【 不定期VTuberレビュー vol.2 】d.ぽこピー:Ⅰ

VTuber



【 変な話 】
 年が明けてからこちら側、ぽこピーはどうにも調子がよくないようだ。現在ぽんぽこの高性能PCが故障したとかでshorts動画と過去収録のストックを織り交ぜ新PCが到着する今月15日まで急場を凌ぐ、という事らしいが物凄く変な話じゃないだろうか。PCに依存して生きていると言っても過言ではない売れっ子VTuberの家に編集をこなせるレベルのPCがたった一台しかないのがおかしいし、相方が同居しているのだから彼のを使ってもいいではないか。「パソコン壊れたから休みます」なんて言い分は他のYouTuberから聞いた事がないし、動画の中で言っていた「心が折れた」という意味深長な言葉は何なのか。年明け以降動画の出来が微弱に劣化している事と併せ見ると下がったモチベを立て直す為に体よく春休みをとっているようにしか見えない。少なくともPCが壊れた時に「やったぜ休める」とよぎるぐらいしたのではないか。


【 衰退 】
どうしてもそう見える理由は先に挙げたサムネや編集の件以外にもある。悲願の登録者数20万人突破を達成してから半年強、ぽこピーは紋切り型に同じパターンの動画を高頻度で上げ過ぎている。100均系やサウナ、グルメ食べ比べなど同じ雛形で何度やってきたことか。同じ下準備に同じ流れの台本、同じパターンで編集してサムネも前回と違いを出すのに苦労して・・とやっていればいくら向いている仕事でもモチベが切れて当たり前なのだ。去年7月に登録者数20万人を達成してからYouTubeに推されるようになり、飛躍的に再生回数と登録者数を伸ばして早半年強。そろそろマジックも切れる頃である。

いくらうけのいい企画でも同じ作業を延々繰り返してそれだけで時間を過ごしていくのは現状維持ではなく衰退なのだ。例えばピーナッツくんが原宿のサウナに行った事をレビューする動画は「原宿」で「個室サウナ」に入り「入浴時の音声」も収録してきたというのが見所になっているのだが個室サウナレポはもう何回かやっているし浴室内の画像も富士山麓のサウナに比べれば見劣りする。入浴中の音声も前家で疑似サウナをやった時に収録したではないか。「原宿」という立地に意味などもちろんない。自作の紙芝居でキープレイスである原宿をネタにしているだけでサウナが原宿にある事自体に意味はない。大体ブランド的価値があるとされている場所に固執したりその地の住人のイメージにかかったノリを展開するなど古過ぎるし地方民や若者にはうけない。ピーナッツくんは感覚が古いのだ。京都のサウナの時など隣県なのに実はよく知らないから祇園祭などという薄っぺらいネタで苦し紛れに片づけていたではないか。この回にしても新出要素のあるサウナではなかったので相当苦しい構成になっている。

100均企画でテンションあげあげのぽんぽこにピーナッツくんが引きずられる構図や、食べ比べでM1審査員風にレビューするのも同じフォーマットを繰り返す限りどうしても以前使った要素を擦る事になる。半年強もそんな事を繰り返せばファンは優しく「待ってました!」と言ってくれても本人達が手応えや充実感を感じる筈がない。100均や食べ比べ企画に関しては誰か人を呼んで場を賑やかした方が楽しい画になるだろうし、サウナは店に許可を取ってカメラを持ち込むぐらいでなければダメだ。「こいつらやっぱすげぇ」とVの視聴者達に衝撃を与え、自分達の活動意欲に火をくべる意味でも同じ作業を延々と繰り返す活動形態はやるべきではないのだ。


【 誰でも出来る仕事 】
 企画の種類と同様ぽこピーというユニットの形式自体も長い間変わらない。刷新されないYouTuberは基本的に下降していく。3Dモデルが今の綺麗な物に替わって動画に使われるBGMやテロップ、背景等を含めた全体的なスタイルが固定されてから結構な時間が経つ。これだけ変化が起きないという事はぽこピーというユニットの活動形態は今ほぼ完成形に至っていて、今後は地味なマイナーチェンジを繰り返す程度に留まるのだろう。ぽんぽこが企画や編集、撮影のセッティングの大部分を請け負いピーナッツくんがサムネを担当するという役割分担も固まっているようで、余程不測の自体が起きるまでそれが変化する事もないだろう。


