ホロライブコラム.04【メルのいる場所@夜空メル】O《メルがいた場所。──いた筈の場所》include:桐生ココ/潤羽るしあ/大空スバル/『誰も一人でVじゃない』

VTuber




一人じゃなんにも出来ない人

✔ 3:37~ では今度は夜空が退所と同時に失うものではなく、箱に居た時に発揮していた強味だとか持ち味、リスナーから寄せられていた需要等はどこにあったかと考えてみると、それはやはり「PON」「おバカ」「不思議ちゃん」そして「カワイイ」等の要素なのだが、能力不足の夜空はそれらを反映した見せ場を自分一人の力で作れない。

動画は一年前の大空警察で取り上げられた夜空の晩酌配信での「不思議ちゃん」×「カワイイ」な奇行の様子だが、この場面はここで紹介されなければなかったも同然だ。元の配信は全ホロリスが観ていたこの場でこうして紹介されても猶10万回も回っていない状況で、その中にいくつか点在するだけのこういったシーンを直接的に観て夜空の見せ場として捉えているホロリスなどほぼいない。

ここ数年で夜空を知ったリスナーからすれば「と言えば」なワンシーンだと思うが、それは「大空の力」がなければ夜空の見せ場の一つとして成立し得なかった点に注目。


✔ 大空がいて初めて成立した夜空の見せ場はここに挙げた上二つの切り抜きのような形で他にもある、と言うか手描き切り抜きで言えばほとんどこれしかない。一番下は夜空のおバカを1期がイジったもので、箱の需要を最も端的に表す「手描き切り抜き」という二次創作ジャンルが夜空の「PON」「カワイイ」等の最たるキャラ属性をそれと認識して切り抜いた場面は、その全てが夜空一人の力で成立していない。


✔ 0:50~ 「カレーライスで死なないで」に次ぐ夜空の名シーン(集)、2022年夏のRustホロ鯖でのPONの数々を切り抜いたもの。チームで集まって戦いに備える下準備の段階で何故か一人訳の分からない遠方でギターをかき鳴らしつつひた走る夜空にメンバーが振り回される展開だが、これもやはりチームメンバーがいなければ成立しない。

個人的にはマリカ大会のような勝負所で時折見せていたこの頭空っぽなやる気顔が今後拝めなくなってしまうのがとても残念だ。Vとして復活するのは確実だと思うが、絵師は何とか同じにならないものかと思ってしまう。


5:50~ 個人的ついでにもう一つ挙げるならおバカをイジられて「はっ!?」とキレるという、真性のおバカ以外ではあり得ないおバカレスポンスが消えてしまうのも非常に惜しまれる。バカにされてこれ幸いとヘラヘラしているさくらみこみたいなビジネスおバカには醸せない愛らしさがここにはある。

これもおバカに目を付けて強めにイジってくれる仲間がいなければまず観られない光景だ。


メルがいた場所。──いた筈の場所

✔ 箱が切り抜きとして残した夜空の見せ場はとても少ないのだが、観れば観る程、洗えば洗う程その全てが他のホロメン頼りだ。おバカをイジられて強めの笑いが起きたシーンはまだしも、最後の最後まで自分を一番魅力的な形で提示するためのベストな配信モードすら作れないままだった夜空は大空が横に居なければ一番「カワイイ」状態に自分を持っていく事すら出来なかった。他のホロメンとの繋がりに乏しく箱の隅に寄ってしまっていた夜空ですらベストなパフォーマンスを打つには他のホロメンの助けが必須だった。

仲間を失った夜空は今後Vとして復活してもおバカをイジられてキレる事はもうないだろうし、そもそもおバカやPONを晒す場を当てがって貰える機会がないし、単体でそっち系の見せ場を作る事があったとしてもそれを見て笑って「あいつやべぇよwなぁリスナー!ww」と拡散して見せ場にまで昇華してくれる人間はどこにもいない。大空みたいにイイと思える誰かと組む機会がそう都合良く単体のマイナー個人勢Vに訪れる筈もなく、大空にデレている状態の一番「カワイイ」夜空はもう二度と観られない。

