〝ギシ、〟〝ギシ、〟と
貧相な体つきをした女を
天井から吊るす鎖が揺れていた。
「…………………」「…………………」
「ハァ、」「フゥ…………」
「…………………」「…………………」
「ハァー………、」
貧相な体つきをした女が
それに全体重を預けてぶら下がっているためだった。
脚も尻も腰も背中も、
貧相な体つきをした女の体に付いた筋肉は
そのほとんどが機能を失っていた。
「…………………」「…………………」
「…………………」「…………ふぅ、」
「…………………」「…………………」
「…………………」「こういうことね……」
と小さく呟いて
物憂げな顔の女は馬用の鞭を
〝ブン、〟〝ブン、〟と
素振りした。
脱力し切って
文字通り鎖で吊るされているだけの
貧相な体つきをした女の体が
一瞬〝ビクッ、〟と跳ねる。
「……………あ、ふ」「………あ、」「うぅ……」
「この感じだ………」「ははぁ、」
「………………う、」「痛………………」
「成程ね…………」「収穫だわ、こっちは………」
堂に入っているように見えて、
物憂げな顔の女はこういった行為を行うのが
この日初めてだった。
先刻振るった鞭が貧相な体つきをした女に全く響かず
寧ろ余裕を与えて優位に立たせてしまったのは
〝自分が力加減をし過ぎてしまっていたせいなんだ〟
と気付いたのは
物憂げな顔の女も同じだった。
鞭で〝ビュン、〟〝ビュン、〟と空を切る度に
その風で飛ばされんばかりに
〝ビクッ、〟〝ビクッ、〟と顔をこわばらせて飛び上がる
貧相な体つきをした女の反応に
物憂げな顔の女は確かな手応えを感じていた。
「………………フゥ、ヒ、」「………ヒッ、」「ヒィィ……」
「(天職だわ、これ………)」「(どうすれば相手の心を折れるか)」「(今は手に取るように分かる………)」
「ヒィ…………」「あっ、」「あだっ………」
「…………………」「…………………」
鞭の素振りから距離を取ろうとして
後ろ向きにつまずいた貧相な体つきをした女の脚は
やはりまるで機能していなかった。
赤黒いベルト状の痣に彩られ
ガタガタと大きく震えている。
「……………あれ……」「おか、」「おかしい、な………」
「…………………」「…………………」
「全然力、が」「入んない、」「………や」
「…………………」「…………………」
「ねぇまじちゃん、僕…………」「おかしいん、」「だ………」
「…………………」「…………………」
「なんか、首から下」「全然力が」「入ら、」「なくて………」
「…………………」「…………………」
「何も感じないん、だ………」「首から、」「下………」
「…………………」「…………………」
物憂げな顔の女は手にしていた鞭を床に〝べち、〟と投げ捨てて
足早に貧相な体つきをした女に歩み寄った。
「さ、」「むい、」「…………さむい、なぁ、なん」「だか………」
「…………………」「…………………」
「やっぱり僕、」「死ぬの、」「かなぁ………?」
「…………………」「…………………」
至近距離真正面に立って見下ろす
物憂げな顔の女を
体ごとでぶるぶると震えながら
やっとのことで見上げる。
「ねぇ、最後に」「一つ、お願いきいてもらえる、」「…………かな………?」
「…………………」「……………うん、いいよ」「何?たなかん」
「……………僕、」「がね?」「死ん、だら………」
「…………………」「…………………」
「遺灰、は」「埼玉の、海」「に、」「撒いて」「欲しいん」「だ………」
「…………………」「…………………」
「なるべく、見晴らしがいい場所、」「で」「春には桜か何かが咲くような綺麗な、」「場所」「から………」
物憂げな顔の女は
右手で拳を握り、
人差し指の側面と
親指の第一関節の内側で
貧相な体つきをした女の
大判の絆創膏に覆われたままの
左乳首を
乳輪ごと深く
深く
深く深く、
そして強く
挟み込んだ。
「っあ!!!?」
「…………………」「……………うん。」
「あっ!えっ!?」「ちょちょっ、」「ちょっと、」
「何?」「何たなかん?」
「これはちょっとッ、」「あ゛っ!」「…………あ゛ぁッ/////」
「遺灰をどこに撒いて」「欲しいって?」
機能していなかった筈の両脚が力一杯つま先立ちになり
前方に弧を描く形で
ペラッペラの体を
弓なりに反らしていく。
「あ゛っ!/////」「あ゛のッ!!!!」「あ゛ッ!」「あ゛ッ!」「あぁぁ………/////」
「うん。」
「ささサイタマっ!」「サイタマッのっ!」「海にィっ!!!!!」
「…………………埼玉に」「海が、」
言いながら
欧米のサービス業の従事者が
客にチップを要求する時と似た手つきで
乳首を、
─────と言うより、
乳首と乳輪との
内部組織の上下を
ゴリゴリと、
内側で擦り合わせていく。
「あ゛!」「あ゛ーーーーッ!////」「あ゛ッ!////」
「あるか?」「コノヤロウ…………」
「あ゛ッ!!!!」「ア゛はッ!!!!/////」「あ゛ン゛ッんっん、……………!!!!」「はっ…………うっ/////」
「ん?」「舐めんなァ………?地理ガチ勢の私を………」
「ん゛ん………」「んっ////」「あ゛ッ、」「あんッ/////」「やめ、」「やめやめやめやめ/////」
「自分の県なのに」「そんなことも知らんのかぁ………?」
「はあ゛ぁぁ…………」「あ゛ッ/////」「もうやめ、やめやめ」「もうやめてぇぇえ゛、」「あ゛ッ////」
「お前の県は、、、、、」
「あ゛っ、」「すっご、う゛っ////」「あっく、う」「だめッ、これ」「んきゅうぅぅ………/////」
「山と川ばっかりだっ!!!!!」「このッ!!!!!」
と言って
物憂げな顔の女は
鍵穴に鍵を挿す時と同じ角度だった右手を
〝ガッツポーズ〟と同じ角度に
肘と手首ごとで
捻り上げた。
「!!!!!!」「あ゛ーーーーーっ!!!!!/////」「あ゛っ!!!!!」「あ゛っあ、」「あぁ゛ーーーーーっ!!!!!/////」
「何が寒いだ、」「このっ、」
「やだ!!!!!」「まじちゃんっ!!!!!」「お願っ、」「あ゛ッ!!!!!/////」「やめッ、」「でっ!!!!!/////」
