✔ 10:02~ 平日夜に同接8万5千人以上という異常な数字を記録した豪華メンバーによる4人オフコラボ。これは前の記事で挙げた湊×宝鐘のオフコラボのたった4日後に行われたもので、やはりあくあマリンの絡みの頻度が物凄い。
湊はこういった複数人の場に出て来る事は苦手な筈だし、またオフコラボを数日おきにやるような体力・精神力はこれまで見せてこなかった。今湊の中で何かしらのスイッチが入っている事は明白だが、(10:02)で星街が「アクティブ」と言っている通りそれは内側から見てもはっきりと確認出来るレベルなようだ。
✔ 湊が活動に対して過去一やる気を見せているという状況で言えるのは、その周囲にいる湊を引っ張るような立場にいるホロメンは今がチャンスだという事だ。宝鐘が既に実演する形で見せているが湊は箱内・箱外、リスナー・同業者問わず広く人気を博していて、質の良い企画を用意した上で呼び出し、適切に絡めばそれだけでそのコラボは成功する。宝鐘はもちろんすいトワ、紫咲、大空、夏色、あるいは天音や不知火、博衣などもこの機に背伸びをしてそれを狙ってみるのもいいのではないだろうか。
✔ ホロメンがリスナーから得ている人気は通常配信の視聴回数を見る事で大まかに把握できる。トップはやはり宝鐘で30万~50万を切る程度、さくらみこなら25~45万弱、兎田は20万弱~35万程、そこから下って10万回代後半が日々の最低ラインの場合はホロライブの上位層、10万回を割る事が増えると中級下位、それ以下は成績不振で3万回とかを出してしまうようだと単体では求められていないレベルになる。
湊の配信の視聴回数は以前から一回当たり25~40万程度でホロライブでもトップクラスではあったのだが、それでも湊が事務所を代表する売れっ子として認識されなかったのには理由があって、それは配信の頻度の低さだ。配信の視聴回数は月数回のようなレベルに頻度を落とすと物珍しさでバイアスがかかり、実際得ている人気を上回る数字を稼ぐ側面がある。月数回しか配信しない時点で活動に対するモチベを切らしているのは明らかで、その不安定な様子はリスナーからも同僚からも、会社からも期待と信頼を勝ち取れない。だから愛され可愛がられ持ち上げられつつも頼られ崇められ押し出される事を湊はこれまでされてこなかった。
「配信頻度を下げればその視聴回数はバイアス効果で倍増する」という事はその逆も然りで、「そういった形で配信の視聴回数を盛れていたライバーが配信の頻度を上げた時、実質的な人気が露呈する」という事でもある。
三日に一回の配信頻度は最低ラインは十分に満たしている訳だが、それを数カ月続けた結果湊の配信の視聴回数は全く下がっていない。「①物珍しさバイアス」が切れても数字に変化がないのは宝鐘や星街クラスの人気者が頑張る湊を後押ししている事の効果ともう一つ、リスナーが湊の配信の頻度が上がる事を待っていた事の表れだろう。「①物珍しさバイアス」→「➁大型のホロメンによる拡散効果」+「③リスナーの期待に応えた結果」というバイアスの切り替えによって湊の配信の視聴回数は全く変わっていない。
①、➁、③の三つの効果は全て湊に対する周囲からの「求め」だ。配信の頻度を落とせば「①もっと顔見せて欲しい」と求められ動き始めれば同僚からは「➁一緒に仕事がしたい」と、リスナーからは「③いいぞもっとやれ」と求められる。サボっても焦らしても、それをやめて動いても周囲から手を変え品を変え求められ続けている事から分かるのは今湊は「環境から求められている」という事だ。
