✔ 毎年恒例のぽんぽこ24が迫っている。V界の内外から種々多様なゲストを多数呼び寄せ敢行される超個人勢なお祭りイベントも今回でvol.6になり、業界の注目を大いに集めている。
主催であるぽこピーが売れれば売れる程呼べるゲストも大物になっていき、前回のvol.5までは間違いなくその流れが顕著だったのだが、今回出演予定のゲストの面々は前回と比べてさしてランクアップはしていないようだ。キズナがいないのはどうしようもないがにじさんじの女ボスがいないのは気になるし、前回までは一つの企画に複数呼んだ内の一人、という扱いだった小物Vに一コーナー丸々任せていたりホロライブがほぼいなかったり。バーバパパがいるのはさすがに衝撃だが、それ以外はほぼvol.5から横這いか、やや落ちる構成ではないだろうか。
普段絡まないような遠い場所にいる者達を呼び寄せるのは特別なお祭り感があってそれはそれで構わないのだが、それより優先順位の高い事があるだろうという話である。にじさんじ歴二ヶ月、ホロライブ歴一ヶ月の私でも見抜けるぽんぽこ24における、ぽこピーにとっての最善手を彼らが見落としてしまうのは舵取りをしているぽんぽこが一日何時間もPCにかじりついて編集やその他雑務などという下の仕事をしているからに他ならない。
彼らは慢性的に業界研究が足りていない。ぽんぽこは春休みの言い訳に使った、買ったばかりの高性能PCを今すぐ捨てるべきなのだ。
この記事では始まる前から微妙な仕上がりになる事が確定している「ぽんぽこ24 vol.6」を下敷きに、ぽこピーが完全に見落としている彼らの進むべき道、採るべき策を講じていこう。
今回の「ぽんぽこ24 vol.6」のゲスト一覧を見て真っ先に気になるのがホロライブのタレントがほとんど呼ばれていない事だ。
にじさんじにしてもホロライブにしても大手事務所には、普段個人勢してか見ていない者には想像も出来ない程に細かな縛りが多い。ぽこピーがやっているような外ロケ、実写、パペット、居住地域やその近辺の施設等の具体名の開示、ユニット外の人間を動画や配信に即断で登場させる事等は、恐らく大手では全て禁じ手となっている。
ある国の名前を配信で呟いたというだけの理由で事務所の稼ぎ頭をクビにしたり、キズナアイの卒業イベントに所属タレントを一人も寄越さなかったりと何かと窮屈な印象のあるホロライブだが、今回のぽんぽこ24には癒月ちょこという埋もれたホロメンが呼ばれており、つまりホロライブは現在ぽこピーNGでは特にないという事になる。
ホロライブは化物だ。たった二月前初めて触れたにじさんじの、中核で眠っている才能に気付いて恐れおののいた私だったがホロライブを知った今ではそれすら最早どうでもいい。ホロライブは業界が停滞し始めて数年経った今も現行で未来のスターを生み出し続けているたった一つの機関だ。今後の業界を支えて発展させていくのがホロライブただ一つなのは明らかで、にじさんじも個人勢もホロライブとより多くの繋がりを築けた者だけが生き残っていける。それは個人勢やにじさんじにしか相手にされない犬山がダメで、同じ絵描きで同じようにタレントとしての才能のないしぐれがホロライブと強固な繫がりを築く事で成功している例を見ても明らかだ。
ぽこピーはにじさんじには強くいけてもホロライブには気後れしている。にじさんじの女ボスには簡単に仕事を依頼する癖にホロライブに関しては今回の癒月みたいな埋もれた窓際ホロメンやデビュー前から繋がりのあった尾丸ぐらいにしか声をかけられない。数カ月前兎田ぺこらの人参を無理矢理貪る動画を撮っていたがホロライブのど真ん中にいる本物のスターにはあの程度に匂わせて気を引くような、恐る恐るな絡み方しか出来ないのだ。
ぽこピーより1年半程も後輩の兎田に対して随分情けない姿勢をとっているように思えるが兎田のチャンネル登録者数は190万を越えておりぽこピーの6倍強、毎配信の再生回数は大体ぽこピーの倍~5倍ぐらい回っているのでこの場合は下手に出るのが正解だ。ぽんぽこが「(兎田にとって)うちらと昔絡んだ事なんて黒歴史なんだよ」と自虐している裏で兎田はぽこピーと絡んだ事自体を忘れていた、という哀しい切り抜きを観た事があるが、要するにぽこピーと売れっ子ホロメン達は現状そういった力関係なのだ。彼女らは普段ぽこピーの事など見ていないどころか存在すらも忘れているし、今回のような大型企画の噂を聞いたときに「まだ(VTuber)やってたんだ…」と生存を知るぐらいだろう。
才気溢れるホロメン達の中でもひと際異才を放つのは2019年後期にデビューした三期生の面々だ。前出の兎田ぺこらや事務所外での知名度も高い宝鐘マリンがその代表だが、現状先々までV界を牽引していくのはこの二人を差し置いて他には考えられず、この二人と繋がるまでは無理でも何かしらの関係性は築いておくか、少なくとも認知ぐらいはされておくべき、というのが現環境における全てのV共通の課題だ。
残念ながら兎田と宝鐘はゴリゴリの東京系ライバーで、どちらも相当荒い性格で荒いノリを用いるのでぽこピーとは確実に相性が悪い。なまじ一緒に仕事が出来たとしても一切のシナジーが生まれないだろう。
