「ねぇ、どうなの、まじちゃん………」「まじちゃんは、それで僕のこと叩いてる時」「何考えてるの………?」「僕のこと、どんな風に思って、」
怖気を催す怪物の言を遮って、
また〝パァンっ!!!!!〟と
破裂音が鳴り響いた。
「ン゛っニ゛ゅん゛っ!!!!?/////」
馬用の鞭が、今度は貧相な体つきをした女の、
貧相な左胸上部に叩き付けられていた。
「…………………」
「……………んきゅぅ……/////」「っちゅん……/////」
比較的大丈夫じゃない場所だった。
「んちゅぅ……/////」「まじ、」「ちゃん……/////」
「……………たな、」「かん」
「ヒィ~/////」
「たなかん。」
「へっ?」
「…………………」
「な、なに?」「まじちゃん……/////」
「痛い?」
「………へっ?」
「痛い、」「の………?」
「…………………」
答えの分かり切っている質問だった。
比較的大丈夫な部位が中心とは言え人の何倍かある体躯を持つ生き物に向けて振るわれる得物で何十発も……………
貧相な体つきをした女の体は、差し込む月明かりだけが頼りのぼんやりとした中でもはっきりと見てとれる程に、大小・濃淡様々な無数の赤い線で覆われていた。
「え、」「痛い、よそりゃぁ……」「へ、へへ、」「えへ……/////」
「違う、」「わ……」
「………へっ?」
物憂げな顔の女は、
コンクリ打ちっぱなしの床にかろうじて着いている
貧相な体つきをした女の足の親指を
鞭で指した。
「足、」「よ…………」
「………………あっ、」
「………………………」
違う部位の痛みとそれによる興奮で、
忘れていた足先の痛みが蘇ってきた。
「………………」「痛゛い」
「………………」
「痛゛い痛゛い痛゛い痛゛い」
「………………」
「痛゛い」「痛゛いよまじちゃん、」
「………………」
「ねぇもういい加減、」「下ろしてもらっていい………?」
「………………」
「壊死しちゃうかもなぁ、」「このままだと」
正直、両足の親指に感覚はほとんど残っていなかった。
壊死はさておき、
明るい場所でその状態を目視で確認することを思うと
怖いまであった。
「………………」
「まじちゃん………?」
「………………」「真っ直ぐ、」
「………え?」
「真っ直ぐ、」「立ってみて………?」
「へっ?」
「真っ直ぐ、」「よ」
「え、」「えぇ………?」
無理な注文だった。
足の親指すら必死に伸ばしてやっと着く高さに吊るされて
真っ直ぐ立つなんて………
直立の姿勢をとれば宙吊りの状態になり
後ろ手に縛られ鎖で天井と繋がれた両腕に
自重で引き千切れんばかりの激痛が走るだけなのは目に見えていた。
「いやいや」「いや、」「無理無理無理無理………」
「………………」
「本当にギリギリだもん、足」「絶対着かないよ、地面になんて」
「………………」「いいから、」
物憂げな顔の女は鞭を持っていない方の掌をかつぐように天に向け、
貧相な体つきをした女の顎下~喉にかけて添えた。
「うわっ!!!!」「ぶっ!!!!」
「………………」
そのまま砲丸投げの要領でぐぐぐ、と
天高く持ち上げていく。
「んぶぶぶぶぶぶ、」「ぶおッぶゥ!!!!」
「上を向くのよ」「バカ、」「みたいに」「真っ直ぐ上、」「を………」
「んぐぅっぐ、」「ぶふぅ!!!!」
「雨を乞う、」「村人のように…………」
ふわり、と
地に着いていた、足の親指が浮く。
「んぐぅっ、」「っう!!!!」「まじ、」「ぢゃん………」
「前から気になっていたのよ、」「たなかん」
「あががががが…………」
「姿勢が悪過ぎる、」「わ」「前かがみ、」「過ぎ…………」
「あっぐぅ!!!!」「ぐ」「く、ぐるじ、」
「アイドルたるもの、」「それじゃあダメ、」「よ…………」
ふいにぱっと手を離され〝べちゃり、〟と着地した時、
「………………」「…………あっ、」
「………………」
コンクリ打ちっぱなしの床に足の裏全体が着いていた。
「(………………着いてる。)」
「………………」
〝バカみたいに上〟は向いていなければならなかったものの、
足裏全体を地に着けて立つこと自体は出来ていた。
「(………………すっごい、)」「(………………嘘みたい)」
「………………」
両足の親指からサッと血が引いていく感覚があり
代わりに、
鈍い痛みが徐々に戻ってきた。
「(………………やばい、)」「(助かったぁ)」
「………………」
「(………………めっちゃ、)」「(楽………………)」
「………………たなかんは、」
「(楽ゥ………/////)」「(腕も全然、)」「(痛くなぁい………/////)」