「そりゃ冬にこんなッ」「パンいちでッ!」
貧相な体つきをした女は
〝全く力が入らない〟と先程説明した筈の両足で交互に
〝バンッ!〟〝バンッ!〟〝ベチッ!〟
と
コンクリート製の床を叩いた。
「無理無理無理無理ぃ………!!!!!!///////」「無理無理無理無理、」「ほんと無理ぃぃぃぃぃぃッ///////」
「窓の割れた部屋にいたら」「暖ったかくは」「ないだろうよそりゃっ!!!!!」
貧相な体つきをした女の左乳首を
掴み捻じり上げた右手の手首を
左手で掴んで支え、
右手の人差し指と親指で〝チップ〟を
要求していく。
「あ゛ッ!!!!////」「あ゛はっ!!!!////」「あ゛ッ!!!!////」「…………あぁッ!!!!////」「あ゛ッ!!!!////」
「さっき何て言った?」「もう一個!」「もう一個ォ!!!!」
貧相な体つきをした女は
物憂げな顔の女の右手に引っ張られる形でのけ反り
左乳首を天井に向けていた。
左乳首と
同じく真上を向いて天井を仰いでいる顔の
その鼻先と
〝機能しない〟と先程言っていた
今針のように鋭くコンクリート製の床を刺している
両足の爪先の
三点が、
綺麗な
鋭角三角形を描いていた。
「も゛うッ!////」「……………あ゛、」「ゆる、」「ゆる、」「して………/////」
「〝首から下は何も感じない〟って、」「言わなかった!?」
「あ゛ッ!!!/////」「い゛っ、」「い゛い゛っ、まじっ」「…………たっ、」「あ………っ/////」「アン゛っ!!!!!/////」「アン゛っ!!!!!/////」
「ここは首から下じゃないのか?」「ん?」
と言いながら〝ガッツポーズ〟をとっていた右手を
元の〝鍵挿し〟の角度に戻し、
代わりに左手も追加で
空いていた右乳首に対し
〝鍵挿し〟を
行なった。
「あっ!!!?////」「あぁっ!!!?////」「あ゛っ!!!!////」
「どっち!?」「どっち!?」「どっちが何も感じないの!?」
両手でゴリゴリゴリ、と
〝チップ〟を
要求していく。
「あ゛っ、」「あぁ」「あ゛ーーーーーーーぁ゛…………/////」「あ゛っ、/////」
「うーーーーーん!!!?」「どしたどしたぁ!?」
「あっぁ、」「あぁ、」「あは、」「あ、」「……………う゛っ/////」
「声が甘えてきてるなぁーー?」「〝やめて〟って言ってたのにィ?」「ほらほらほらほらァーーー」
弓なりに張り詰め
小刻みにブルブルと震えている体の
そのがら空きの股間に
物憂げな顔の女は
〝ドス、〟と鈍く
しかし重く
右膝を入れた。
「!!!!!」「あっ!」「やだ!」
「ここも〝首から下〟だよーーーー?」「感じっ、」「ないの?何も」
〝鍵挿し〟をしている両手を支点にして
〝ドス、〟〝ドス、〟と
連続して膝を入れていく。
「やぁだ!」「あ゛ッ////」「何して、」「あ゛ッ////」
「たなかんはここ蹴られたら痛いの?」「どうなの?」
「やッ」「やめてッ、」「ん゛ッ////」「酷い気にしてんの、に゛っ」「ア゛ッ////」
「わぁ、なんか」「グニグニしてるー笑」「蹴り心地」
「ひ、」「酷い」「ア゛ッ////」「もうやめ、」「う゛ッ////」
「きもォーいたなかんの」「股間事情ーーー笑」
猶も両乳首を引きながら
股間に膝を入れ続ける物憂げな顔の女が放ったこの一言に
貧相な体つきをした女は
少し怒りを覚えた。
体はいくら虐め抜かれても
先天的な体質まで
バカにされる謂れはない、と
強く思った。
「もうッ!やめ、」「う゛っ////」「やめ、」「やめッ、ないとっ」「ア゛ッ////」
「ん、なに?」「なにたなかん」「やめないとなにー?」「ンっ、」「オラッ!」
「ア゛ッ!////」「あ!////」「う、う、」「訴える!」「訴えるっ」「かっ、」「らっ、!」「あ゛んっ!////」
「訴えるぅ~~~!?」
「そ、そ、」「そそそそう!」「うったえる………」「法廷だよッ」「あ゛っ!!!!/////」
「何て言って訴えるの?」「こーーーーやって、」
と言いつつ蹴るのをやめ、
また〝両手で鍵挿し〟の型に戻り、
両乳首に対して
〝チップ〟を要求していく。
「あ゛ッ、」「あ゛ーーーーッもう!/////」「やだやだ、」「やだそれぇぇぇ」「あ゛ッ!!!!/////」
「憧れの女の子に乳首捻られてアンアン喘いじゃいましたって言って」「訴えんのかぁ?」
「あーーーーっぁ………/////」「あっあっあ、」「あっ、/////」「あはっぁ゛、」「あ゛ぁっあ゛………/////」
「訴状にそうやって書くの?」「書けんの?恥ずかしがり屋のたなかんが。」
「あ゛ーっぁ、」「あ、/////」「け、けい」「けいさちゅ、」
「んっ?」「なにー?」
「けいさちゅ、」「あっあ、」「けいさちゅ、呼ぶ………/////」
「なに、警察?」
「う、う、」「うん」「呼びゅぅ、もん/////」「けい、さちゅ」「あっ、/////」
「…………………」「警察呼んだら、」
と言って物憂げな顔の女は両手を放し、
引き延ばされて薄く変形した二つの患部を保護するように
〝ばち〟、と
露出度高めのボンテージ越しに
自分の胸を押し当てた。
「……………あっ、/////」
「…………………」「…………………」
続けざま貧相な体つきをした女の背面に手を回し、
〝パチィーン!〟と音をさせて尻の両側を
それぞれ両手で掴んだ後
左右に引っ張り肛門を(白パンツ越しに)
露出させた。
「…………あ、まじ、ちゃん……」「…………あっ、/////」
「…………………ちゅーして、」「あげないよ」
「…………………」「えっ、」
「警察呼んだら」
顔が近かった。
上背があり上から見下ろす形になった物憂げな顔の女の
顔は
見えないぐらい近くにあり
その表情が全く読み取れなかった。
「警察呼んだら」「ちゅーして、あげないから」
「…………………」「…………………」
物憂げな顔の女の息がばふ、ばふと
景気よく顔にかかり、
近くに寄った時たまに嗅いだ覚えのある
大好きな匂いがした。