「アニメブーム」×「YouTuberブーム」の二つが重なった結果生まれたキズナアイ、個人→箱売りの流れの最初に箱のトップたる才能とカリスマを見せつけ業界を席捲した月ノ、ホロライブが一つのグループとして纏まるべきタイミングで計ったように姿を現し鎹の役目を果たした大空、業界に出揃ったあらゆる才能を全て突き詰めた形で併せ持ちデビューした宝鐘、業界の節目節目に現れ新しい流れを生み出した特別な存在は皆その才能を環境から求められていた訳だが、その流れが今は湊に来ている。本人の意志や行動とは関係なく湊をとりまく全ての環境があくまで湊を求めようとするという、ある種異様な状況がそれを象徴している。
ホロライブの箱の中で湊がそういう状況にある事に異論のある人間はホロライブを知っている者の中には居ないと思うが、星川の件のみならず湊は箱内外を問わず同業者からの人気も根強い。ホロライブの外に出て活動しても箱内外の同業者からの強い後押し、つまり「求め」がある事は確実で、これは要するに「外にも響く形でガンガン活動していけ」という環境からのお達しだろう。それを湊がやるかやらないかで湊の今後には大きな差が生まれるし、恐らく業界の今後にも大きく関わる。
考えてみれば男女にモテる上キャラ的なハズしも効いていて、おまけに清純派の正統派でもあり笑いもゲームも業界一クラスの腕前というVは紛れもなくVの有史以来最高級の才能で、これまで5年も埋もれ続けた事の方がおかしい。本人が相当サボって活動から逃げ続けでもしない限りそうはならない筈だが、何でなんだろう不思議だなァ。
✔ どうでもいい話を一つ付け加えておくと宝鐘が湊にやる「娘扱い」は、下流階級出身でDQN気味にして一代でそれなりの会社を築いて女社長になるような現実社会のパワフルなやり手が、才能ある年下の同性の部下と関係を築く時に使うあるあるなやり口だ。こいつ見込みあるなと思った年下の有望株を少し自分を下げるサービスで持ち上げつつ自分の手持ちに加えて仕事に有利に働く戦力へと加算していく訳だが、そういう女社長は得意先でその部下を「うちの娘なんです」と紹介する。俗っぽくて気持ちが悪くてどうしようもない話だが、現実社会で社会人をやっていると実際にまま見る光景だ。
宝鐘が湊を娘と呼び出したのはコンビニで踊っていて云々という有名なアレが切っかけだが、べったりとくっ付いて活動の裏表まで共にしようとしているのは「娘みたいで可愛いから」では決してない。紫咲然り白銀然り、雪花辺りもそうだが宝鐘は人的な魅力や相性の良さを感じただけで誰かにべったりと張り付いたりはしない。仕事の助けになるかどうか、役に立つかどうか、一緒に居る時のリラクゼーション効果がどうのみたいな利害の計算が常に織り込まれているが、冷淡に見えてもそれは活動に入れ込んでいるが故だ。「活動を軸にした生活をどれだけ満たしてくれるか」という判断基準がそこには存在している。
社長の衣装に身を包んで活動内容も「素を作る→人に任せる」という社長スタイルに重きを置き始めたDQN出身の宝鐘が自分を娘と呼んで連れ回そうとしている事の意味を、湊は一度考えてみるのがいいだろう。宝鐘が自分に寄せている本当の想いとは何なのか、思った事を内に留める事が苦手な宝鐘がそれを表に出さない気遣いはいかばかりか、学生気分でそれに気付きもしなかった自分はどうなのか、そんな相手が自分の人生にあと何度現れるのか、そろそろアラサーなら考えて分からない範囲ではないだろう。
箱全体、業界全体を包括するような「環境からの求め」は永遠には続かない。何十年も前から色んな業界、色んな領域の人気商売に女性の若手ホープは矢継ぎ早に現れているが、どんな天才でも周りの全てから求められて蝶よ花よと崇められる期間はせいぜい5年だ。色んなアイドルグループを見てもいいし、歌手や女優なんかを見てもいいがもっと近場で、かつて環境に求められた過去の売れっ子VTuber達が今どうなっているかを確認してみるのもいい。たった一人生き残り今自分だけを見ているその人が握っているバトン、それを受け取る事にさえ迷っている自分は果たしてこれでいいのか、と。