
I’m inside of your head……5/8
〝ワッシ……〟〝ワッシ……〟
「(い、痛い…………ww)」「(痛い痛いイタタタタタタタタタ)」「(痛い…………ww)」「(当然のように、)」「(痛い…………ww)」
男のそれは最早あらゆる感覚を正確に伝えなくなっていた。
今感じているその痛みが現行で与えられているものなのか、先程までの後遺症なのか、
男にはもう分からなくなっていた。
〝ワッシ……〟〝ワッシ……〟
男は、なけなしの気力を振り絞り強がるのが精一杯だった。
冗談めかして女の手を振り払う。
〝パッ〟
「………………………フゥ、」
「………………………フゥ、」
「………………………ハァ、」
「………………………ハァ、」
「………………………」
「………………………」
「………………………メルちゃん、」
「この僕が、」
「女性経験百戦錬磨のこの僕が」
『今さらこんなの……痛がると思った?』
〝ワッシ〟
「アッ、、、、、」
〝ワッシ……〟〝ワッシ……〟
「(痛い…………ww)」「(…………のかなぁ?)」「(分かんない、)」「(もう分かんないよ)」「(感じないんだ、もう)」「(何も…………ww)」
女は、
やにわに使っていない方の拳を握り、
男の目線の高さまで振り上げた。
「?」
次の瞬間、
〝ボグッ〟
「痛っ!?」
男の右太腿に衝撃が走った。
「………………………!?」
女は、何事もなかったかのように手作業を続けている。
〝ワッシ……〟〝ワッシ……〟
「………………………ちょ、」「ちょちょちょちょ」
〝パッ〟
男は驚きのあまり、今起きたことをそのまま尋ねた。
「今さ、グーで玉、」「殴ろうとしなかった?」