〝私今この人の呼気で、〟
〝呼気だけで呼吸してる………〟
と思った。
「今めちゃめちゃ」「ちゅーして欲しいでしょ?」
「…………………」「…………………」
「この舌で、」
と言って〝ずるぅり、〟と物憂げな顔の女が口から出した舌は
多分物凄く長かった。
近過ぎてその全体像は見えなかったが、
見せつけるようにくゆらせたその舌は
きっと貧相な体つきをした女の顎から額までを
ワイパーのように拭き掃除したとしても
十分届く長さだった。
「…………あ、」「あぁ、」「あっ、/////」
「胃の奥まで突っ込んで」「かき回して欲しいでしょ…………」
「あぁ………」「うっ………/////」
ちなみに〝ちゅー〟は
めちゃめちゃして欲しかった。
乳首を捻られたり股間を蹴られたりした際に
何度も〝嫌だ〟と言ったのは
正直
〝それはもういいから早く次の段階に進んでくれ〟の
意だった。
つまり例えば
〝ちゅー〟のような。
「分かっちゃった、たなかんのこと…………/////」
「は、」「はぁっ、………////」「はぁっ、………////」
「分かるようになっちゃった、」「本気で」「叩いたら…………/////」
「はぁっ、………////」「はぁーーーーーーっ………////」
〝だから〟と言って
物憂げな顔の女は体を離した。
「してあげないっ笑」「ちゅーも」「その先も」
茶化すように貧相な体つきをした女の
股間を〝ぺちん、〟と叩く。
「…………………」「えっ、………」
「100年早いよ?」「たなかん笑」
と言って
まだ床に突き刺さったままになっている
〝小田原〟仕様のマンホールの蓋に腰かける。
「(………………)」「(………………え、)」「(おわ)」「(おわ、り…………?)」
呆然と立ちすくむ貧相な体つきをした女を見て
物憂げな顔の女は
「めっちゃ残念そうにしてるwww」「顔やばーーいwwww」
と言って
手を叩いて笑った。
「…………………」「…………………」
「分かり易過ぎでしょたなかーーーーーーんwww」
「(………………)」「(………………ひど、)」「(酷過ぎ、)」「(る…………)」
貧相な体つきをした女にとって
今日この夜体験したことは
全てが人生で初めてだった。
痛かったし
苦しかったし、
怖かった。
残念で
悲しいこともあった。
人としての尊厳も
いくつか失った気がする。
何度か気絶しそうになったし、
さっきは確実に〝死ぬ〟と
思った。
でも、
〝逃げたい〟とは
一度も思わなかった。
〝早く終われ〟とも。
好きな人と
一緒だったから。
好きな人が自分だけを見てくれているこの時間を
終わらせたくなかったから。
自分でも気が付いていた、
〝今自分は望んでここにいる〟と。
〝全然嫌がってないな、僕〟と。
最後の一件が始まった時すぐに
〝ご褒美だ〟と
思った。
そんな卑怯ではしたない思考を恥じても
〝この人も共犯なんだ〟と思うと
それがまた嬉しくてたまらなかった。
──────でも、
「ヒーーーーッヒッヒッwwwww」「ヒィーーーーーーwwwww」
「…………………」「…………………」
「顔に出過ぎだってたなかん!wwwww」
「…………………」「…………………」
「ヒィーーーッヒッヒ、」「っあ、ぐ、」「く、くく」「苦、しい………wwww」
「…………………」「…………………」
「コロされるゥ!!!wwwww」「たなかんにコロされるゥ!!!wwwww」
その〝好きな人〟は
自分を使って遊んでいただけだった。
多分一夜の暇潰しか何かで、
経験が無くて
知識が無くて
純情で
きっとずっと前から内心見下していた
自分を使って
一夜の慰み物に
しただけだった。
「…………………」「…………………グス、」
「………………あ、」「泣いちゃったぁ、たなかん笑」
「…………ひど、」「酷過ぎる、よ」「こんな、」「の………」「…………う、」
「……………え、」「なんでぇ?笑」
「…………………」「…………………グス、」
「遊んであげたじゃん!」「良かったっしょー?」
「…………………」「…………………グス、」「ズビ、」
「アンアン言って善がってたくせに!笑」「被害者ぶんな嘘つき!笑」
〝遊ばれた〟
〝オモチャにされた〟
という落胆はいつしか
〝凌辱された〟
という
認識に変わっていた。
被害者意識と
後悔と
怒りと
恥辱で形作られた
〝凌辱された〟という
認識に。
「………………」「………………た、たす、」「………………」
「………………」「んっ?」「何ぃ?」
「たす、」「………………」「たす、けて誰、」「か……………」「ぐ、ぅ」
「…………………」「…………………」
「誰か、」「たすけて…………」
「…………………」「…………………」
「ここ、から」「………………」「ここから出して………」「………え、」「う゛、」
「…………………」「…………………」
視界を歪め〝ぼたり、〟
また一つ〝ぼたり、〟と落ちて行き
コンクリ製の床を黒く染めていく
大粒の涙をいくつか見送った時、
また部屋の空気が〝ずしん、〟と重くなり
少し間があって〝しん、〟と冷えた。
「…………………」「…………………」「……………??」
「…………………」「………………誰?」
と静かに
物憂げな顔の女が囁きかける。
「…………………」「………………グス、」「…………………?」
「…………………」「………………誰?」「誰、が」
「…………………」「…………………」
「たなかんのこと、」「助けて、くれる」「…………の?」
「…………………」「…………………」
「具体的に、言って」「みて」「……………名前、」「を」
「…………………」「…………………」
〝煽りか、〟
と思った。
また言葉攻めの類か、
それとも単に茶化して笑いものにする気か…………
いずれにしても
もう乗らないぞ、この野郎
と
思ったが最後、
「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」
誰の名前も浮かんでこなかった。
今この状況からの救いを求め得る相手が
貧相な体つきをした女には
