✔ 個人勢VTuberを推している視聴者からすればにじさんじというのは、名前はもちろん知っていても具体的にどんなライバーがどんな趣向の活動をしているのか、どう楽しめばいいのか分からない部分が多いのではないだろうか。今回は個人勢からにじさんじへと鞍替えした私がにじさんじ、そしてそこに所属している「にじライバー」、さらにはその活動の具体的な楽しみ方について解説していきたいと思う。「にじさんじじゃねぇか!!」とやりたくもないのに義務感で吠え続けている可哀想な男がいるが、実際見てみるとにじさんじというのは個人勢が敵視する程盤石で強固な体制を築けている訳ではない。今回はその粗の部分についても紹介していきたいのでそちらも参考にして頂ければありがたい。
個人勢のファンをしていると月ノ美兎や剣持刀也等の有名所以外のにじライバーというのはなかなか差別化が難しいのではないかと思う。この項では数多のにじライバーの中から筋のいい者・人気のある者を探し出し、さらにその中から好みのライバーを見つける方法を紹介していきたい。にじさんじ公式HPの「MEMBERS(にじライバー一覧)」のページを見ながら読んで頂けると幸いだ。
「MEMBERS」のページを「登録者数順」で並び替えると一番上の列の真ん中に月ノが表示されるかと思う。にじさんじのボスは月ノ、というのは有名なのでやっぱり月ノが登録者数一番多いのか、と思いそうになるがこの一覧は左から順に見ていく物なのでそれは正しくない。一番上の列の左端は葛葉でその次が叶(かなえ)ときて月ノなので、月ノはにじさんじで三番目にチャンネル登録者数が多いライバー、という事になる。なんだイメージが先行しているだけで月ノはもうにじさんじのボスの座を追われていて落ち目なのか、と思いそうになるがそれもまた違う。月ノは今でもにじさんじのボスで活動の方も相変わらず好調なのだが、それをチャンネル登録者数で追い越してしまう者がいる背景にはにじさんじ初見の者には分かり様のない絡繰りがある。
にじライバーのチャンネル登録者数が伸びる要因は主に四つで、①デビュー時のファーストインパクトが強い(モデルや声がいい、「外国出身」等の魅力的な設定)、➁男性ライバーであること(女性ライバーより数が絞られている)、③オンラインゲームの配信をメインの活動にしている事(APEXガチ勢が一番伸びる)、④デビュー時期が早い(2019年前半以前)事、だ。
月ノをチャンネル登録者数で抜いている二人はどちらもこの全てを踏襲していて、特に一位である葛葉は東京喰種めいたモデルにバトルアニメのイケメン戦闘狂のようなドライでソリッドな声と好戦的な人格を併せて搭載しており、ゲームの腕前もプロ並みである事から特に人気がある。登録者数だけではなく毎配信の再生回数も物凄いのでオンラインシューターのような荒いゲームの配信を観たい人はとりあえず葛葉を重点的に視聴し、度々彼と合同で配信するゲーム配信系ライバーもついでに観てみるのがいいだろう。ゲーム配信をメインに活動している者は総じて民度が低くバラエティや笑いの能力に乏しく、配信の治安も悪いのでその点は要注意だ。
前述の①~④の要因に「話術や笑いのセンスがあり、企画が面白い」や「活動に意欲的」、「好人物で他ライバーと関係を築くのが上手く、その関係性ごと楽しめる」みたいな実際の活動の質を問う要素が含まれていない事には注意して頂きたい。「にじさんじへの参加が早く、モデルと声がいいので登録者数は事務所でトップクラスだが実際の配信は見所が無くて全く面白くない」みたいなライバーは普通にいる、と言うか「MEMBERS」ページを登録者数順に並び替えて見た場合上位の過半数がそんな感じだ。にじさんじの公式ページからは今現在の活動の質が良く、実際に面白いライバーを探し出す事は出来ない。「このライバーが面白い!」みたいな欄も無く、にじさんじの公式ページはこの点非常に不便だ。
例えば星川サラというにじライバーがいて、彼女はにじさんじ公式HPの「MEMBERS」ページを登録者数順に並び替えると月ノの次に表示される。チャンネル登録者数は74.9万人で個人勢しか知らない視聴者からすれば目が回りそうな数字を記録している大型ライバーな訳だが、彼女は前述の四つの要因の①(ハーフ設定。声とモデルが本物のアニメキャラのようでレベルが高い)と③(オンラインゲームの配信をメインに行っている)を押さえており、特にハーフという外国人設定が効果を発揮したものと思われる。がうる・ぐらの成功に代表されるように「日本文化が好きな外国人」という属性はレアな事もあり、現環境においても殊更強い。つまり公式ページで星川のチャンネル登録者数が多い事を確認した時点では星川に実力があるのか、現在活動は上げ調子なのか下げ調子なのか、時間を割いてまで観る価値はあるのかといった事はまだ分からない、という事だ。
では星川の各種実力や現在の活動の調子、配信の人気について知りたい場合どうすればいいのかと言えばそれは彼女の直近の10~20動画程度の再生回数をザッと見る事で確認出来る。前述の「MEMBERS」のページでライバーを選択するとYouTubeチャンネル・SNSアカウントが表示されるのでチャンネルにはそこから飛べる。
