✔ 【24時間ずっと映画館に居続けたら新作映画は何本観れるのか?】
──上映時間を調べて24から引いていけばいいと思う
──あと寝てもいいと思う。家で
【①.テレビ地上波の鉄板企画「グルメ」はYouTubeでも、どのチャンネルがやっても強い】
【➁.数字にこだわってYouTubeをやる≒テレビ地上波に似てくる】
【③.テレビ番組を参考にテコ入れを行えばもっと楽に、もっと数字が稼げる】
【④.再生回数、登録者数、収益を軸に活動するぽこピーは実質「Googleの動画製作下請け業者」。数字主義を選んだ時から「クリエイター」「エンターテイナー」としてのぽこピーは失われた】
→【真・ぽこピー批評.04】に続く
✔ ぽこピーのチャンネルでよく再生回数を稼ぐネタは「①グルメ」「➁キャンプ」「③Amazon等の購入品紹介」「④旅行」等だが、中でも町中華を始めとしたグルメ系動画の回りは群を抜く。そしてそれはぽこピーと仲の良い他のVのチャンネルでも共通して言える事だ。
✔ キクノジョーのセンスが色濃く出た検証系の企画がメインの富士葵のチャンネルでも、最も再生回数を稼ぐのはグルメ。「世界のチーズ」とか「コンビニの新商品」、そして「ラーメン」のような「グルメ×身近×雑学・情報としても価値がある」の三拍子が揃ったネタだと大抵10万回程回る(富士葵のチャンネルでは最大値で普段の企画の倍近く)。
✔ 飛び道具的なネタやサムネ詐欺を用いなければ再生回数が3万回程にまで落ちてしまう事も珍しくないおめシスもグルメを使えば10万回程は稼げる。
✔ グルメネタに全頼りする事でここまで食ってきたミミック。ミミックがVTuberとして、出役として成立しない人間である事は誰の目にも明らかだが、グルメ情報を発信する事で何とか「リスナーさんに観て貰っている」状態。
活動開始当初はぽこピーやおめシスと同じバラエティタイプの企画に挑戦していくスタイルだったがこの潔い変わり身だけは見事。普通ならプライドや信条が邪魔をしてとても出来ない。
✔ この性別不明のデブのおっさんもグルメに全頼りして生きていくスタイル。食う以外何もしていない筈だがそれだけで視聴者が離れない程YouTubeにおいてグルメ系企画は強い。
✔ 「①グルメ」に次ぐ「➁キャンプ」「③商品紹介」「④旅行」というのはYouTubeに食われる直前の、末期のテレビ番組のラインナップと同じだ。アンチ・テレビとして勢いに乗ったYouTubeでも結局数字を稼ぐネタは同じで、数字を頼りに企画を組み立てるようになって久しいぽこピーのチャンネルは今や地上波で視聴率を稼ぐ類のネタに支えられている。
前記事までに何度も書いた事だが、VTuberとしての活動に何のやり甲斐も感じなくなったぽこピーは今収益の増減に固執している。普段は再生回数25万程度のところを30~40万程回してしまう企画は当然意識的に擦っていく訳だが、これはテレビ番組の製作陣がスポンサーの手前視聴率に最も重きを置いて番組作りをする流れと同じだ。数字を意識して番組作りを進めた結果「テレビは面白くない」という概念が定着するに至った事と同じ、再生回数や収益に最も重きを置いて活動するようになってしまったぽこピーの動画も面白い訳がない。
「数字を稼ぐコンテンツ」は「面白いコンテンツ」ではなく「より多数が観るコンテンツ」だ。雇われの身のテレビマンと違ってぽこピーには一生「面白いコンテンツ」作りに拘り続ける権利が与えられていた訳だが、丁度去年の今頃二人は揃いも揃ってその権利を手放し数字主義の方を採ってしまった。
✔ 収益や再生回数等の「数字」に最も重きを置いて活動し、「グルメ」「旅行」のような地上波ライクな企画が得意なのであれば、いっそテレビ番組の趣向に思い切りよく合わせて行くのも手なのではないかと思う。数字に重きを置きながらもぽこピーランドだとか、下手くそなコラボ企画だとかをしつこく続けて中途半端な活動を行っている事がここ半年ぽこピーのチャンネルが過去最低クラスに面白くない事の要因になっている。