本当に一人も思いつかなかった。
「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」
「…………………」「………………誰、」「……………だった?」
「…………………」「………………?」
「……………箱に」「いた時、」
「…………………」「…………………」
「たなかんのこと、助けてくれた」「たった一人の、」「人…………」
「…………………」「…………………」
……………………………
……………………………
……………………………ちょろ助先輩。
は、
優しくしてくれたけど
少し一方通行な関係だった気がする。
コロスキネー先輩。
は、
〝ツッコミ〟を伝家の宝刀として磨いていく旨勧めた後、
長期休止に入って
自分が一番辛かった時期にいなかった。
限☆界ッ!!!!ぶりっこ子猫’ TURBO(ダッシュターボ)
は、
あいつは話にならない。
結構話したけど
完全におかしい奴だったし、
正直気を遣ってばかりで
全部しゃあなしの
社交辞令だった。
同期のみんな。
は、
それぞれ懇意の先輩を見つけて散り散りになり、
自分のことなんて見向きもしなかった。
「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」
「…………………」「……………箱にいた時の、」「ことなんて」
「…………………」「…………………」
「忘れ、」「ちゃった………?」「たな、」「かん………」
「…………………」「…………………」
答えは正直、
分かり切っていた。
特待生として箱に移籍して来てから何故か自分に殊更に構い、
何を思ったか自分なんかに度々コラボをオファーし、
食事に連れ出し、旅行に誘い
〝一番仲のいいメンバー〟には
いつもごじゃるか自分の名を挙げ、
コメ欄が荒れればリアルタイムで気遣いの連絡を寄越し、
プライベートでトラブルに見舞われればすぐさま駆けつけ、
何も良いところのない自分を無理矢理に褒め称え、
地獄のように下手だった自分の歌を聴くため全てのライブに赴き、
特別な日を、
その多くを
いつも自分と一緒に
こんな
自分なんかと
一緒に
過ごしてくれた……………
「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」
「……………そう、」「だよ」「たな、かん。」
「…………………」「…………………」
「私、」「だよ…………」
「…………………」「…………………」
「たなかんを助けるのは、いつも」「私」「……………だけ。」
「…………………」「…………………」
涙はもう、
枯れていた。
床に描かれた黒々とした滲みは
病原菌みたいだった。
結末はもう、
分かっていた。
分かり
きっていた。
「…………………」「…………………」
「たなかんを、」「助けるのも、私。」
「…………………」「…………………」
「傷つけるのも、」「私。」
「…………………」「…………………」
「たなかんには私、」「しか」「いない。」
「…………………」「…………………」
「この世でたった一人、」「私」「だけ」
「…………………」「…………………」
「私だけ、」「なんだよ…………」
〝ぶつん、〟と
何かが腹の中で切れる感覚があり、
続いて〝どば、〟と
熱いものが流れ出す感覚があった。
「………………!!!!」「……………あっ、、、」
「…………………」「……………たな、」「かん………?」
〝血だ〟と、
貧相な体つきをした女は反射的に思った。
〝体内にあってなお熱く感じるもの〟
〝明らかに液体〟
つまり
〝血しかない、〟と。
へその奥深くの
どこかで起きたその常ならぬ感覚は
きっと
あまりに過酷過ぎた一夜により
自分の内臓のいずれかが異常を来し発した合図に
他ならなかった。
「………………」「あ、」「あぁっ!」
「…………………」「…………………」
続いて、
同じ箇所に激しい痙攣が起きた。
力むように激しく膨張し、
〝ビク、〟〝ビク、〟〝…………〟〝ビビ、〟〝ビクッ、〟
と
不規則かつ
乱暴に
細動を繰り返す。
「あっ!」「…………あ、」「あ゛ッ!!!!」
「…………………」「…………………」
「お、おか」「おかしい」「なん、」「か………」
「…………………」「…………………」
〝とぎもち〟の条件反射で吐いた時と少し似た痙攣で、
でも位置があまりに低かった。
やはりへその少し下、
その奥が熱い何かを吹き散らしながら
かき回すように暴れている。
「あッ!」「まじッ、ちゃん」「ごめんきゅう、きゅうっ車、」「あッ!」
「…………………」「…………………」
「呼んで、欲ッしぃ、今、」「すぐっ、」「あ゛っ!!!!」
「…………………」「…………………」「たなかん。」
物憂げな顔の女は〝小田原〟仕様のマンホールの蓋から立ち、
右手に鞭を持ち、
左手でその先端を支えていた。
「あ゛!これ!」「ほんっとに!」「あ゛ッ!」「ダメなっ、やつ!」「あ゛っ!」
「たなかん。」
「あ゛ッ!」「はやッくっ、」「きゅうッきゅうッ車っ!」「あ゛ぁッ!!!!!」
「たなかん。」
この部屋に入って来た時と
同じ姿だった。
同じポーズに、
同じ顔。
一糸乱れず綺麗にまとまり、
潤いを纏って流れる髪。
着崩れなど程遠い
露出度の高い黒のボンテージ。
しゃんと伸びて芯の通った姿勢。
萎えもしゃがれもしていない
透き通るような美声。
しわも跡も一切ついていない
きめ細やかな艶肌。
責める側も決して楽ではなかった狂気の夜を乗り越えて猶、
女は元のまま何も変わっていなかった。
「あ゛ーーーーッぐ!」「ぐあッ!あ゛ッ!」「あ゛ッ!」
「たなかん………」
「ぐ、ぐる、」「ぐるじい…………!」「あ゛ぁッぐ!!!!!」
「たなかん………」
「はぁッやく!だれっか、」「呼んっで!」「はやッぐ、」「う゛ぅぅぅッ!!!!!」
「………………」「アイ、」「ケイ、」「ユー。」
〝ピタり、〟と
貧相な体つきをした女の
悶えと喘ぎが
止まった。
「ア…………?」「アイ、け…………」
