるだとか他所の領域にも気さくに顔を出すだとか、それこそホロライブに来て白上や宝鐘と絡んだりだとか色々やっているのだと思うが、これは歳を食って話題性を失えば出来なくなることだし、もう30代も半ばに差し掛かろうとしている二人にその時はもう間もなく訪れる。──────最近の上坂の劣化ぶりを見れば分かるのではないかと思うが、上坂は明らかにタイムリミットを迎えつつあって今後今以上はどう考えても望めない。ほとんど同い年の悠木も今は話題性で飛ぶ鳥を落とす勢いだが聞けば聞く程普通過ぎる”質”のせいで鳴りを潜めるのは時間の問題だろう。
要は花澤の時代に端を発する「アイドル声優」の波に乗った最後の世代がこの二人で、どちら共が「声」や「技術」と言うより「ルックス」や「話題性」の方を多分に評価されてここまで来た、「声優」として見れば中途半端な素材だということだ。普通に上手いし、普通に綺麗な声だしで若いうちにここまで売れもしているのだから今後何十年と続くキャリアをプロとして悠々自適に過ごすことはもちろん出来るのだが、多分この二人はそれが気に入らない。なれるわけがないのだが、仮に「林原めぐみ相当の唯一無二のレジェンド声優になれる未来」が確約されていたとしてもこの二人はそれに対して胸が躍らない。「アイドル声優」の波に乗って従来の「声優」というカテゴリーを超えた何かになることを夢見ていたのが恐らく当初の展望だし、そうでなければ本心からは納得出来ないというのが本音だろう。
「有名女性声優」にカテゴライズされる若手の活動者達に共通する問題が二点あって、それは『A.先が見え透いている』ことと『B.年齢的な制約によりピークが短い』ことだ。『A』に関しては悠木や上坂のような売れっ子なら「(運が良ければ)最大で林原めぐみ相当のレジェンド声優」が自分の人生の最高到達地点だということがまだ30代前半の今の時点で分かってしまっているわけだが、10代の頃からネットに親しみテレビではなくYouTubeを主に観て過ごし、プロになってからはホロライブの存在を真横に感じつつ活動してきた彼女達がその未来を想像した時血沸き肉躍るだろうか、という話だ。──────自分達の特技・長所・そもそもの性格を活かして出来るあんなに楽しそうな分野がすぐそこにあるのに行き着く先は良くて(何十年ものキャリアの中でアテレコのみを繰り返し脇道に逸れてもせいぜい舞台か歌か、たまのテレビ出演程度の)林原さんかぁ…………と悠木や上坂世代が考えて鬱屈とした気持ちになるのは当然の話だろう。
ルックスや人間性の部分を愛でてもらいつついつまでも続けていたかった「アイドル声優」の「アイドル」の部分を『B.年齢的な制約』でまだ何も出来ていない30代の頭で下ろさなければならないことに関しても誰も納得は出来ない筈だが、「Vとしての自分」を作った上でホロライブに所属することが出来れば彼女達を悩ませる『A』『B』の問題は一挙に解決する。それ以外の何もかもを諦めて声優業のみに集中しなければならない時期を短く見積もっても40代の頭までは引き延ばせ(根拠:戌神ころね、大神ミオ)、その間は何でもやりたい放題だ。何言ってもうんうん言って聴いてくれるリスナー相手に(声優業だけだと注目されない)自分の人間性の部分を聴かせ放題、変なことも言い放題にやり放題、歌を歌えば今の軽く倍以上は聴いてもらえ例の27億のスタジオを使ってのライブも自由に敢行出来、抜きん出た成績を収めた場合に関しては数万人のファンを実地に呼んで行うホロライブの専売特許「ソロライブ」が待っている。──────大体40歳以下相当の若手(?)の「有名女性声優」にとって『ホロライブに所属した上で副業的にホロメンとして活動する』のは明らかに美味しい話だ。
そしてこれは『若い世代に恵まれず新しい波も何年もの間何一つとして起こせていない』かつ『新規顧客とか(チャンネル登録者数等を始めとした)数字周りを盛らなければ業績的・将来的にそろそろ本気でヤバい』ホロライブ運営にとっても美味しい話だ。──────何せ「声優業界」と「VTuber」業界は近いとは言え現状くっきりと分かたれた全く別の界隈で、向こうの票を引き入れられた場合それは今までリーチ出来ずにいた新しい層を箱に引き入れられたことに他ならないのだから。
どちらにとっても(それもかなり巨大な)メリットしかない話なら、やらずにおく理由はない。花澤でも悠木でも上坂でも、井上でも佐倉でも小倉でも潘でも誰でもいい、カバーは今すぐ若手の「有名女性声優」に片っ端からアポをとって「ご本人の活動はもちろんそのままの形でというお話なんですけど………」の話を持って行くべきだ。
でも水瀬いのり。
あれにだけは絶対にオファーをかけてはダメだ。
ドヤコンガはヤバ過ぎる。