✔ 29:55~ 最も多かった「乗っ取られ系」の中でもかなり大掛かりだった博衣の「AIこよりちゃん」。博衣を追っていないリスナーには分かり難い事だと思うので軽く説明しておくとここで喋っている「AIこよりちゃん」は博衣がAIを演じる形で声を当てているのではなく自立思考型の会話AIに博衣の声を覚えさせ、喋らせているものだ。カバーが開発したAIに博衣が自分の声を採用する事を願い出て完成されたという経緯を持つ。
このAIの開発費用を博衣のエイプリルフールネタの資金と捉えるならその額は痩身エステにロケに行った宝鐘や手の込んだ動画を作ったさくらみこに勝る筈だが、その割にこの配信も「AIこよりちゃん」自体も全然面白くない。こちらの意図に逐一そぐわない返答を繰り返すのはYouTubeでもよくあるSiriとの会話企画そのままだし、博衣というそもそも本人自体が薄らスベっているホロメンの派生版が出て来てもホロリス的にも盛り上がりようがない。この配信は凸待ちの側面もあったが視聴回数は20万にも届かず凸に来たのは尾丸、一条、桃鈴ねね……地獄過ぎる。最も豪華にして最もスベった今年のエイプリルフールネタと言えばこの「AIこよりちゃん」になるだろう。
✔ 29:55~ 何やらよく分からない事を長々と喋っている「AIこよりちゃん」はしばらく聴いていても博衣本人がリアルタイムで喋っているのと判別がつかない程本当に精巧な作りをしているのだが、本人と判別がつかないという事はギャップがなくてインパクトに乏しく、つまらないという事でもある。実際この配信も「AIこよりちゃん」を用いるのではなく博衣がAIを演じてこういう喋りを配信時間一杯繰り返すのと何が違うのという話だし、その状態で凸待ちでもした方が大喜利の側面ありこよ虐の側面ありで企画性が高く明らかに面白い配信になる。
懇切丁寧かつ理路整然と、冷静に淡々と言葉を並べていくなら地のキャラが崩れていて(AIとは正反対に)多分に感情的なぺこマリやみこめっとの誰か、大空、戌神、湊等をモチーフにして作った方が明らかにずっと面白くなる。
例えばモチーフを大空にして「AI大空さん」とし、この配信と同じように真ん中に立たせてギャンギャンわめいているイメージしかないあの声にして淡々と「ハッピーリーフ」「うんちっち」等と言わせた方が博衣の場合よりギャップがあって面白いし、それに対して博衣より数倍鋭くキレのあるツッコミを被せる大空の画もこちらよりずっと面白くなるだろう。SMOKのメンバーを呼んで大空+AIを囲ませイジらせてもいいし、凸待ちをして宝鐘が来れば「こっちのスーくんの方が絡み易い」、白銀が来れば「どっちか見分けがつかない…」「お前のスバル愛大した事ねーじゃねーか!」みたいな感じの展開も望めてで「AIこよりちゃん」より明らかに汎用性が高く、実りが多い。
カバーが自立思考型の会話AIを開発していると聞いた時に「自分をモチーフに」という事で志願した博衣だが、その前に「一つしかないAIモチーフの枠を自分が取ってしまうのが果たしてベストな選択なのか」「それがカバー及び全てのホロメンにとって、ホロリスにとって、引いては自分にとって一番いい結果を呼び寄せるのか」という思考が必ず必要だった。感情が動いたその後にもう一段階考えを巡らせる事が出来ないのが博衣最大の泣き所で、博衣のVとしての成長の芽をデビュー以来摘み続け事務所の下層に留まらせ続けているのも同じ粗だ。