「…………………」「…………………」
「………………は、」「ハァッ?」「何言って………」
物憂げな顔の女は
小さく身を屈める貧相な体つきをした女を、
真正面から
無表情のまま
真っ直ぐに見下ろしている。
「…………………」「……………たなかん、」「アイ、ケイ、ユー。」
「ふ…………う゛ッ!」「だッから、何言って、」「う゛ッ!」
「頑張って?」「ほら、」
「あ゛ッ!」「あ゛ッ!」
「アイ、」「ケイ、」「ユー………」「アイ、」「ケイ、」「ユー………」
「あ゛ぁっ、」「う゛ッ/////」
「アイ、」「ケイ、」「ユー………」「アイ、」「ケイ、」「ユー………」
パッジェッロ、パッジェッロ、と
同じリズム感で
謎の文言を繰り返していく。
「あ゛っ、」「あ゛い゛っけ、」「っう゛!」
「アイ、」「ケイ、」「ユー………」「アイ、」「ケイ、」「ユー………」
「あ、あいけい、」「あぁっア゛、」「ア、」「ア、」「あっ!!!!/////」
「アイ、」「ケイ、」「ユー………」「アイ、」「ケイ、」「ユー………」
「あい、けい、」「ゆ………」「う゛ンっ/////」「あ、あい、けい、」「……………ん?」
「アイ、」「ケイ、」「ユー………」「アイ、」「ケ………」「…………………」
「…………………」「あ。」
I・K・U…………
「…………………」「…………………」
「イっ、」「…………………」
「…………………」「…………………」
「イ、」「〇く…………?」
その言葉を口にすると同時に
貧相な体つきをした女は
〝自分、今から〇くんだ、〟
と思った。
噂に名高いその現象を
今から自分も体験するんだ、と
自ずから悟った。
「…………………」「たなかん。」「たなかん。」
「〇く、」「〇っく〇く〇く、」「あ゛ーーー……………、」「〇゛っっく………」
悟ると同時に、
何か〝するり、〟と
導かれるものがあった。
〝委ねていいんだ〟と
体感で思えた。
血の流出を堰き止める意図で入れていた
下腹部の力が
自然と抜けていく。
「……………たなかん、」「顔」「上げて?」
「あ゛、」「あ゛ーぁ、」「あ゛ーーー……………」「あ゛っあ、」
「ほら、ピンと」「して…………?」
と言って物憂げな顔の女が
限界まで屈んで〝く〟の字に折れ曲がっていた
貧相な体つきをした女の尻を抱え、
その体の前面を
自分の体の前面に沿わせ、
立ち上がらせた。
「あ゛、あ゛ーっあ゛、」「〇く、〇く〇く、あぁ、う」「イ、」「〇く」
「うん。」「ちゃんと見せて?」「顔」
「う゛ぅっ、あっあ、」「う゛ーーーーーーっう、」「あっ、」「あっ、」「あっ………」
「うん、」「うん。」「可愛いよ、」「ちゃんと」
だらりと力なく立つ貧相な体つきをした女の体を
がっちりとホールドする物憂げな顔の女の
顔は
また近過ぎてよく見えなかった。
あるいは
震える体と合わない焦点のせいで
よく見えないのかも知れなかった。
ただ、話す度顔にかかる息の匂いだけは
確かだった。
その香気と下腹部からの電気信号に繰り返しやられながら、
〝脳が溶ける、〟
〝脳が溶ける、〟
と、
しきりに思った。
「あ、」「あ゛ーーーーーー、」「あ、」「あ、」「あ゛ーーーーーあ゛」「あ、」
「うん。」「…………………」「うん。」
「う゛ぅう゛ぅう゛ぅ、」「あっ、」「う゛ぅ、」「う゛ぅう゛ぅう゛ぅ、」「あぁ、」
「………………うん。」
「…………………」「あぁっ、」「あっ、う」「…………………」「はぁ、」「………っあ、」
「…………………」「…………………」
貧相な体つきをした女の
のけ反りと痙攣が収まり
その体が脱力すると、
物憂げな顔の女は呆気なく手を放し
貧相な体つきをした女を投げ捨てた。
支えを失った貧相な体つきをした女の体は
また〝く〟の字に折れ曲がり、
全体重を預け鎖に〝ガシャン、〟と
吊られた。
「……………ハァー、」「……………ハァー、」「……………ハァー、」
「…………………」「…………………」
「……………ハァー、」「……………ハァー、」「……………ハァー、」
鞭を片手に立ち、
〝く〟の字に折れ曲がりぜぇぜぇと苦しそうに息づく貧相な体つきをした女を
見下ろしていた物憂げな顔の女が
静かに口を開いた。
「…………………」「…………………誓い、」「ますか………?」
「……………ハァ、」「……………ハァ、」「ハァー……………」
「…………………」「…………………服従すること、」「を………」
「…………………」「…………………」「…………………」
断片的にして異質な問いだったが、
貧相な体つきをした女には
その意図するところがすぐに分かった。
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」「…………………誓い、」「ます。」
と小さく呟くと同時に
貧相な体つきをした女を後ろ手に縛っていた鎖が
〝バギ、〟と音をたて、
断ち切られた。
べち、と床に投げ出された貧相な体つきをした女は
伏したまま
鞭を手に見下ろす物憂げな顔の女に
頭を向けていた。
「…………………」「…………………誓い、」「ますか………?」
「…………………」「…………………」「…………………」
「この先の人生、ずっと」「私に、服従すること」「を」
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………誓い、」「ますか………?」
「…………………」「…………………」「…………………」
〝誓います、〟と返す言葉を待たずに
さらに問いかけていく。
「…………………」「…………………あなた、」「田中善子は………」
「…………………」「…………………」「…………………」
「私、」「マジエンド・マジョルーナ・マジメルカ666世、」「に」
「…………………」「…………………」「…………………」
「終生、」「服従し続ける、」「ことを」
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………誓い、」「ますか………?」
