【ホロライブレビュー.04】B-19《怪物装備-④.page2》include:天音かなた/大空スバル/ときのそら/星川サラ

VTuber


この記事の概要

✔ みこ虐企画ではボロカスでもキャスティング力や企画力にはそれなりのセンスを見せる天音。どこまでも縁の下の力持ちな所は良くも悪くもまあ天音だなといったところ。

長所や適性は磨いてやり込んで初めて形ある効果を生む。他のホロメンの猿真似なんかやってないでそっち方面の努力を頑張れやJK、そういう批評記事。




「①:堅実な仕事ぶり」続き

✔ また「宝鐘マリンのラジコン企画」の場合虐を行っている大神と宝鐘は普段本当に余り仲がよろしくなく、若干冷えた空気が二人の間には横たわっているのだが、その前提が大神による宝鐘への虐の面白さに拍車をかけている事が一点、またいつもと比べて完全に様子がおかしい大神の事を付き合いの長い白上は横でどう思いながら見ているんだろうという面白さが一点、配信に参加している三人の「人間関係」を下敷きにした見所が計二点この配信には付け加えられている。

「さくらみこのラジコン企画」で天音と、後の二人には何の接点も無い。ただそれなりに話が出来て仕事がし易い程度の関係なだけの為、同じ画面で一緒に収まって虐を行う画自体に面白味が無い。これが「不仲」で有名なババドナだったり、さくらみこが声を担当して星街にプレイさせる「逆みこめっと」だったり、最近煽りやイジりに定評のある湊が声役・紫咲がプレイヤーの構図だったりすると配信中その画自体をずっと楽しめる。天音は今事務所の中の誰と共演しても「その組み合わせ自体が面白い」とはならず、これは大きなハンデと言っていい。「虐」のスキルと同様組んでシナジーが生みだせるような誰かとの関係構築はやはり急務と言えるだろう。


【B-1:逆凸のキューピット】
✔ 2:55:40~ 今年五月に行われたぺこマリの逆凸配信。事務所外のVTuberが多数参加して盛り上がった企画だが、目玉の一人星川サラは天音が独自に連絡をとってぺこマリに繋げた事で凸が成立している。

配信の視聴回数等から見た成績面はさておき、星川はにじさんじを代表する大型ライバーの一人だ。ホロライブ所属のライバーにも常識人系とDQN系のざっくりとした区分があるが、星川はにじさんじのDQN系筆頭と言っていい。

天音の課題は事務所内での活動を軌道に乗せる事だが、ぺこマリの課題は「外のライバーと繋がり業界全体を盛り上げていく事」だ。でかい態度をとっていてその実内弁慶な二人は年スパンでこの課題から逃げ続けている。

外部の大箱の「DQN系で」「華形の」大型ライバーと「DQN系の箱内筆頭宝鐘」「箱最大の華形ライバー兎田」を引き合わせたこの手当ては間違いなくファインプレーで、やはり大きな盛り上がりを見せ多くのリスナーを喜ばせる結果となった。これは天音が自発的に動いて勝ち取った成果と言っていいだろう。


【B-2:小粋なキャスティングセンス】
✔ 今年の天音の生誕祭企画「格付け」。兎田・ときのそら・AZKiと自分の四人を回答者に、MCに雪花をキャスティングした形だがこの人選は天音によるもの。

ときのそらをこの企画に呼んだ理由は「格付けで負け続けるとランクが下がり、呼び捨てやため口で関わる事になるのが新鮮で逆にいいから」との事。自分の成績が決して良くない今人の事を気にしてる場合かという話はさておき、この発想も悪くない。ときのそらの一番の問題点は「格式高い人」という本人にそぐわない上に面白くも何ともないキャラ付けのお陰で他のホロメン達との間に溝が出来ている事で、それを払拭する方法は他のホロメン達と共演させた上で対等に扱われる場を少しでも多く設ける以外無いからだ。


✔ ぺこマリに星川を引き合わせた事とときのそらを生誕祭企画に呼んだ事から分かるのは天音には「企画力」と「セッター能力」があるという事。特定の誰かと誰かを噛み合わせてシナジーのある画を作るだとか、誰々はどう配置すると活きるといった事を考えて質の良い企画を作る事が得意で、またその方面に意欲的でもあるという事で、これは磨いて伸ばすべき才能の一つと捉えた方がいいだろう。ホロライブには単体でとんでもないパフォーマンスを叩き出す怪物ライバーはいても企画力に優れた万能セッターはいない。五大ホロメンを含めても皆箱の中の誰かが作る切っ掛けを待っているし、ときのそらのような普段から絡みの無い人間の事をあれこれ考えるホロメンもいない。

しかしぺこマリと星川を絡ませた事とときのそらをあえて雑に扱うタイプの企画に呼んだ事は今現在、どちら共何の効果も残していない。人と人を繋ぎ合わせて関係値を積ませる事も人のキャラ付けを改善する事も単発でたった一回手配したぐらいでは焼け石に水、マイクラサーバーに放たれしマグマにバケツぐらいの効果しか生めないという事だ。


✔ 数ある大空メインのグループのうちの一つ「すばちょこるなたん」。東京産の役立たず、凋落により正気を失った姫、ただのおばはんというタイプバラバラの三人を繋ぎ留め、ホロメンの活動上なんぼあっても困らん「ユニット」を与えるという凄まじい恩恵。人と人とを繋いでその場にいる全員で得を取りたい場合発起人が中に入り込む形で密着し、一緒になって回さねば到底それは叶わないという事だ。

大空は100%友情でこの動きを、日常的に五年以上も繰り返して数々のホロメンに多大な恩恵を与えて来ているのだが、そこに参加させるメンバーをやはり「友情」でしか選べないのが唯一にして最大の落ち度だ。「友達はクズや無能に限る」が信条の大空はユニットを作ってそこに参加させる形で与える恩恵を、それをしてもその先どうにもならないクズホロメンにばかり施してしまう。結果そのほとんどは何の意味も成さないまま終わっている訳で、これも大空名物「誰より動くけど全部が全部的外れで結局何の意味もない」の一つと言える。

友情で人と自発的に結びつく事が出来ない天音は、その代わりに「よく出来た複数名参加型企画」を用意する必要があるだろう。ここまで人に近寄る場合は決まって「中途半端なボランティア的活動」という土産を手にしていた天音だが、ホロメンとしていいとこ中の下の天音に行えるそれは余りに貧弱で、結果「天音より下の存在」という極めて限定的な相手にしか近寄る事が出来なかった。今回の「さくらみこのラジコン企画」レベルの気の利いた企画を天音が用意する事が出来るなら、それを持った状態で寄って行くのに気の引ける相手はホロライブの中にそれ程多くは居ないだろう。宝鐘や兎田のような売れっ子でも同僚からの気の利いた企画の誘いについては有難がる傾向が強い。「相手の為になる付加価値を用意しないままでは人に近寄る事が出来ない」という天音の習性は一生直らないのだが、それなら誰でも必ず喜ぶ「付加価値」を用意する努力をすればいいという、簡単に言えばそういう話になる。


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