ではぽこピーがホロライブや有力な三期生達と繋がるにはどうすればいいのかという話なのだが、ホロライブには三期生のみならず全ホロメンの精神的支柱のような役割をしている古参ライバーがいて、それが以前は度々ぽこピーとコラボをしていた大空スバルなのだ。二期生以前のホロメンというのは今一つパッとしない者が多く皆兎田や宝鐘の威光に霞んでいるような状態なのだが大空だけは存在感が強く、三期生も彼女には頭が上がらない。
DQN色の強い宝鐘と育ちの良い大空は今一つ相性が良くないらしく何度も一緒に仕事をしていながら微妙に距離があるような様子だが兎田は関わりが深く、所謂「ス虐」のような形で強めに当たりながらも信頼と敬意を寄せているようだ。宝鐘や兎田と同じ三期生の白銀は大空に恋愛の意味で好意を寄せていて、大空の言う事なら基本的になんでも聞くような状態だ。
つまり大空をぽこピーのお得意様に復帰させる事が出来ればホロライブ三期生はぽこピーの事を「大事な先輩の仕事相手」という事で無視出来なくなる。ぽこピーは大空の先輩に当たるので「大事な先輩のさらに先輩」という事にもなるので仕事のオファーもかけ易くなり、断りにくくなるだろう。というか下手をすれば向こうから関係を結ぶ機会を探って来るかも知れない。
大空は今活動が絶好調で、三期生同様やはりぽこピーに用などなく事務所内で同僚相手に仕事をしていれば何の不足もないのだが、恐らく彼女にも唯一と言っていい懸念点があり、それは主にホロライブ二期生以前の、彼女と関わりの深いホロメン達を埋もれている状態から何とか救ってやれないか、という事だ。大神ミオや白上フブキ、さくらみこや姫森ルーナ等のホロメン達は事務所外での知名度がほとんど無く、事務所内でもパッとしない者がほとんどだ。彼女らとセットで今回のぽんぽこ24でやる「PERO!」や「ポコリーグ」のような団体戦の企画に大空を呼べば多分彼女は乗って来るだろう。ホロライブはいい事務所だしホロメン達の中にも優秀な者はたくさんいるがぽこピーのように正統派で大掛かりな企画を組んで成立させられる者はホロライブの中にはおらず、活動のほとんどが事務所の中だけで終始してしまっている状況には彼女達もマンネリ気味だ。事務所外で新鮮な仕事に取り組む機会といつもと違う視聴者層に観て貰える機会を同時に仲間に与えて貰えるならそれは大空にとっても美味しい話である筈なのだ。
今回ぽこピーがぽんぽこ24の、チーム戦を行うタイプの企画に呼んだのは彼らが声をかけ易い者ばかりだ。毎年同じような面子で同じような使い方、そのV自身の将来性や自分達と組んだ際のシナジー等を全く考えていない人選には失望感しかない。自分達の将来や今後の選択肢を増やす事を考えるなら団体戦の企画は大空スバルとその軍団を呼ぶのがベストなのだ。舞元や兎鞠、ばあちゃるのような将来性が無く自分達とのシナジーも薄く、既に関係性も出来上がっている者達など今回のようなお祭り番組の目玉企画に今更呼んでも全く意味がない。剣持はリスナーを引っ張って来れるし刀ピーは目玉なのでやはり呼ぶべきだが初見のVの接待にも使える本格派のクイズ企画に宛がうなどもったいない。朝食の枠にでも呼んで普段のド突き合いとは違うシンプルなフリートークでもした方が新鮮で面白いだろう。お祭りなのだから冒険するべきだし同じ座組でも違うテイストが生まれる企画も試していくべきだ。
ぽこピーはまず停滞気味な自分達の現状を打破する為にこれまでとは違う相手との関係性を構築していく事が最優先事項だという事が分かっていないし、その関係性はホロライブの、それも三期生を中心に据えて構築していかなければならないという事も全く分かっていない。
さらにホロライブ内部の現状やホロメン達の関係性を知らないので大空スバルというホロライブへの取っ掛かりが自分達にはあるという事に気付いていないし、大空の事も実はよく知らないので彼女を動かすにはどんな形でオファーをかければいいのか、という事も分かっていない。
今年のぽんぽこ24には全く意味がない。去年の軽微な劣化版を繰り返すだけでぽこピーはおろか呼ばれたゲスト達にも何の変化も起きない。遠く離れた業界の珍しい面子を呼び寄せているが、去年までそれを延々繰り返して結局何の変化も生まれていない。専業では食っていけないようなマイナーなVを呼んで出代を恵んでやるつもりでコーナーを丸ごと任せたりしているがこれも毎年繰り返して何の成果も生まれていない。「こいつぽんぽこ24でしか見ねぇな」とリスナーに思わせて当人にも恥をかかせて、毎年それだけの事だ。彼らは明確にぽこピーの子飼いにしてやって普段の動画で定期的に使い、魅力や楽しみ方を視聴者に提示してやるべきなのだ。そうした導線をこまめに作ってやって初めて大舞台を任せる事に意味が出て来る。青だ赤だと信号機モチーフみたいな事を言っている彼は知らないが東雲なんかいくらでも使いようがありそうじゃないか。
業界研究をしないというのは致命的だ。次の段階への突破口を見落としてしまうし将来的には全く意味のない活動を延々と繰り返してしまう。ユニットの大まかな方向性を決めているぽんぽこが何故業界研究が出来ていないのかと言えばそれは一日何時間も編集作業でPCにかじり付いているからだ。「サブチャンネルの動画の編集は外注している」と先日の配信ではっきりと言っていたのでやはりそういう手段はぽんぽこにもとれるのだ。
ユニットのブレーンが業界研究を疎かにして外注で済むような仕事に時間を割くなどあってはならない。ぽんぽこは今すぐPCを捨てて自分にしか出来ない仕事に専念すべきなのだ。