「…………………」「…………………」「…………………」
異形の〝誓いの言葉〟の文言を
貧相な体つきをした女は
地に伏し、
ただ黙って聞いていた。
受け入れているようでもあったが、
諦めているようでもあった。
〝覚悟が決まったようだった、〟と
言ってもよかったかもしれないが
そう言うには少し画が陰惨過ぎたし、
不健康に過ぎた。
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」「…………………誓い、」「ます」
「誓い」
「…………………」「…………………」「…………………」
「続け、」
「…………………」「…………………」「…………………」
「ますか………?」
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」「…………………」
「…………………」「…………………」「…………誓い、」「続け、」「ます………!!!!」
貧相な体つきをした女が強い意志と共に〝誓いの言葉〟に応じた時、
あり得ない程天井の高い
縦長の部屋に
眩く朝日が差し込んだ。
目を灼かんばかりに明く鋭く、煌々と。
五月蠅い程に派手で、
また大袈裟に。
少しばかり
芝居がかって。
もしかすると
二人の
新しい門出を祝うように。
朝の光が明々と
二人の姿を照らし出した。
──────しかし、
二人にはそれが見えていなかった。
二人はまだ、
夜の闇の中にいた。
誰もいない真っ暗な
二人だけの世界の中で、
二人にしか分からない約束の存在を
確かめていた。
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………みんな、
リスナーのみんな。
元気ですか?
私は、
元気です。
寧ろ
元気でいて、
ごめんなさい。
私のせいで荒れてしまったまま
現状を回復させられずにいる箱で
皆さんが鬱屈とした日々を過ごされている中
自分だけがのうのうと元気に生きていること、
本当に恥ずかしく思います。
卒業した後も、
もちろん箱の様子は見させてもらっています。
私が卒業した後、
箱は陰鬱な空気に包まれ
一気に活気を失い
ほとんど動きを止めてしまいました。
これは、
私のせいです。
もちろん〝私という重要なメンバーがいなくなったから、〟
という意味ではありません。
私が箱のネガティブキャンペーンを行ったせいです。
〝運営が悪質だ〟
〝メンバーとの人間関係に苦痛を感じている〟
〝だから私はやむなく箱を去る〟と
私は、
卒業理由を説明する場で
確かに言いました。
皆さんは思いました。
〝なんて酷い運営なんだ〟
〝メンバーを脱退に追い込む程ギスギスとした人間関係が裏にはあるのか〟
と。
そして皆さんは箱の視聴を
以前程楽しめなくなりました。
〝裏〟をどうしても想像してしまうから。
〝今も運営のいい加減なガバナンスに苦しんでいるメンバーがいるんだよな〟
〝こんな楽しそうにしてても裏ではギスギスとした人間関係があるんだな〟
〝推してもいつ脱退するか分からないもんな〟…………
一度そんな風に思ってしまうと
誰を応援するのにも身が入らないでしょうし、
箱自体を信用できなくなってしまいます。
全て私が卒業を発表する場でした
〝内部告発〟が原因でした。
私の運営に対する糾弾を聞いた視聴者の方々の多くが
運営のトップである社長を攻撃する流れが出来上がりました。
社長は今、
表に出られません。
出ても大量の叱責を受けるだけで
話を聞いてもらうこともできません。
私のせいです。
私の運営に関する〝内部告発〟が
箱を本気で思う善良な視聴者の方々を
社長にけしかけました。
〝メンバー〟に関する告発も行いましたが、
〝メンバー〟のトップ的立ち位置にいた方が
私の告発直後から叩かれ始め、
私の卒業後には
何をしても叩かれる流れが出来上がりました。
これも私のせいです。
今彼女は
私が〝自分を追い出した〟とした〝メンバー〟達の代表として
その責任を取らされています。
8年近い活動を経てやっとのことで集めた
チャンネル登録者数は
たった一月で
4万人以上減少しました。
私が奪いました。
私が卒業を発表してから今までの間、
つまり
彼女のチャンネル登録者数が4万人も減少したその期間、
彼女はそれに足る悪行を
何か行なったでしょうか。
うっかりミスとそれを咎められた際の軽はずみな反抗的態度が
4万人以上の方々に〝解除ボタン〟を押させるほど
憎まれる行為でしょうか。
理由は私です。
私が〝この箱は酷い箱だ〟と
数十万人に対してネガティブキャンペーンを行った結果、
彼女が
彼女一人が
その責任を取らされました。
不屈の活動意志で
力強く突き進む
箱一番の功労者の姿は
もうありません。
弱って力なく
迷いながら活動を続ける
可哀想な女の子が一人いるだけで
彼女の本質的な部分は
もう死にました。
私が殺しました。
恩人でしかない社長を役立たずのピエロに仕立て上げ
箱に灯っていた明かりを
その最後の一つを
消しました。
箱を真っ暗にしたのは私です。
生きててごめんなさい、
と言うより
生まれてごめんなさい。
少なくとも、
箱に関わってしまったことは
本当にごめんなさい。
奇跡的で
かけがえなくて
キラキラしていて
本当に素敵だったその箱の
所属Vとしてなんか、
生まれてこなければよかった。
何かの間違いで
オーディションを受けなければよかったし、
採用なんかされなければよかった。
丸ごとが間違いな私のV人生を
どこからやり直したい?と訊かれたら
まず間違いなく
そこですね。
その箱所属のVとして
生まれてなんてこなければよかった。
そうすれば、こんな
こんな自分でもやり場のない
耐えきれない苦しみを
生みださずに済んだ。
私が生まれて得をした人間は
どこにもいません。
私自身でさえも。
本当に、
生まれてきて
ごめんなさい。
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………
……………………………でも!
