→【ホロ些事!@紫咲シオン】10-05 《君のいる地獄⑤》に続く
君のいない天国より、君のいる地獄を選ぶ。──────スタンダール(フランスの小説家)
✔ 紫咲が卒業を発表したのは今月6日でしたけど、ホロメン達の側でそれが周知されたのは(さくらみこが3月5日に敢行した自身の生誕祭のために紫咲にオファーを出した時には知らなかったと言っていたことから)早くとも2月中、大空みたいな近しいメンバーに紫咲がその件を話したタイミングがそこから遠く離れているとは考えにくいのでそれが仮に1月中頃以降だったとするなら紫咲が運営と話を固めたのは早くとも年末年始以降だったのかなと思います。卒業発表配信の中で「(長期休止で)休んだら(体や精神の不調が)治ると思ってました(でもそうはならなかったので卒業します)」とも言っていたので、紫咲個人の中で卒業が決まったのはどんなに早くとも去年の8月17日(長期休止を明けた日)以降、ということになりますね。
「無期限」としていたこの長期休止を紫咲が何故早々に(とは言っても8カ月)切り上げて帰って来たのかその理由を覚えていますか。──────そう、「湊が卒業するから」でした。要は「友達が辞めるのにその場に立ち会えない状況は避けたい」という思いから紫咲は「体調不良で」「メンタルにも来ていた」にも関わらず「半分嫌いになっていたインターネット」に帰ってきた、という流れでしたね。
ちなみに紫咲は既に再デビューに向け裏垢を動かし始めていて、元々の魂垢(@kuroa_06)から新設した今後使用していく予定のアカウント(@roasan___)にリスナーを誘導するとかいう姑息なこともやっていたりするんですが、この作業を行ったのが去年の10月末頃なんです(魂垢を動かしたのはこの時点で2年半ぶり)。紫咲個人の中で卒業の意志が固まったのはこのタイミングだと考えることが出来るんですけど、「去年の10月末」と言えば「湊が卒業してから2カ月」、「沙花叉が卒業を発表する1カ月前」です。──────事務所からの締め付けが厳しくなったことや活動への飽きからホロに居続ける気持ちが弱まっていたところにまず「湊が卒業」、続いて「沙花叉までもが卒業の意志を伝えてきた」ことで紫咲も卒業を決めた、という流れで間違いはなさそうですね。
「湊」→「沙花叉」という順で脱退した後の間髪入れない「紫咲卒業」の報せで「仲が良かった二人が辞めたから」と気付いたリスナーは結構多かったんじゃないかと思うんですけど、であるとするならこの三人の関係性を裏で間近に見ていたホロメン達はもっと明確にその背景を理解していたところでしょうね。大空や宝鐘の諦め顔にも合点がいく気がします。
「(一番仲の良い)友達が辞めたから自分も辞める」っていう、
この脱退理由、
どう思いますか?^^
「バイトかw」とは一旦思いますよね。
「学校ちゃうねんぞw」とも。
「そんなんで将来性捨てるとかw」
「そこまで才能ないで自分w」とも
一旦思うじゃないですか。
でも一通りそう思った上で僕は
『てぇてぇな』と、
今回に関しては思いましたね。
紫咲は「湊や沙花叉が辞めたから」事務所を辞めるわけなんですけど、それは同時に「湊や沙花叉ともう一度一緒になりたいから」事務所を辞める、でもあるわけじゃないですか。ホロライブにいる限り紫咲は二人とは絡めませんからね。「ちょっと久々にコラボしたいな」「配信で二人の話をしたいな」と思った時にホロライブにいるとそれが出来なかったりやりにくかったりするわけです。「共同でカバー曲を出す」とか「同じステージに立ってライブをする」「お互いの記念配信に顔を出し合う」とかもまず無理ですね。そんなこの先が紫咲には考えられなかったんでしょう。
紫咲は『湊と沙花叉がいる個人の領域』と『湊と沙花叉がいないホロライブ』を両天秤にかけて迷わず前者を取ったんです。(前述の魂垢の話から分かるように)二人の卒業の合間の短い期間にそれを決断していることから「迷わず」に加えて「ノータイム」でもありますね。紫咲は「収益」や「数字」や「将来性」ではなく、何の迷いもなく即断で『友情』を取ったんです。