動画の再生回数は正直だ。Vライバーを推すような視聴者はいかにもモデルの美麗さやエロさ、あどけないアニメ声等の表面的な要素で動画を視聴していそうだがその実全くそうではない。「Ⅰ:チャンネル登録者数」の項で挙げた四つの要素を押さえていて登録者数だけは多いライバーでも見所のある配信が出来ていなければ再生回数は目に見えて回らない。
にじライバーの配信の再生回数を伸ばす要因は主に六つで、A.トーク技術・お笑い・バラエティ能力が高い、B.(ゲーム等ではなく)雑談配信である事、C.流行りのゲームタイトルを用いたゲーム配信である事(最近だとELDEN LING・Vampire Survivors・閉店事件等。APEXガチプレイは常に安定して稼げる)、D.有力な他ライバーと親密な関係を築いている事、E.男性ライバーである事、F.デビューが早い事、だ。
毎配信の具体的な再生回数に関してはざっくりとではあるが【30万回以上=超優秀。ゲーム系・バラエティ系・男性V等各ジャンルのエース級】、【10~20万回=優秀。他Vに真似出来ない才能を何かしら持ち、大抵切り抜きが量産されている】、【8万~3万回=見れなくはないが凡庸なライバー。テコ入れが必要で、配信内で度々事故・炎上を起こす者や人格の破綻を慢性的に指摘される者が出始める】、【3万回~4桁=失敗例。テコ入れや大型ライバーとの関係の構築でも立て直しは最早不可能で常時配信に事故臭が漂う】といった具合だ。ちなみにshorts動画や歌ってみた等はこの限りではない。
参考までに個人勢の毎動画の再生回数の目安を挙げておくと【10~15万回再生=個人勢のトップ。Vとしての技量・企画力・挑戦的な活動態勢をカンストして数年キープし続け弾き出せるかどうかの数字(例:ぽこピー】、【5~10万回=優秀。企画力か好感度で頭抜けていなければ出せない数字(例:おめがシスターズ】、【4万~1.5万回=見過ごせない問題を抱えておりテコ入れが必要。一定の固定ファンはいるがそれ以外の興味を引けないクオリティ(例:富士葵、ミミック、銀河アリス】、【1万回前後以下=チャンネルがまともに回っていない。イチからチャンネルを作り直す程のテコ入れが必要】といった具合だ。大手とそれ以外では同格の実力を持っていても具体的な数字の面で大きな差が出る事が確認出来る。
話を星川の件に戻す。星川のチャンネルの動画一覧を見ると「15万回再生前後」の物と「5万回再生前後」の物が混合しているような状態だ。それぞれをよく見比べてみると「15万回再生前後の物は【APEX】とはっきり表記されている物が多い」という事が見て取れるだろう。つまり星川は前述の再生回数を回す要素「C:APEXを扱う」を踏襲した結果再生回数を稼いでいるという事が分かり、それをしていない動画が再生回数を稼げていないという事は「A:トーク技術や笑いの意味での面白さ」「D:有力な他ライバーと繋がる」という要素を取り落としている、という事が読める。
ここまでを纏めると星川サラというにじライバーは「声やモデルが良く外国人属性という要素も相まって2019年後期という遅出でありながら多大なチャンネル登録者を得る事に成功している。しかしAPEXを扱わない動画の再生回数がいまいち回っていない為恐らく面白味に欠け、つるんでいるにじライバーにもあまり大した者はいないのだろう」という事が公式HPとYouTubeチャンネルの動画一覧をざっくりと見るだけで推測出来る、という事だ。私は星川の動画をまだ一つも観ていないがこの読みは多分当たっている。
例えばフレン・E・ルスタリオというライバーは普段の配信では大抵自分好みのゲームの配信を行っておりその方針自体に引きはないのだが前述の再生回数を稼ぐ要素「A:ずば抜けたお笑い・バラエティ能力」、「D:さんばかを始めとした先輩達と良好な関係を築けており顔が広い」を押さえている結果遅出のライバーでありながら毎配信の再生回数が約10万回程度と好調だ。これに「B:基本的に雑談配信」「F:デビューがフレンより早い」を加えたアンジュ・カントリーナは毎配信の再生回数が15~20万回程で、更に「E:男性ライバーである」「F:デビューがアンジュより更に早い」を加えた剣持刀也は毎配信30~45万回再生程を記録している。
逆に言えば「F:最初期デビューの」「E:男性ライバーであり、」「D:葛葉のようなトップライバーとも仲が良く」「C:流行りのゲームを配信で扱うスタイルをとっている」にも関わらずチャンネル登録者数が15万人にも至らず毎回の配信の再生回数が1万にも満たないにじライバーは事故物件の可能性大、という事だ。今言っているのは渋谷ハジメという月ノと同じ2018年初頭デビューの1期生の話なのだが、彼は不祥事を山のように重ね謹慎まで経験している嫌われ者だ。モイラという登録者数や再生回数が渋谷とほぼ同じ状況の1期生もいるがこちらは渋谷から上述の内E、D、Cを差っ引く形になるので「最初期デビューだがこれと言った見所がなく、シンプルに埋もれてしまった人」なのかなと推察する事が出来る。この二人に関しても私は動画を一切観ておらず、声すら知らない。