これだけは言わせてください!笑
私、箱を出た後
誰とも遊んだり
連絡とったりなんて
してませんから笑
ずっとこの部屋に
マイ・ハニーと
その従者によって囚われていて、
年末からこっち誰とも会ってないし、
どこにも行っていません。
連絡も誰ともとってません。
もちろんスマホなんて没収されてますから。
〝私と会った〟
〝遊んだ〟
〝連絡とった〟の類は
全部虚言か妄言です。
数字欲しさの虚言か
病気持ち故の妄言です。
界隈の女性Vの大方半分は
そのどちらかの属性ですから。
私、
〝転生はしない〟って
言ったじゃないですか?
脱退後お騒がせしないためにそう言ったのに
脱退後箱の外でちょろちょろ動き回ってお騒がせしてたら
その宣言
意味なくないですか?笑
このタイミングで箱の外の活動者と絡んだら箱の視聴者が大幅に
情報欲しさにそっちに流れて、
箱大打撃じゃないですか?
やると思います?笑
そんな人でなしな行為。
やらないよーーーーーーーー????????笑
さすがにできませんよ、
いくらバカなぼ、
私でも。
箱の中がお通夜モードなのに
外でその原因になった人間が箱の子達と遊んでたら
リスナーがもっと〝箱下げ〟の意識
強めちゃいますよね?
いくらなんでもやりませんよー、
そんな空気読めないこと。
特に今
自分のせいでみこてんぱいが
地獄みたいな目に遭ってる時ですからね。
それを尻目に
機嫌よく遊び回ったりすると思います?
できると
思います?笑
そんなこと。
僕だってあなた、
人間ですよ笑
箱を辞めても
人間辞める気はありませんから笑
いくら何でもそんなことできない。
マイ・ハニーに捕まってなくても
さすがにやってませんでしたよ、
そんなこと。
……………………………
……………………………
……………………………しかし、
〝ペアリング〟っていうのには
笑いましたね笑
何なんですかね
〝ペアリング〟って笑
嘘つくにしてももうちょっとこう、
発想力を利かせて
まともな嘘は出せんのかっていう…………笑
温い人生を生きてきて人生経験が足りてないから
そんな高校生みたいな発想になるんでしょうね笑
女同士なんてね、
鞭で叩き合うか
乳首を
捻り千切り合っとけばいいんですよ。
それで何も起こらなければそこまでの関係、
何か始まったとしたなら
優劣に意欲的強弱、
関係の濃淡、方向性まで
全部同時に分かるじゃないですか。
いいことずくめじゃないですか。
それしかないんですよ。
それをやっときゃいいんです、女同士なんて。
それだけを。
それを……………………
……………………………
……………………………
……………………………〝ペアリング〟………笑
子供のままごとですね、
まるで。
僕は、
そういった大人のいろはを
マイ・ハニーから
今夜、
ここで教わりました。
もしかしたら早急なのかも知れないけど
〝愛〟の何たるかも
一緒に教わった気がします。
今夜マイ・ハニーが教えてくれたこれが
〝愛〟だとするなら、
僕は箱にいた時
〝愛〟を
全く持てていなかった。
〝運営に酷い目に遭わされている〟
〝忙しくて泣く程大変だった〟
〝あれは本来自分がやるべき仕事じゃなかった〟
〝あのメンバーが絡んでくれない〟
〝最後だからそのメンバーに関しても表でガツンと言ってやりたい〟
〝これから先この箱でやっていくことを思うと不安だ〟
〝卒業する日は自分の記念日に被せたい〟
〝卒業ライブもなるべく注目されている中やりたい〟
〝辞めることを惜しまれたい〟
〝歌い手系のVとして成功したい〟
〝さいたまスーパーアリーナでライブがしたい〟
〝メンバーに優しくして頼られる人でありたい〟
〝自分に自信を持ちたい〟
〝お母さんから逃げたい〟
〝生き辛い人生を生きるのはこれ以上はもう嫌だ…………〟
全部自分のことでした。
僕は箱にいた時最初から最後まで
自分のことだけを考え、
自分の話だけをし続けました。
これは〝愛〟ではありません。
〝愛〟とは
掛け値なく、
前提もなく
他人のことだけを考えることです。
他人のことだけを考えながら動き、
他人のことだけを考えながら
話すことです。
僕はそれを
箱にいた時一度もしたことがありません。
箱に所属する前も、
一度もしたことがありません。
人生で一度も
したことがありません。
誰にもしてもらったことが
なかったから。
────────正確には、
してもらえたこともあったのに、
それに気が付かなかったから。
〝ペアリングを買った〟と
嘘をついた
後輩のあの子。
最後にコラボした時物凄く泣いていた
今だから分かることだけど、
あの子はあの時、
僕のことだけを考えて
泣いてくれていました。
でも僕はあの時配信中に大声を出して泣いているあの子が
何故泣いているのか分からなかったし、
どう返すのが正解なのかも分かりませんでした。
〝どう返すのがベストかな〟と
また自分のことだけを考えていました。
〝助けになれなくてごめん、〟と言って
その子は声をあげて泣きました。
意味が分かりませんでした。
〝どこかで読んだ漫画か何かの台詞を〟
〝流用したのかな?〟
と思いました。
人間じゃありません。
本当に
人間じゃありませんね。
ごじゃるが僕に対して怯えていた理由が分かります。