『てぇてぇ』としか称しようのない行いですけど、思えばこの所属ライバー同士の『てぇてぇ』こそがリスナーを絆してホロライブを大成に導いた原動力でしたね。あの頃は「収益」も「数字」も「将来性」も何も無かった、約束もされていなかった。ただ周りにいる仲間達を素直に好きな気持ちと活動への真っ直ぐな想いがあっただけ……………7年も前のことなのでそこにいた全員が紫咲と同じ「バカ」で「ガキ」で今よりずっと「能力も無かった」筈ですけど、それでも『てぇてぇ』の力だけでホロライブは大成することが出来ました。──────きっと、ホロライブってそれだけでいいんです。それさえあれば何とでも続くし、天井知らずに成長することも出来る。反対にそれが無かったとしたならその名が付いた事務所であってもホロライブとはもう呼べない……………『てぇてぇ』こそが本質で、成功の理由で、可能性で、最も価値のある要素で、力で、魅力で、全ての問題を一挙解決する最大の共通解で……………《ホロライブ》とは『てぇてぇ』だし、『てぇてぇ』とは《ホロライブ》、多分それがこの領域における唯一絶対の答えで法則なんです。《ホロメン》という言葉だって、どう考えたって「ホロライブに所属しているVTuber」っていう意味なんかじゃないじゃないですか。アキロゼとかラプラスとかどう考えても《ホロメン》って言わないじゃないですか。『てぇてぇ』=《ホロライブ》ですから、《ホロメン》はやっぱり『てぇてぇの使い手』の意なんですよ。
■「収益」も「数字」も「将来性」も、何もかもを捨てて二人の下へ向かう紫咲は《ホロメン》のまま、《ホロメン》だからこそホロライブを去って行きます。
■一方「収益」「数字」「将来性」のためだけにホロライブに残るメンバー達はそれ故にもう《ホロメン》ではありません。《ホロメン》ではなくなったままこれからもホロライブに残り続けます。
《ホロライブ》はもうその事務所の中にはなく、今後も存在し得ません。今後あるとするならそれは事務所の外にです。現に「あくシオ」「塩シャチ」という本物の『てぇてぇ』を内包した小さな《ホロライブ》が二つ、紫咲の脱退により4月以降事務所の外で復活しますからね。──────湊っていうのは一人だと何も出来なくて今後何の価値も持たないライバーとして余生を過ごすしかなかったんですけど、4月以降紫咲と絡めるようになれば首の皮一枚繋がります。「あくシオ」「塩シャチ」、そして「湊あくあ」。紫咲が《ホロメン》の本能に則って《ホロライブ》的決断を一つ下しただけで三つの真性の《ホロライブ》的要素がこの春ホロライブの領域の外で息を吹き返すんです。
ホロリスがかつて愛した《ホロライブ》が今後復活する可能性があるとするなら、こういった流れの積み重ね以外あり得ないでしょうね。環境が悪化して本質的な部分を失ってしまったホロの箱から一つ、また一つとそれを構成していた残滓が零れ落ち個人勢の領域で再結集してかつての輝きを取り戻していく……………可能性は低いですが、いつか成されて欲しい。今後ホロライブを脱退する誰かの手によってか、もしかするとあくシオの再結成が何かの切っ掛けになるのか……………具体的な担い手は誰でもいいんですけど、《ホロライブ》はここで終わらせてしまうにはあまりにも惜しい文化でしたからね。
ここまでの文脈を総合するとここ最近で事務所を辞めた紫咲以下三名の判断が正しくて箱に居残った側の大多数のホロメン達の方が間違っているような流れですけど、その通り。「収益」「数字」「将来性」併せて「保身」のためだけに事務所に居残る選択をしているホロメン達の中に純粋な意欲を以て活動に打ち込んでいるメンバーは一人もいません。2019年以前ではとても考えられなかった水準の「保身」を手にすると共にそれに目が眩んで全員にとってそれが一番大切なものになり、腐ってしまった形ですね。
さくらみこが「保身」を手にする前より献身的に活動に打ち込んでいるように見えますか。仲間のことが好き過ぎて愛情を暴走させてしまう宝鐘を最近見ましたか。──────大空はどうですか。2018年の夏にデビューすると共に仲間への迷いない愛と活動への突き抜けた熱意でホロライブを瞬く間に『てぇてぇの箱』に変えた大空の輝きをここ最近目にした覚えはありますか。
「大きなステージ」という「保身」のため半笑いで嘘八百を並べ立てるさくらみこは、この仕事と35Pへの感謝の念から自分を叩き削ってまで界隈からの需要を満たそうとしていたあの頃のさくらみこより魅力的でしょうか。「しか勝たん」と明言していた紫咲を死んだ魚の目で見送る宝鐘は、AIによる合成音声のように抑揚のない声で体調の方を心配していた大空はどうでしょうか。
それに比べると【一番好きな二人と同じ場所に行くために「保身」の一切を何の迷いもなく捨てた紫咲シオン】、(少なくともこの年代の一般女子並みには)可愛いですね?応援したくもなるじゃないですか。「どんなストーリーが展開されていくのかな」ってその後が気になるのも紫咲の方ですよね。──────紫咲はホロライブを辞めて株を上げるんです。「あくシオ」「塩シャチ」「湊あくあ」の3カテゴリーを復活させる、という偉業もこの春以降成し遂げます。
