ホロライブコラム.02【ジェネレーション・プレミ@ホロライブ1期生】Q《中堅、白上フブキ④鏡に問いかけ、壁に挑んで》include:さくらみこ/宝鐘マリン/星街すいせい/勝てば負けての反面世界

VTuber




鏡に問いかけ、壁に挑んで

✔ 他のホロメンとゼロ距離まで近付きインファイトで打ち合う事を嫌う白上の習性はさくらみことの関わり方にも表れていて、ヤマさん、チョーさんみたいなノリでお互いの事を「フブさん」「みこさん」と呼び合って一定の距離を保とうとしている辺りは正にそうだ。「距離は詰めたいけどいきなりガバっとはちょっとな」みたいな躊躇の跡が見える。

星街然り大空然り大神然り戌神然り、尾丸や桃鈴辺りにしてもさくらみことフラットに関わったならその関係性は誰にとっても「目下の身内(娘、妹、子分、ペット」に相対した時と変わらなくなってしまう。「みこてんぱい(天音」、「みこにぇーさん(博衣」みたいに格式張ったり持ち上げに行ったりしているホロメンは皆さくらみこにゼロ距離まで寄って行く気がない旨語るに落ちてしまっているような状況で、白上の「みこさん」もこれと同じようなものだ。実際さくらみこを下位存在として遠慮なくバシバシと叩く事と要介護者のように手取り足取り世話する事を同時にやっているホロメン達のさくらみことの絡みは須く、現状白上のものより面白い。

ビジネスの関係を公言して固持しようとしていた星街が関わるうちにズルズルと母・姉の立ち位置に引っ張り込まれてしまった事と同じ流れがフブみこでも起こればいいのだが、ガチガチに堅くてセンスがなく、勘も悪い白上に関してそれが叶うかは分からない。──現状フブみこの温まり方は相当なもので、これは相方が失脚しかかっているみこめっとに取って代わる、白上にとっての最大のチャンスなのだが、その可否はさくらみこでもフブ⇔みこ間の相性でもなく一重に白上の今後の身の振り方にかかっている。受け身で誰にでも平等に接する(事しか出来ない)さくらみこはさながら人懐こい小型犬だが、転じて関わるホロメンをそのまま映し取る鏡のようなものでもある。その関わりの行く末は常にさくらみこの相手方によるし、その責任をさくらみこに問う事も決して出来ない。

またビジネスを超えた関係になれるか否かの分岐点が既に現れている宝鐘との関係も、白上がちょっとつつかれたぐらいで「怖いぃ…」とか言っているようだとバッドエンドのビジネス確定ルートに向けて道が開かれてしまう。宝鐘の方の準備は酔っ払い凸の時の様子を見れば分かる通り整っている訳で、やはりこちらも白上が宝鐘と非・ビジネスの距離まで近付いて打ち合う所まで自分を持って行けるかどうかにかかっている。──さくらみこと違って怪物過ぎる宝鐘と距離を詰めるのは極めて高難度にも思えるのだが、実は宝鐘の異常性に負けつつもがっつりとバディを組む事に関しては兎田や不知火が既に成功している。ただのアホだったり低機能過ぎたりの二人がそのためにやったのは「価値を認めて」「恐れず」「正面から向き合い」「嘘や誤魔化しをやめて」「いつも本音を話す」というたったそれだけの事だが、長く職務上でコンビを組まされていながら白上は未だにそれが出来ないままでいる。──さくらみこが関わるホロメンにとってその身を映し取る鏡であるなら宝鐘はホロライブの中級以上を目指す場合避けては通れぬ関門のようなものだ。恐れて引き返すならそれまで、立ち向かって越えられたなら確かな成長と地位や将来性までもが約束される、宝鐘はホロライブにおいてそんなカリン塔みたいな存在だ。

さくらみこや宝鐘との公私に渡るビジネス以上の関係性というのは、当然全てのホロメンにとってとにかくデカい。今後どちらも取り切る事が出来ないのなら白上はやはりその程度の存在だったという事だ。


【中堅、白上フブキ】Ⅲ「勝てば負けての反面世界」

✔ ホロライブのシャドー・ルール八つめは『⑧負けるが勝ち』だ。大空以上クラスのホロメンを見れば分かるがみんな白上みたいにガードを固めてリスク回避を念頭に置くようなスタイルを活動上とっていないし、しばき合いのさ中一人敵前逃亡を決め込むなんて情けない真似はしない。ガードを開けて深く踏み込む攻めはリスナーを強く刺激するし、その距離で予想外の返しを受けてもいなす技量に魅せられる。ぺこマリのぺこのように、みこめっとのみこのように相方に一方的にボコされる関係もあるがボコされ方まで演出して面白い画を作る事が出来たなら撮れ高十分・相方もご機嫌でリスナーからは庇護と共感、尊敬の念が得られる。白上より上のホロメンになればなる程その技量に優れていくし、大空のような事務所の中級上位以上に食い込みたいならこれは最早必須技能だ。『④中級以上のホロメンを観察してその共通点を見つける』試みの中で白上は恐らく『⑧』を見落としている。

白上が『⑧』に反しているのは、同僚との絡みに関してだけではない。何事も利口に筋道を立てて効率よく、ホラゲ配信のようなそれを一切必要としない場ですら粛々と片していくのは事が悪い方に転がって「負け」を引き寄せるのが嫌だからだし、リスナーとも決して軋轢が起こらないよう絶妙な距離を空けて付き合うのも集団心理で加速したリスナーに押し「負け」るのが嫌だから、アド過ぎる地の部分を押し出すのを躊躇するのもそれに目を付け惹き寄せられた同僚やリスナーを捌き切れる自信がなく、技量不足により自爆する「負け」が怖いから。白上にとって活動上一番の優先事項はリスクヘッジな訳だが、それを叶えて「勝つ」事こそがこの職においては一番の「負け」である事、そのやり方のせいでデビューから今まで下の世代の、素質だけで言えば決して負けていない相手に「負け」続けて来た事に白上は気付いていないし、自省も出来ていない。


✔ 去年秋頃の熱愛疑惑の際アンチやコーン営業の大前提、スキャンダル自体や炎上している事にさえ「勝ち」にいってしまったが故に配信の視聴回数を大きく落とし「負け」の苦汁を長く舐め続けている人。逆境にもひるまず真正面からストロングスタイルで「勝ち」をもぎ取ってしまった星街を擁護する気風は起こらず、逆にその件を良しとしなかったファンはそのまま離れアンチはただ静かに潜伏したままで、つまり星街が自分の選択によってこの件で失ったものは多くても得た物は何もない。いっぱしの芸能人のように「お騒がせして申し訳ありません」とでも言って頭を下げておけば擁護の流れも起きただろうに、星街はそういう所が本当に至らない。

星街は長い間ホロライブのトップ層に名を連ねる押しも押されぬスターライバーだったが、その中にあって唯一『⑧』を守る事の重要性を知らない負け下手でもあった。そんな星街が今正に事務所の中級ラインに転がり落ちようとしている事実がホロライブで活動する上で『⑧』を守る事の重要性を物語っている。踏襲しなければ事務所の中級以上にせり上がるのは無理だがそこに参加した後も踏み外せば蹴り落とされ締め出されてしまう、ホロライブで活動する上でのシャドー・ルール『⑧負けるが勝ち』はホロメン単体の価値と行く末を大きく左右する極めて重要な項目だ。


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