〝愛〟がまるまる削げ落ちた僕は
人間ではありませんでした。
可哀想だった、あの子…………
もう名前も忘れてしまったけど
出会わなければよかった、本当に。
そうすればその分
僕と関わらなかったその分、
もっと自分のために時間も
気持ちも使えて
幸せでいられたのに…………
マイ・ハニーは
そんな僕に
いくら与えても気付かない僕に
〝愛〟を
壮絶に与え続けてくれました。
〝拉致監禁して拷問したい〟
〝性格が変わるまで競走馬用の鞭で叩きたい〟
〝吐いてる姿をもっと見たい〟
〝傷つけたい〟
〝所有したい〟
〝契約を結んで一生使役したい…………〟
全て僕のことだけを思って
考えてくれたことで
実行してくれたことで、
だからこれは全て〝愛〟です。
少し特異で激しめでしたが、
その甲斐あって
やっと僕にも届きました。
ごめんなさい、
幸せ過ぎて。
こんなにも多方面に
多大な迷惑をかけてばかりの僕が
こんなに幸せになっていいわけがありません。
死んだ方がいい。
生まれてくるべきじゃなかった。
今だって僕がいない世界が
生まれてこなかった世界があったら、
今よりどんなに美しいだろうと思う。
でも、
僕は生きます。
マイ・ハニーがそう望むから。
生きる理由なんて
動く理由なんて
働く理由なんて
話す理由なんて
生まれてきた理由なんて
それだけでいいんだって
やっと気付いたから。
マイ・ハニーがそう望む限り
僕は生き続けます。
箱にいる理由も
正直それだけでよかったって、
今なら分かる。
〝あの女が箱にいる限り、〟
〝何があっても自分も〟と
どうして一度も思えなかったのか…………
もしかすると
そうして傷つけてしまった人も
一人や二人ではなかったのかも…………
……………………………
……………………………
……………………………
出来ることなら、
皆さんにもどうか
〝愛〟を
思い出して欲しい。
思い出してください、
コロナ禍中の
あの空気を。
毎日が特別で
みんなが魅力的で
ライバーもリスナーも
明日しか見ていなかった
あの頃を。
そうして持ち寄ったみんなの〝愛〟で
それだけで成功した箱です。
だから社長も社員も
みんな無能なんです。
ライバーもみんな
精神年齢の低いバカばっかりなんです。
それでもみんなで幸せに過ごせる
明日を見られる、
人並み以上に生きていける……………
それが〝愛〟の力です。
どうか〝愛〟を忘れないでください。
少しずつでもいいから持ち寄って
苦しい今を耐え抜く推しに
注いであげて欲しい。
〝つまらないから〟
〝運営が信用できないから〟
〝メンバーが下らないから〟
〝どうせオワコンだし〟
でそれをしないのは、
それは
箱にいた時の僕と同じです。
自分のことしか考えない
最悪の愚行です。
自分のことしか考えない時間はとても空虚で、
代わり映えのしない自分ばかりを見て過ごすだけなので
その期間のことを
後々あまり覚えていません。
成長も変化もなく、
時間が経った感覚もありません。
とても無駄で、
悲しいことです。
後々それが周りの人達をどれだけ傷つけていたか
どれだけ傷つける生き方だったか
気が付いても取り返しがつきません。
世界で一番愛している
向こうも一番愛してくれている、
そんな相手と
離れ離れになってしまう。
丁度今僕がそうなっているような
そんな結果も招き寄せてしまう……………
だからおこがましくても
言わせてください。
僕が諸悪の根源だけど
それでも、
これだけは言わせて欲しい。
視聴者の方々には
僕と同じ過ちを犯して欲しくない。
今は苦しくても
思い出して欲しい
皆さんの推しがどれだけ
特別で
かけがえのない存在で
どれだけ心血を注いで
皆さんに何を与えてきたか。
それを思い出したら
どうか〝愛〟を注いで
苦しい今を支えてあげて欲しい。
箱一番の不肖の存在こと、
僕から最後のお願いです。
お目にかかることも
もうありません。
誰かが話す僕のエピソードは
全部虚言か妄言です。
〝転生〟を自称する誰かが現れたら
それは偽物かAIです。
僕のことを
もし覚えている人がまだいるとするなら、
もう忘れてください。
僕はあなた方のことを忘れません。
でも皆さんは、
僕のことを忘れてください。
存在を
そういう人間がいたという事実自体を、
口にしないでください。
そうして消えて、
少しでも
箱に
メンバーに、
皆さんに
少しでも埋め合わせがしたい。
……………………………
……………………………
……………………………
最後のお願いが、
二つになってしまいました…………笑
本当に僕はどうしようもない。
死んだ方がいい。
生まれてこなければよかった。
皆さんとも
誰とも、
出会わなければよかった…………
……………………………
……………………………
……………………………
遅ればせながら、〝愛〟を込めて。
この思いが視聴者の方々に
少しでも多く届くことを祈ります。
名前を手放して消えていくだけの
きっと、最初からいなかった
誰かからの
最後のメッセージでした。
お耳汚しを
失礼しました。
皆さんは
皆さんだけは
どうかこの先も
ずっとずっとこの先も、
最後までずっと
絶対に、
ホロライブで………………!!!!!