①.町中華が毎回40万程も再生回数を稼ぐなら同じパターンでラーメンや一人飲み、焼肉等を扱っても同程度の再生回数は見込めるだろう。東京程ではないが、ぽこピーの拠点滋賀は大阪にも京都にも、少し頑張れば神戸にもアクセス出来る関西の中でも利便性高めの場所だ。関西の三大都市全部、ジャンルも問わないとなればグルメ系企画のネタ切れは一生来ないだろう。町中華企画最大のネックはジャンルを町中華のみに絞っている事によるネタ切れだ。「ネタが切れたなら同じパターンで別ジャンルにも手を出せばいい」という小学生にも分かりそうな方針転換が出来ない程今ピーナッツくんの頭は回っていない。
➁.また旅行やキャンプをやるなら「街ブラ」もきっとウケるだろう。週末の午前中から緩い空気で何でもない街をブラつき、飲食店や観光スポットらしき場所をハシゴしていく例のアレだ。
③.「100均」や「コストコ」がいけるなら「大型ショッピングモール」もいける。「イオンモール」や「イトーヨーカドー」「ららぽーと」等を全体的に見て回って気の向くままに買い込む企画だが、これは関西で元ヤンのおばちゃん姉妹がやっている人気番組の完コピになる。
テレビでやる企画をそのままコピーして全部が全部ウケるかは分からないが、ショッピングモールを丸ごと巡る事のメリットはその中にある色んな店舗の商品紹介を行ってどのジャンルが視聴者にウケるかという意識調査を図れる事だ。家電がウケるならおめシスをいつかゲストに呼ぶ手があるかも知れないし、家具や雑貨なら富士葵にシナジーがありそうだし、ホームセンターやDIYならキクノジョーがいる。
④.テレビでもYouTubeでも鉄板なのが犬を主とした動物ネタだ。何十年も前からテレビでは「困ったら犬かラーメンを出せ」という格言があり、YouTubeでもその法則は変わらない。田舎の実家に住んでいるなら犬を飼う事は難しくない筈だし、実家での撮影風景に紛れ込ませて良し、散歩風景をただただ撮影してVlogとして流しても良し、ピーナッツくんの「歩き」の課題を犬の散歩に挿げ替えて良し、旅行に行こうが無人島に行こうが犬なら帯同してもある程度耐える。引きがあるだけではなく使い勝手が良く対応力があるのも犬のいいところだ。
以上の企画は全部最近のテレビ番組のほぼほぼ丸パクりだが、びっくりする程ぽこピーによく似合う。これに「クイズ」だとか「雑学系」みたいないかにもな企画を足していくといよいよネタ切れは一生訪れないだろうし、動画の再生回数も永く安定する事になるだろう。
旅行企画にしても同じ事が言えるが、ここに挙げた企画にしてもぽこピーが今までやってきた企画にしても、拡げるにしてもただ安定的に続けるだけにしても「人手」の問題は延々付いて回る。
グルメはピーナッツくん一人だとやる事も言う事も一生ワンパターンでいい加減飽きるし、買い物系企画はぽんぽこと仲の良い女Vの複数で行った方がやってる方も観てる方も面白いに決まってるし、演者がカメラマンを兼ねているせいでゲストを呼んだとしてもV同士が仲良く肩を寄せている画が延々観られなくててぇてぇ命な人間性オタクがいつまでも泣いたままだし、演者・裏方共に「人手の増強」は絶対に避けられない課題だがこれもテレビを参考にして真似ていれば自ずとクリアに乗り出すタイミングがくるだろう。
旅行・街ブラ・食レポ・クイズ、どんな企画にしても人手は必ず一定数以上用意されているし、毎回違う座組を試す事で演者同士のシナジーや盛り上がりの具合を確かめ、タレントが才能を披露して爪痕を残す登竜門の役割も兼ねる。どこまでやるのか知らないし、このままオワコン化して消えて行く可能性も十分にあるが、ぽこピーが活動スタイルをテレビに寄せて正当進化していく未来があるとするなら「裏・表両方の人手の増強」は確実に通過し、達成すべきポイントになるだろう。
