✔ クリント・イーストウッド………?
【①.監督は代われど前作までのキレキレのギャグ&アクションは健在。骨太な玄人監督の安定感が感じられる】
【➁.ありとあらゆる枠を超え、ここ数十年程のマーベル映画に出演したキャラクター達が大集結】
【③.その殆ど全てに当時と同じキャストを用いている事を始めとした様々から感じ取れる強烈な「マーベル愛」】
【④.超ハイクオリティな映像美&CGアニメーション。いかな大作映画と言えど2024年現在これ以上は望めない程】
【①.脚本がスッカスカ。中~終盤にかけてストーリーがほとんど進行しない】
【➁.ウルヴァリンが置物。デッドプールに付いて回り軽く合いの手を入れるだけのまるでNPC】
【③.ウルヴァリンが解釈違い。ぶつくさネチネチとうるさくて覇気が無く解釈違いもいいところ。違う次元の云々という前提はあれど俺らの知ってるあの彼じゃないなら蘇らせる意味自体がそもそもない】
【④.ドラマ「ロキ」でお馴染みのTVAがストーリーの軸にあってその時点で面白くない。主人公が作中で自虐しているがTVAの出現を皮切りに始まった「マルチバース」こそが今のMCUを面白くなくしている最たる原因の一つ】
【⑤.「マーベル愛」がズレている上に行き過ぎていて作品の質を阻害している】
✔ 「デッドプール&ウルヴァリン」はライアン・レイノルズ&ヒュー・ジャックマン主演の2024年のアメコミ/アクション映画。予告編でも散々観て取れた通りこの作品を機にX-MENシリーズとの軽微な繫がりを除けば独立したシリーズだった映画「デッドプール」はMCU入りを果たしたという事になるのだろう。「元々FOX作品だったデッドプールが買収によりFOXごとDisneyに買い取られて~」という経緯は作中デッドプールが詳細に語ってくれていて分かり易くてありがたい。
MCU関連のドラマシリーズ「ロキ」の舞台だった「TVA(タイムパトロール的なもの)」とがっつりと絡んだ上で進行していくストーリー上にMCUとはまた別シリーズだったX-MENシリーズ(2000~2017年)の登場キャラ達がそのままの形で複数乱入している画を観るに最早そういったシリーズ毎の仕切りなど無いに等しいのかも知れない。───様々な大人の事情がクリアされフレキシブルな作品作りが実現されるようになったと見るか各シリーズの人気低迷による最後の悪あがきと見るかは人それぞれ。
大変良い出来だった前作「デッドプール2(2018)」と今回は監督が代わっていて少々悪い展開が予想されるところだが今作を担当した監督も長年多数の映画作品に携わりそれなりに良い仕事をしてきた玄人の熟年監督で、その点は大丈夫。問題なのは監督の腕ではなく脚本の薄さ、ただそれのみだ。