⚠ 映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)」のネタバレを含みます ⚠
✔ エリート映画ウォッチャーな私に語らせるなら以上の理由でアイアンマンは「シビル・ウォー」において悪役と定義付けられていると言えるのだが、パンピーのライトウォッチャーが観ても普通感覚で分からんかねと思ってしまう。
トニーは明確に「エゴを抑えろ」と叱責を受けているし、ストーリーを荒立ててこじらせているのも毎回トニーだ。キャプテンはちょっとフィジカルが強いだけというザコの身分で全身を殺人兵器で固めたトニーに立ち向かっているし、高潔な意志を保ちつつも「悪いな迷惑かけて」「面倒くさいだろ、俺」と謝意を表す事を忘れない。
✔ 19:04~ もう一度観て頂きたい「(トニーは)不器用なだけなんですゥ!」。
「シビル・ウォー」を頭から鑑賞してもいいし前二つの記事を確認して貰ってもいいのだが、この作品においてこんなにもクソ野郎過ぎるトニーを「不器用」で片付けるのは異様過ぎないだろうか。「そんなにボコさんでええやん!」とも言っているが一国を落とせる程の兵装に身を包んだトニーにしこたまド突かれて半死半生に陥ったキャプテンとバッキーに対し、二人にアーマーの上から「ボコされていた」だけのトニーはリアクターを壊された以外ほとんど無傷のままだ。
そしてトニーはバッキーをガチで殺害しようとしているのだから最低でも再起不能に追い込む必要がある。ここで「ボコさんでええ」とはどういう事だろうか。バッキーが死ねばいいと思っているのだろうか。薄幸系美男子のバッキーが死ぬぐらいならお前が死んだ方がいいのだがそれが分からないのだろうか。
確実に言えるのは大空の中でトニーに対する、「好き」というだけで激しくブーストされたバイアスが存在しているという事だ。
✔ 19:10~ 更にもう一度観て頂きたい、トニーへの擁護と対照的過ぎるキャプテンへの「正論パンチ強い」。横を向いて唾を吐いたんじゃないかと思われる程苦々しい口調からは明確な「憎悪」が感じ取れる。
この映画冒頭にはアベンジャーズの二次被害により生まれた多数の被害者の描写が成されるが、「そのリスクを負いながらやはり戦い続けなければならない」というジレンマを正論無しで大空はどう片付ければいいと思っているのだろうか。「まあええですやん今度から気ぃ付けまっさかい」だろうか。それとも国連の監視下に入って言いなりになればいいと思っているのだろうか。映画序盤でソーとハルクのアベンジャーズ最高戦力が「2つの30メガトン級の核爆弾(広島・長崎の約1000倍)」と言い表されるがそれクラスの戦力について議論する為に用いられた正論に対して「泣いちゃう」とはどういう事だろうか。泣いちゃうから何なのだろうか。
大空程度の人生だと奇声を上げておどけていれば何でも誤魔化せるかも知れないが本気で生きている人達に「正論」は欠かせない。キャプテンの「正論」に対してトニーも自分なりの「正論」で返している時点でそもそも何言ってるのか分からないが、ホロライブの大空以外の大型ホロメン達も皆「正論」を用いて戦っている。
宝鐘は常日頃自分を責めたてる「正論」が頭の中を駆け巡っているから動きを止めるとヘラってしまうし、兎田は自分の能力を客観視した結果「実力不足だから努力量で補う」という「正論」を実行しているし、星街はデビュー以来「正論」で導き出された軌跡に従ってホロライブに辿り着き、その後も「正論」を実践し続けたから今のブレイクがあるし、さくらみこは唯々「配信に向き合ってその質の向上に努める」というVTuberとしては「正論」過ぎる努力を毎日欠かさない。「誰よりも動くけど内容は全部ゴミ」「清廉潔白に努めるけど害悪ライバーばかり取り立てる」みたいな「正論」度外視のとち狂った事をやっているのは大空たった一人で、そんな異常過ぎる「反・正論」の思想を何公の場で堂々とのたまっちゃってんのという話だ。この様子を見る限り、自分が言っている事が完全におかしい事が本気で一切、感じ取れてすらいない。
能力的に不利な立場にありながら、非難されつつも信念を貫いたキャプテンに対して「正論やめろ」という言いがかりをつけて唾棄している事から、トニーの場合とは逆に「嫌い」という気持ちにブーストされたキャプテン・アメリカへの負のバイアスがこのシーンからは見て取れる。
✔ これが今回書きたかった大空の闇の一つ目なのだが、大空はそれまでの流れや今の状況、そこに関わっている人々全員の言動を元にした公平な物の見方が出来ず、公平な思考も出来ない。大空にとっての「善」「悪」の判断は「自分がそれを好きかどうか」に依る。
一旦「好き」と判断した物はそれがベタベタな倫理的ラインを踏み倒すだとか、明確な悪意を示すだとかするまで全ての欠点や失態を無視する形で持ち上げ続けるし、それに対する愛情表現や支援も絶対に抑えず、どんどん加速させていく。何の因果か、今自分を支援しているアイドル信者達と全く同じ思考パターンを以て大空は生きている。
【大空スバルは馴れ合いたい。01】A《選りすぐりのサゲメン軍団》で紹介した大空のコラボ相手達には大空がライバーとして堅守するよう心がけている最低ラインを毎日踏み込えているメンバーもいるし、大空が盛り上げて軌道に乗せ、大きく育てたホロライブの株を下げる言動を繰り返すメンバーもいる。「楽に金が稼げるから」という動機でホロメンを続けている者もいればそもそもこの仕事にそこまで思い入れが無く、活動に力が入れられない者もいる。「大空のコラボ相手はなんでザコばかり?」というのが【大空スバルは馴れ合いたい。01】Aのメインテーマだったが、やはり事務所で中級以下のザコばかりの集団はその精神性も悪質に劣っている。
大空クラスの大型ホロメンは、皆その類のザコホロメンを進んでコラボ相手には選ばない。人的好みで裏で絡む友達としては選択しているパターンはあるが、仕事に本気である以上その質を損なうような相手を進んで配信のパートナーに選ぶ事は極めて稀だ。大空だけがそこから逸脱するのは一旦好きになった相手の粗が一切見えなくなる習性のせいだろう。「好きだからコラボしたい」「好きだから後押ししたい」「好きだから褒めたい」「好きだから可愛い」そこに客観性や公平性は一切存在しない。姫森がリスナーをいびるだけの化物に変わって久しい事も、獅白が権威と実益にしか興味が無くこの仕事や、ホロライブの事も屁とも思っていない事も、大神とコラボしてもリスナーが沸かない事も、全部が全部大空にとってはどうでもいい。