決まった作業を繰り返す日々の中で目に見える変化は登録者数の増加だが、それがこれから10万や20万増えた所で何年も目標に据えていた登録者数20万人を達成できた時程の刺激にはならないだろう。もっと内からも外からも「ぽこピーは現行で進化し続けている」と一目で分かる変化が必要だ。

私はぽんぽこが「編集でここ切っとくから」とか「テロップ入れてやんねえぞ」と冗談めかして言っているのを見るといつも頭が痛くなる。ぽんぽこは今個人勢Vの中でも特別な存在なのだ。企画を組ませれば業界一、対人関係に優れV界全体に対して音頭の取れるいちVTuberなんて他にどこにもいない。にじさんじ・ホロライブ含む大型VTuber何人もに声をかけてキズナアイへの寄せ書きを作成出来るVが一体どこにいるのか。ぽんぽこはぽんぽこにしか出来ない仕事に活動時間の全てを捧げるべきなのに、外注すれば済むような下請けの仕事に一日何時間もつぎ込むなど愚策でしかない。隣に座っている百味ビーンズ鼻くそ味は一体何をやっているのか。誰でも出来る仕事に「心が折れる」までぽんぽこを向かい合わせるなどアホ過ぎて見ていられない。

ぽこピーは編集やサムネ作成、事務や撮影準備等を含めた全ての裏方作業を人にやらせる段階に来ているように思える。YouTuberの収益の現状など知る由もないが、100万もする着ぐるみやパペットを容易く用立てている様子を見ると編集や事務を人にやらせるだけの余裕はある筈なのだ。一日の大半の時間を奪っているであろうそれらの仕事から、特にぽんぽこが解放されれば企画が倍組めるではないか。浮いた時間を撮影に充てればその分ストックが増えて今回のように変な言い訳をして休む必要が無くなるし、他Vと組んで「PERO」のような大きな仕事をする機会も増えるだろう。それがV業界全体を盛り上げ、死に体のVを救う事にもなる。こういった事は現状V界でほぼぽこピーにしか出来ず、彼らはそういった事に活動時間の全てを使うべきなのだ。


【 小市民のブルーワーカー 】
 「PCが壊れた」と言ってからぽこピーは様々な、まだ収益化も出来ていないようなVTuberの所にも度々コラボで出向いている。ミミックやフェアリスのような少々うだつの上がらないVとも積極的に絡んでいる様子を見ると「格下の他Vと繋がる事」に鍵がある事には薄々気付いているように見える。今回のコラボツアーの目的が単なるファンサービスではなく、ミミックや衛星ライトのような仕事を下請けしてくれる者を探す旅である事を願うばかりだ。

VTuberとして成功出来なかった者は身内に加え、仕事や視聴者の目に触れる機会をどんどん回してやるのが一番いいし、双方利益にありつける。彼らは売れはしなかったもののVTuberとしての技術の研鑚やV界の研究は入念に行っているので、言わば専門職として雇えば十分に能力を発揮出来るのだ。衛星ライトはもうほとんどぽんぽこの子飼いのようになっているが、ミミックのように一人では先が見えているが裏方仕事の技術はぽこピーと遜色ない者を雇ってその全てを任せればぽこピーは二人にしか出来ない生産的な仕事に時間を使え、雇われた側もV業界の一員として身を立てていく事が出来る。準レギュラーとして定期的にチャンネルに出してやれば知名度と人気を得られて個人チャンネルの方も見て貰えるようになるだろう。こんなにも全員が得する案が何故まだ採用されていないのか本気で理解に苦しむ。ぽこピーはどんなに売れても根が小市民のブルーワーカーなので人を使うとか業務形態を拡大するとかいう発想自体が持てないのかも知れない。

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