✔ だからホロメン達には運営によるこういう(↑)手入れが常に必要になる。これは先月発表されたにじさんじvsホロライブの形をしたプロスピイベントの企画発表配信だが、ここ一年程のホロライブスタッフの愚行の数々を思うとこれはかなり筋の良い企画だ。にじさんじの側からはホロライブと親和性のありそうなライバーが招集されていて、当日(5/24&25)は北海道のリアル球場(収容人数35000人)を押さえイベント専用グッズも多種多様・大量に生産、ラストは参加メンバーでのミニライブまで行うらしい。─────今回これを企画したホロライブスタッフが本気だなと思うのがにじさんじ側の2チームに対してドラフトで男性ライバーを選出することを禁じたこと。メインターゲットを明確に「ホロリス」に絞って戦略的に動いている背景が窺える。
■『にじホロ交流戦』の問題点①「男不在で”にじホロ”交流戦…!?」
しかし、(出演ライバーを女性のみに限るの)だったら「にじホロ」交流戦って銘打っちゃダメだよな、というのは誰しも思うところではないだろうか。私なんかは「にじホロ」と聞いた時点で「またボケのスタッフが安易に男女混合のイベント組んでるよ」「絶対観ねぇー」とキレていたクチだが、にじさんじのリスナーだと逆に「女しか出さねぇくせに”にじ”の名前勝手に使ってんじゃねぇーぞ」という意見が多かったらしく、この件はこの配信の後軽く炎上している。
■『にじホロ交流戦』の問題点➁「仲良くなるために別れて戦って下さい…!?」
そして「にじ」と「ホロ」に分けて対戦させる形式にしてしまうと「にじ」と「ホロ」の間にある壁を取り払いたくてやっているこの企画の効果は極めて薄いものになってしまう。実際合同での企画発表が終わった後は「にじ」と「ホロ」に別れて各々のドラフト会議に移る流れだが、3対3に別れたこの時点で両者の交流は止まってしまっている。恐らくここから試合当日(5月下旬)まで「にじ」と「ホロ」の間にまともな交流の場はほとんど設けられない筈だが、これだとやはりその両者の間にある壁はほとんど取り払われない。─────またこういう対戦形式のイベントで必ず発生するのが『互いの持ちリスナー同士の喧嘩』だ。「にじ」vs「ホロ」の形をした対戦が拮抗の末の判定勝利みたいな終わり方だとまだいいがいずれかが他方をボコボコに負かしてしまうような展開だと参加したメンバーの誰かしらの何かしらが相手の持ちリスナーによって必ず燃やされてしまう。
■『にじホロ交流戦』の問題点③「初めての試みなのに宣伝活動しないんですか…!?」
そしてこれだけ金をかけた新しい試みをやるのにこの配信(3/17敢行)以降参加メンバー6人によるイベントの宣伝的行動はほとんど行われていない。プロスピを用いた配信も6人のうち(監督を行う)4人が一月程の間にほんの数回ずつプレイしただけで、これではイベントに向けてリスナーが盛り上がっていくわけがない。どうもグッズやチケットの売り上げが芳しくないようだが前例のないことをやるのに宣伝活動が全く行われていないのだからそれも当然だろう。
■『にじホロ交流戦』の問題点④「金かけりゃ済むと思ってんのか…!?」
「参加メンバー達の交流の場は事前にほとんど設けず」「宣伝活動も全くと言っていい程行わない」という手抜かりの割に「35000人入る会場」を大仰に用意してそこでの「リアルイベント」を予定し、「イベント専用グッズ」も大量に作って、というのは少々勇み足が過ぎないだろうか。別に金が余っているのなら御社の金なのだからもちろん好きに使えばいいのだが、今回のような新しい試みをやる場合普通もう少し小さな規模で始め進行過程の中で「探り探りやりながら改善していく」余地を残しておくのが定石だ。─────相手方からこちら側に適応出来そうな女性ライバーを選出した上で行う「にじ」×「ホロ」の合同路線というのは当然それしかねぇだろというような最適解ではあるのだが、今回参加する6人が本当にそれを成功に導いてくれるような正しい6人なのかは現時点ではまだ分からないし、「対戦形式」という方向性は既に現時点でズレていることが分かり切っていて、「宣伝不足」という反省点も既に見つかっている。「企画の実施期間を長期に定めて」「デカい会場も押さえて」「最終日はこの日で大々的に……」みたいな形で大枠をガチガチに固めているとそういった次々に見えてくる改善点を細かくクリアしていくことが出来ない。
✔ 以上のような問題点・改善点を数々抱えていることから、運営の本気度が窺える今回のこの「にじホロ交流戦」もやはり穴だらけのガバガバ企画だ。かなり生産的な方針ではあるのだがD(企画を裏で動かしているディレクター・作家的なスタッフ)の力不足は明らかだろう。
ホロライブには新たな【有能なP(プロデューサー)】の存在が不可欠だという話は既に少し前の記事でしたが、P以上にライバー達と近い距離で接し企画・番組を直接的に取り回す【有能なD】の存在も明らかに必要だ。【数字主義】のアホなPと比べるとこちらは今回かなり筋の良い企画を出して来ているので、どちらかと言えば新規でリクルートするのではなく今いるDに細かくトライアンドエラーを繰り返させて熟練度を上げていく形で【有能なD】の獲得は目指せるだろう。
【P】に関しては「新参ライバーのリクルート」「彼女達の姿形を決めチームとしての方針を打ち立てる」みたいなやり直しの利かない分野を担当するため他人にはない独創的かつ動物的な勘を持った特別な人材を用立てる必要があるが、【D】に関してはとにかく『数字』にこだわらせ少しでも良い結果を出すよう努力させるのがいい。
今回の企画に関して言うなら「35000人入るスタジオで最終日迎えたいんですけど……」→「でもまだ何の数字(的成績)も出せてないよね?小さくやって数字出してからだよね」、「グッズを参加するライバー全員(数十人)分作りたいんですけど……」→「発表配信がこの視聴回数(=つまり”数字”)だとまだそこまで捌けるか分かんないよね?」、「お金かけて大きくやらないと結果なんかいつまでも出ない……」→「(色んな意味での)数字をまず出してから言えや」こんな感じだ。誇大妄想紛いな構想を現実に投下して実際に成り立たせてしまうのが【P】の仕事だが【D】の仕事は目先の「数字」を創意工夫でとにかく盛っていくことになる。