✔ 上に挙げたような形で企画を進化させられたとしても、やはりぽこピーは面白くならない。「動画で扱う企画を地上波を参考に改善していく」というのが上の項の概要だが、その地上波の番組企画自体既に「面白くない」と結論付けられている。だから若者はこぞってテレビを捨てるし、衆目を集めたい若者はその殆どがテレビタレントではなくYouTubeを舞台に活躍する何かしらを志す。ピーナッツくんが初めから活動の場をYouTubeに限っていた事やぽんぽこがYouTuberオタクである事が正にいい例で、今の若年層にとってテレビは終わったメディアで、その理由は紛れもなく「面白くないから」だ。
だからYouTubeでの活動に人生の盛りを投げうってまで打ち込んだ二人は、しかしテレビ地上波のスタイルに先祖返りしていく。それは余りに皮肉なストーリーだが、「テレビ的な形で進化する(つまり退化して面白くなくなる)」若しくは「オワコン化する」という哀しい二択しか存在しない道を選んだのは紛れもなく二人だ。
2021年の丁度今頃チャンネル登録者数20万人を達成して勢いに乗った二人はしばらくの間紛れもなく業界で一番、YouTube上で一番面白いクリエイターだった。その時起業して必要な人材を確保して、業界研究による活動方針の決定と二人にはないエッセンスの永続的な追加を可能にする仕組みを構築出来ていればテレビみたいなサブくてダサい形ではなく一生「面白い」を、エンタメの最前線で追い続ける道を選ぶ事も出来た筈だった。
時間が経った今二人には「数字」以外何も残っていない。個人勢最大のチャンネル登録者数、動画の再生回数のアベレージ、イベントの入場者数、総合的な収益…ぽこピーというVユニットの凄さは今や「数字」に限定される。ぽこピーは「数字が凄いユニット」で、「面白さが凄いユニット」では今や全くない。
ぽこピーがおかしくなってからもう1年半は経とうかという頃だが、そろそろぽこピーに面白さを期待している視聴者も居なくなっている頃ではないかと思う。それこそテレビと同じで、ぽこピーは多くの視聴者にとって「習慣」だ。物凄く面白くはないしそんなに高望みもしていないけどまあ観といて損は無いし品質も最低基準は満たしてるし、という事でとりまチャンネルをチェックして見逃しがないようにだけはしておく。これは脳死で生きているおっちゃんおばちゃんがテレビを観る姿勢と全く同じだ。
回り易い企画を分かり易く擦ってサムネにはウケのいい麺系のグルメを美味そうに啜る姿を描き、飛び抜けて再生回数を稼ぐ町中華には専用のモデルを用意する分かり易い力の入れ様。全部YouTubeが「これ回りがいいからこっちの方向で頑張るといいよ」の意味合いで伝えて来る「再生回数」に踊らされての事だが、そんな二人は今や立派なGoogleの動画制作下請け業者だ。
広告をより長時間視聴者に見せたいGoogleが再生回数と広告料で二人の作る動画の方向性を間接的に決定し、二人はそれに素直に従う。これもテレビ局から視聴率を参考に番組の方向性を示され、100%それに従った上でまとまった製作費を受け取る番組制作下請け会社の在り様とやはりよく似ている。どちらにも共通しているのは「クリエイターとは似て非なる者」という事だ。
私は自己表現に憑りつかれた「エンターテイナー」と物作りに没頭する「クリエイター」がとにかく好きだ。どちらもV業界だとホロライブに後数名を残すのみだが、彼女達はもちろんGoogleの下請けなんかやっていない。時には恥ずかしく、時には痛々しい欲求を満たす為にYouTubeを、さらにはホロライブを利用している。質が良いか悪いか、高尚かどうかはさておきその居様に張りがあって活き活きとしていて、魅力的な事だけは確かだ。
彼女達の事を「エンターテイナー」「クリエイター」と呼ぶなら再生回数や収益に固執してGoogleの意のままに動くぽこピーは「スレイブ」といったところだろうか。せっかく与えられた機会なのだから奴隷は奴隷なりに頑張ればいい。それこそ末期の地上波のように、茶番と小芝居ぐらいは極める事が出来るかも知れない。
→【真・ぽこピー批評.04】に続く