前記事で触れたように特にポコリーグには今後繋ぎを取っておかねばまずいホロライブから、比較的応じてくれそうな大空とその仲間達にまとめてオファーをかけるのがベストだが、根性無しのぽこピーには疎遠になっている昔馴染みに改めて連絡を入れるなどハードルが高いだろう。
【 不定期VTuberレビュー vol.4 】①「ぽんぽこはPCを捨てやがれ」:Ⅱ
リゼがやると言ったら無条件で付いて来る二人がいて、それがさんばかのアンジュと戌亥だ。どちらもバラエティ系の能力が高く下ネタや暴言に頼らない関西系のスタイルで立ち回っていて、ぽこピーやその周りにいる個人勢との親和性も高い。ぽこピーが間口になって自分の仲間達と彼女らを引き合わせる事はやっておいた方がいいし、干物で非リアで人としてダサいが知的で独自のセンスを持ち、同性に歪んだ性的な目を向けるアンジュはピーナッツくんの女版、どちらも低い発声で気だるく話す様子から恐らく民度が同程度で、関西系の笑いのセンスに長け良くも悪くも自由な戌亥は完全にぽんぽこと同系統で、同世代の関西女子だ。
ぽこピーはリゼよりもこの二人と一度ちゃんと絡んでおいた方がいいのだ。アンジュと宝鍾やアンジュと月ノの組み合わせを見ていると「趣味嗜好や精神性が似ていてもノリが違うと上手く嚙み合わない」という事を痛感させられるが、ぽこピーとアンジュ、戌亥は全員ソフトな関西系でノリまで同じだ。この二組が絡めば大きな何かが生まれる可能性は十分にある。
クイズ番組と言えばおバカ枠が必要になってくるが、それにはぽんぽこ同様義務教育に最後まで抗った女、フレンが最適だ。戌亥と先輩後輩を越えた関係で結ばれていてリゼにとっても最も相性のいい後輩で、アンジュともかけ合いの出来るフレンは最早四人目のさんばかとしてユニットに入れてしまった方がいい程に彼女らと相性のいいライバーだ。
フレンは2019年後期以降事務所内でしか通用しないようなライバーしか産めていないにじさんじの最後の成功作品とでも言うべき逸材だ。事務所内に向上心のある人間がいないせいで誰にも押されずどこにも売り込まれず埋もれ気味のまま放置されているがおバカタレントとしての実力は間違いなく業界トップクラスで、非常に使い勝手のいいタレントなので今後の為に繋ぎをとっておいた方がいい。さんばかより後のデビューでぽこピーが抑えておかなければならないのはこのフレンと不破の二人ぐらいだろう。
「ポコリーグ」は五人チームでやるものなので一枠余るが、そこもにじさんじで埋めたいのなら健屋でも呼ぶのがいいだろう。バラエティが下手なので空気クラッシャーになる可能性があるがガチの高学歴なので、地上波のクイズ番組におけるカズレーザーや宇治原のような高学歴タレント枠として使える。勉強の出来る人特有の絡み辛さがあってさんばかともフレンともぽこピーとも今ひとつ噛み合わないと思うが華だけはとにかくあるので画が良くなるし、見た目と声の良さに感化されて彼女のチャンネルを見に行くリスナーもそこそこいそうだ。何より今彼女は売れる切っ掛けに強く飢えている。そういう若手に活躍の場を与えて恩を売っておくのも悪くないだろう。
先日ぽんぽこちゃんねるのサブとして「パラレルウォーカー」というチャンネルが開設されたが、チャンネルの参加者の誰とも関係のないこの名前の由来は、今MCU(マーベル系映画)にハマっているぽんぽこが現在絶賛上映中の「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の劇中で登場する「ドリームウォーカー」というキーフレーズに触発されて付けた者だと思うし最初に投稿された動画名に「メタバース」とある事からもそれが窺い知れて短絡的でかわいいじゃない、という所なのだがそれはさておきこの「パラレルウォーカー」に参加している三名のVTuberが今後ぽこピーが面倒を見ていく事に決めた「ぽこピーファミリー」とでも言うべきメンバーなのだという事は留意しておかねばならない。もちひよこ、ふぇありす、ミミックという環境から置いて行かれるばかりだった三人のV達は今後いつでもぽこピーの後ろに控えて指示や依頼を待っているし、三人の大きな決断の裏には必ずぽこピーへの相談やお伺いがあると思っていいだろう。
ぽこピーとこの三人が組んだという事は出来るだけ広い範囲にアピールした方がいい。それ自体に新鮮な話題性があるし「ぽこピーのとこの○○さん」という事で同業者にも視聴者にも覚えて貰い易くなる。「ぽこピーに縋らないと何もできない奴」という誹謗中傷はあるだろうし実際その通りなのだが彼らと彼らの作ったコンテンツが人に見て貰えないまま終わっていく事を考えると、そんな事はどうでもいい。特にぽこピーはさも友達のような体で三人を動画や配信に見切れさせるのではなく「この子うちの子です」というアピールをわざとらしいぐらいにやった方がいいのだ。
それを踏まえると今回の「ポコリーグ」では、ピーナッツくん陣営はぽこピーファミリーで固めるべきだった。「ぽこピーファミリーVSさんばか+フレン(にじさんじ軍団)」、「ぽこピーVS大空スバル軍団(ホロライブ軍団)」みたいな図式を作れば「自分達はこのメンバーで業界を相手に渡り合って行く」というアピールにもなって景気のいいスタートが切れたのだ。もちろんピーナッツくん陣営は役者が不足し過ぎているし事故のように滑っていたまであるがそこはピーナッツくんが昔ぽんぽこにやっていたように裏で注意して育てていけばいい。面倒を見る事に決めた運命共同体の「ファミリー(=家族)」なのだからそれは当たり前の事だ。
普段の動画作りにしても同じ事だが特に「ぽんぽこ24」程人の目を集める大きなお祭りイベントのキャスティングは自分とその関係者・さらにはゲストの全員が得をする事と、自分達のより良い将来まで繋がる導線を敷く事を併せて考える、言わばV業界における政治的観点も加味した上で行わなければならない。「前から話してみたいと思ってて~」とかそいう思考で人選びをしている場合ではないのだ。
前記事で触れた大空スバルとその仲間達のキャスティングについてはホロライブを少しでも見ていれば簡単に思い当たる事だが「リゼがクイズ企画に出たがっている」というのは彼女の配信で軽く触れられる程度の情報で、このレベルを察知しようとするなら相当なVマニアの裏方スタッフでも必要になってくるだろう。
しかしこういう些末な情報こそがユニットの先行きに大きな差異を生む事があるのもまた事実だ。リゼを押さえられなければぽこピーと大きなシナジーを生めそうなアンジュや戌亥を呼ぶきっかけが作れない。ぽこピーには業界の隅々までリサーチして企画発案やキャスティングの補佐が出来、編集やスケジュール管理等の雑務までこなせるような裏方専門のスタッフが必要なのだ。
そういう裏方がいればぽんぽこは時間的余裕が増えて面倒を見る事になった三人のチャンネルに顔を出すとかホロライブみたいな業界のまだ触れていない一帯と繋ぎをつけるとか「話してみたい」同業者とミーティングを兼ねて食事に行くとか、そういった生産的な仕事に手が回るようになるだろう。だからさっさと人を雇って自分のPCなんか捨てちまうべきなのだ。