※ネタバレを含みます
【 ◆◆長所◆◆ 】
【①序盤から中盤までの流れがいい。ミステリー・スリラーとして期待出来る導入】
【 ◆◆短所・問題点◆◆ 】
【①後半以降ストーリーが進行しない】
【➁犯人がほぼ挙手制で名乗り出る。そのシーンを映画の山場としている】
【③犯人や被害女児を含めた登場人物の過半数がバカ。意味不明な行動の連続】
【④後半のネタ切れを痛い残酷描写で乗り切ろうとする】
【 本文の要約 】
シチュエーションスリラーとしての設定は良く、序盤から中盤までの流れも悪くないが後半は一切ストーリーが進行せず、中身が無い。代わりに残虐描写を入れ込んで見せ場としている不快でレベルの低い映画。視聴は誰にもお勧めできない。
【 本文 】
「パーキングエリア」はディズニープラスで視聴出来るシチュエーションスリラー。車で遠出をしている最中大吹雪で足止めをくらった主人公は同じ状況の男女4人とパーキングエリアで夜を明かそうとするが、駐車場に停めてある車の中に縛られた女児が監禁されているのを見つけてしまい…というストーリー。
ネット配信限定の映画でも近年はレベルの高い物が多い。乗りに乗っているディズニープラスで限定公開されている映画で、あらすじも悪くないので期待が高まる所だがこれは本当に酷い出来だった。予告編で見た状況に向けて進行していく序盤~中盤の流れはマイナーなB級スリラーとしては申し分ないが、中盤で自ら名乗り出るような形で犯人が正体を明かしてからはストーリーが全く進まず、中身がない。「犯人に追われる→捕まる→反撃して逃げる→やっぱり捕まる」を延々繰り返すだけだがその過程で痛々しい残酷描写を入れ込んでいて気分が悪い。監督は中身のない後半部分に見せ場のつもりでそういったシーンを盛り込んでいるのだと思うがやり口が10年も20年も古いのだ。
ドラッグとアルコールの中毒2枚抜きを達成している主人公はさておき、自分から正体をバラして犯行の詳細やボスの存在、自分達の生業について聞かれてもいないのにペラペラと喋る犯人に籠城状態を内から壊す味方キャラ、誘拐されている女児は金持ちの家のクソガキで登場人物のほとんどがクズとアホで構成されている。女児が被害に遭う映画ではせめて女児は色んな意味で可愛い子でないとその子を救うストーリーに感情移入出来ないし犯人を憎む気持ちも薄れてしまう。この映画の女児は親が金持ちなのをいい事に他所の大人を脅して盗撮し、ネットで晒すとんでもない子供な上作中監督の演技指導に従って終始キーキー鳴いてうるさいのでいっその事籠城した時に全員で燃やされちまえばよかったのにと思ってしまう。
ネット配信サイトのオリジナル作品の質は近年増々上がっているが、中にはこんな事故みたいな映画もまだ混ざっているのだ。配信から間がない上にディズニープラス限定なのでネット上でまだレビューは見られないが、もう少し経てば酷評まみれのレビュー欄を伴った専用ページが各サイトに上がって来るだろう。