そういう状態で復活した夜空に夜空メルとしての価値、もしくはアイデンティティーは果たして残されていると言えるだろうか。ふわふわとしたおバカを晒して場を混乱に陥れるもつっこまれると「はっ!?」と逆切れする真性おバカコンボも大空にデレて大昔のツンデレヒロインみたいになった激カワフェイスも見せない夜空がそこにいる状況を私達は果たして「夜空メルが復活した」と捉える事が出来るだろうか。

桐生や潤羽がksonやみけねことして復活しても鳴かず飛ばずだったのはそういう事だ。二人にしても夜空にしても追っているのはホロリスのみで、ホロリスは彼女達が箱の中に居たからこそ錬成出来た要素をこそ観ていた。ksonはまだしもモデルや喋り方までホロ在籍当時に寄せ活動形態に至っては現役のホロメン達とほぼ同じだったみけねこですら不振だった事実を見ればホロリスのほとんど全員がライバーその人ではなくその人を中心としてホロライブの中に展開されていた空間を観ていた事実が分かる。

さくらみこは夜空をめうめうー、と呼んでいた。大神は夜空自体がツボだったため何をしても姪か孫が可愛いかのようにゲラ笑いのし通しだった。ずっと歳下の癖に余りにおバカで幼い夜空に夏色は歳下の後輩を相手取るかのように世話を焼いていた。

夜空がいなくなって消滅してしまったその全てこそが夜空自身だった。少し間を置いてモデルを新調し、配信活動を始めさえすれば簡単に復活出来る筈の夜空の脱退をこんなにも惜しむ声が多いのは、またその時激しく動揺したホロメンが居たのはその全員が夜空が死んだきり二度と復活しない事実を体感で悟っていたからだ。確かに夜空はもう復活しない。あと数ヵ月後には活動を始める、夜空の中の人が違うモデルを被った形をしたVTuberは我々が知りもしない、全く関係のない別の人だ。半月程前突如箱を追い出されると同時に夜空は確かに死んでいて、私達はもう二度と彼女に会う事が出来ない。

ホロライブ所属のVが活動上最も大切にしなければならないのは「活動を頑張る事」ではなく「歌が上手くなる事」でも「トークが上手くなる事」「ゲームが上手くなる事」でもなく、「コーン売りを守る事」でも「称号や記録を一つでも多く獲得して並べ立てる事」でも「売れる事」でもなく、『そこに居て調和し続ける事』だ。それさえあれば何でも出来るし現状はどうあれ可能性は残り続ける、そして何よりどうあっても味方してくれる仲間達がいる。その全てを失った時ホロメンは誰も生き残れない。その事実は桐生と潤羽が既に示してくれているし、夜空もこれから身を以て伝えてくれる。

ホロライブに所属していて、そこでの調和を乱し在籍の危機を犯してまで通していい我などホロメンは誰も持っていない。リスナーがホロメンを観るのはその全ての場合においてホロライブを観る事のついででしかない事を忘れてはならない。

また同僚との関わりこそがホロメン各々のアイデンティティで、その数と質を突き詰める事でしか存在価値を盛る事は出来ない。事務所のトップが広く人脈を築いている宝鐘やさくらみこ、大空等であり同僚との付き合いに積極的ではなく箱の脇に寄ってしまっているホロメンは須く成績が芳しくなく、やめた者は例外なく死に向かっている現状を見ればその点疑いの余地はなく、今後は活動上それに従い続ける事が出来た者こそが環境のトップランカーに名を連ねていく。この時代最早Vの本質はVその人ではなく、同業者との関係性の上に存在している。

夜空の最後の配信は今でも再生され続けているし、コメントも更新され続けている。チャンネル登録者数を100万人に届かせようという声も絶えないが全ては無駄な事だ。夜空が死んでいなくなった後の棲家を綺麗に飾り立てても何の意味もない。裏垢の方に早めの復活を望む声も多数届いているがこれも無駄だ。いくら早く復活してもその時顔を見せるのは我々の知っている人ではない。

二月の末に全て消される夜空の配信を少しでも多く、長く観ておきたい気もするのだがどうにも気が進まない。単純に面白くないせいか死人の声に聴き入っている状況に怖気おぞけが差すからか、どちらなのかは自分でも分からない。


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