「やってみる前から無理だと決めつけて、」「諦めていたことは、」
「………………へっ?」
「なかった、」「かしら………?」
「………………え?」
「箱に、」「いた」「とき…………」
重要な部分を聞き逃した貧相な体つきをした女は、
「………………え、」「………………えへ?笑」
「………………」
「うん、」「うん。」「まぁ、」「分かる………」
「………………」
「えへwwww」「うんwwww」
「………………」
物憂げな顔の女の投げかける刺すような視線を、
愛想笑いでやり過ごすしかなかった。
「えへwwww」「まじちゃんwwww」「…………えへwwww」「…………え?」
「そして、」
「………え、」「え、」「うん」
「〝バカみたいに上を向いて〟」「活動を頑張る、こと」
「………………」
「出来ていた、」「かしら………?」「箱に、」「いた時………」
「………………」
何の話の脈絡なのか、
貧相な体つきをした女には
全く分からなかった。
何故あの憎きクソ箱の話を
今急に物憂げな顔の女がしているのか。
「………え、」「え、」「ど、どうだろう………」
「………………」
「一応、頑張ってはいた、つもりだよ?」
「………………」
「ゴミみたいなバカ運営にも耐えたし、」「掃き溜めみたいなクソリスナーの相手もなんとかやりきったし、」
「………………」
「下らないクソゲーも我慢してプレイしたし、」「思い上がった派閥のアホ共にも本心をひた隠して最後まで礼儀正しく接してたし………」
「………………」
「………………うん。」「僕、〝上を向いて頑張ってた〟よ」「あのゴミ箱にいた時」
「………………」
「…………いや、」「本当に、」「…………グス、」
「………………」
貧相な体つきをした女は、
上を向いたまま泣いていた。
「頑張ったなぁ、」「僕」
「………………」
「あんなクソみたいなゴミ箱で、」「グス、」
「………………」
「尊敬できる先輩、」「ちょろ助先輩しか、」「いなかった………」「グス、」
「………………」「そう。」
「うん。」「あと、」「なんと言っても」
「………………」
「まじちゃん。」「まじちゃんだけはいつも僕を助けてくれた。」
「………………」
「ありがとう、本当に」「まじちゃんにだけは本当に、感謝してもしきれない」
「………………」「そう。」
「うん。」「ありがとうね、本当に」
「………………うん」「いいの、」「よ………」
「ところでさぁ、」
と言葉の圧を急に強めた
貧相な体つきをした女に視線を戻すと、
貧相な体つきをした女は手を後ろに組み、
パンいちでガチガチに〝気を付け〟の姿勢をとり
喉丸見せで顎を天井に向けたまま、
血走った眼球だけでぎょろり、と
物憂げな顔の女を見下ろしていた。
「………………っ!!!!?」
「まじちゃんてさぁ、」「僕のこと」
「………………」「えっ?」
「めっっっっっっちゃ、」
「………………」
「好きなの!!!?」
「………………」「………………?????」「えっ、」
「ねぇ」
「………………」
何の話の脈絡なのか、
物憂げな顔の女には
全く分からなかった。
何故薄々勘付いてはいた悍ましき劣情を
この流れで圧強めに自信たっぷりで
貧相な体つきをした女が
ぶちまけてきているのか。
「………………」「えっ、」「え、何?」「たな、かん………」
「僕さぁ、」
「………………」
「感じちゃったよォ、」「まじちゃんの愛情」
「………………」
「叩く鞭から。」「一発一発が」
「………………」
「告白のようだったよねぇ!!!!」「まじちゃん」
「(…………………こ、)」
「へ、へへ」「へへ、へへ、へ…………/////」
「(…………………怖い………!!!!!!)」
「へへへ、へ」「ヒッヒ、」「ヒィ~ッヒィ…………/////」
「(…………………に、)」「(人間じゃない…………………!!!!!)」
【ホロライブ・アナザーライン】02《たそ殿〝拷問〟の時間でごじゃる》include:[天音かなた]*[AZKi]*[風真いろは]*さくらみこ*星街すいせい*雪花ラミィ*とぎもち*あずきちゃん/とぎもちのアレって炎上芸だったんですか?/「つまり〝ケーキ〟みたいな〝ゲロ〟は」→「いよいよ〝ケーキ〟みたいに」→「なっていた。」/星街すいせいだけは絶対に許せなかった女/〝上下の激しい女性V〟=〝きっと病気持ち〟/どマゾの初〇き、絶望〇き/嗚呼、百合……/////風真いろは「はぁ、もう」「はぁ、好きお前」「もう好き」「好きだよ、」「ねぇ」/まじきち、画策す/Vの怖い話
VTuber《たそ殿〝拷問〟の時間でごじゃる》3/15「に、人間じゃない…………!」