「ホロメンが自分の価値を上げ意味のある仕事をするため」には「ホロライブを辞めるしかない」時代が到来しています。【この度友人二人のために事務所を辞め、結果価値を上げて意味のある仕事を3つも成し遂げる紫咲】と【友達二人より「保身」を選び事務所に残り続ける決断をした世界線の紫咲】を比べると明らかに前者の方に価値があるし、有能でもありますよね。メルちゃんも事務所を(本意ではない形で)辞めた結果かなりしっかりしたし、行動力も付いたじゃないですか。大空にせよさくらみこにせよ宝鐘にせよ、それ以下のホロメン達にせよ【「保身」に毒されて腐ってしまった今】より【ホロ脱退により「保身」を失い頭も体もフル稼働させて必死に活動する】道を行った方が遥かにマシな存在になるし、今後成せる功績も圧倒的に多く、また大きくなる筈なんですよ。
えらい時代になりましたね。以前は「ホロライブ」こそが全ての答えでその一員になることが最も大きな成功のカギで、他所の箱や領域にいる女性Vも「ホロライブ」に近付き癒着してその一部になることが価値や性能を上げるための一番の早道だったのに……………今や「出ないと始まらない箱」に鬼の格下げですよ。「保身」は他のどこよりも出来るけどそれ以外はとにかく何も出来ないし長い目で見れば結局キャリアも積むっていう……………「保身」のためだけに活動時間を使ううちに貴重な「若さ」が消費されていくじゃないですか。四十路のババァになって現役期間の最期を迎えてもVとしてのキャリアを通してやってきたのが「保身」のみやから広域で認められる功績や価値を何も生み出せないまま気付けば人生終わってるっていう……………。恐怖ですね。大空や宝鐘の人生がこんな陰惨な方向にシフトチェンジするなんて思いもしなかったし、思いたくもなかったです。
「バカ」な上に「ガキ」な紫咲のことが僕は昔から本当に嫌いだったんですけど、「バカ」で「ガキ」なままであり続けることって、もしかすると(特にこの職において)かなり大事なことなのかも知れませんね。紫咲は「バカ」で「ガキ」だったお陰で正しい道(ホロ脱退の道)を選べたわけですし、残ってる側のホロメン達は反対に「利口」な「大人」であるせいで「保身」ばかりを重要視して間違った道(ホロ残留)を今後歩み続けるわけですから。──────湊が辞めた時に宝鐘が「お母さん心配だから付いて行くわ」って言って本当に事務所を辞めて湊に付いて行ったらめちゃくちゃ面白くないですか笑 同時に物凄く好きになるし、目が離せなくなるし、あくあマリンのストーリーを今いるホロリス全員で一生追い続けちゃいますよね。「あくシオ辞めたらさすがに辞めるわww」「保護者の責任があるもんなww」って大空が二人に付いて行っても面白いですよね。「大きなステージには(私の知ってる)全員で立ちたいから」って、さくらみこが個人勢の領域で一からアイドル事務所を立てて結果自分の力のみで作った「大きなステージ」に皆を招いて業界一のライブをする未来があったら最高じゃないですか。僕だって見直すし(今とは打って変わって)崇拝しますよ、そんなさくらみこは。
この話、宝鐘の「年齢的に先行きが不安」大空の「あくシオと同じ括りじゃなくなったことが悲しい」さくらみこの「大きなステージに立ちたい」の3つの欲求や言い分を全部クリアしてるんですよ。そして資金力や知名度を考えれば決して非現実的な話ではない……………3人をその世界線から遠ざけるのは「保身」だし、それを重要視させてしまう「利口」な「大人」の属性なんですよ。
3人が「バカ」な「ガキ」だったなら選んでいた3つの世界線、文字通り「バカ」みたいな話だな、普通に考えて無理だろって、思います?
紫咲はそれをやったんですよ。「友達だから」って。「二人と一緒にいることより大事なことなんかないから」って。「自分の活動は自分が100%納得いく形でやりたい」って。「バカ」で「ガキ」だから出来たことですけど、この上なく素敵じゃないですか。「利口」で「大人」な3人より遥かに光り輝いていて、将来が楽しみになるじゃないですか。「どうか上手くいって欲しい」「幸せな未来であって欲しい」って、願いたくなりませんか。──────この感覚を紫咲を知るリスナー全体が共有した時の推し力は計り知れないですよ。
だからやっぱり「バカ」な上に「ガキ」であること、この職においては極めて重要ですね。今回紫咲がそれを身を以て教えてくれたわけですけど、こんな出来の悪いガキからでも学べることってあるもんなんですね。
ともあれ、紫咲のお陰でこの春以降復活する「あくシオ」「塩シャチ」「湊あくあ」の3カテゴリー、楽しみですね。「あくシオ」の後身である「さくろあ」の商標登録、何とか僕に出来ないですかね。一番最初にネットの世界にこのワードを放ったのは僕だと思うんですけど、何とかならないもんでしょうか。取り分も二人の全活動収益から半分ずつとかで全然いいんですけど、ね🤔
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