【 03+1/2.さんばか:78点 】– VTuberレビュー(にじさんじ) –

VTuber



リゼ・ヘルエスタアンジュ・カトリーナ戌亥とこの仲良し同期三人組から成るユニット。

【①単体でもバラエティ能力の高い三人が集まった豪華なユニット】
【➁三人の立ち回り上の役割分担がはっきりと決まっていて非常にバランスがいい】
【③華とカリスマのリーダー、常識人だがハブられ役の三枚目、大人しいが独特な雰囲気のマスコットキャラというお笑いトリオのようなよく出来た三人組】
【④リーダーシップの長女、中間管理職的な次女、自由な三女の三姉妹という楽しみ方も】



批評

✔ 「さんばか」は2019年3月にデビューしたにじさんじの同期ライバー三人から成るユニット。華とカリスマとリーダーシップのリゼ、ボケてつっ込んで踏みつけられてと何でもありなバランサーのアンジュ、二人の姫でありながら突発的に予測不能な動きをする戌亥というバラエティに富んだ構成が魅力。合同配信やライブ等で三人が一同に会するのは現在では数カ月に一回程度。

女子が三人集まって「三馬鹿」というネーミングは随分古いセンスだ。200歳を超えているという戌亥はさておき26歳と17歳の女子二人がこれを考えたなんて不思議だ、と思っていたら「サンバカーニバル」が語源だという説を見かけなんだそっちか、と思ったがよく考えるとそっちの方がダサい。二人には歳の離れた上の兄弟でもいたりするのだろうか。

さんばかの核はリゼとアンジュのコンビ「リゼアン」である。単体で業界最高クラスに話の上手い二人が組んでいるコンビなのでリゼアン自体が破格に質のいいユニットなのだが、そこに戌亥が加わると二人のギアが数段上に入る。下手をすれば一回り程も年下の戌亥の事が二人共可愛くてたまらず、戌亥の前でいい所が見せたかったり戌亥を取り合ったりで三人合同の配信はとかくヒートアップしがちだ。

✔ 3:22~ 戌亥が相手だと様子がおかしいリゼ。

✔ 2:31:41~ 戌亥の為なら何でもできるアンジュ。

✔ 37:17~ 戌亥がとにかく可愛い。



✔ 戌亥が横にいる事で火が付いているリゼアンはあまりに面白過ぎ、個人勢を推している私としては脅威しか感じない。「笑いやバラエティ的な意味で面白いVTuber」と言えば私ならぽこピー月ノがパッと思い浮かぶが、正直どっちにも全然負けていない。ジャンルが違うから明確には比べられない、という話もあるが「それぞれ違う個性を持った、単体でも十分強い女子が三人集まっている」という日常系アニメと同じパターンのユニットを花澤香菜みたいな声の人が率いているというフォーマットは、アニメ好きの視聴者が多いV界において殊更強い。救いなのは三人共根が小市民で上を見ておらず、現状維持に重きを置いて日々活動しているという事だ。特にリーダーであるリゼはVTuberが業界を昇っていく為に、また単純に面白い事をする為に必要なありとあらゆる物を持っていながらそれを全く分かっておらず、一切活用していない。現在彼女はYouTube内で軽く流行っているらしい「MOTHER実況」を進行中だが、リゼは持っているスペックや事務所に押されている事を鑑みても誰かの後追いをしていていいライバーではない。一緒にいると強過ぎる二人の仲間も完全に放ったらかして、本当は誰も面白いなんて思っていない古いゲームで現状維持している姿を見るにさんばかは今後も何の脅威にもならなさそうだ。アンジュも戌亥もかなり筋がいいが、リゼの下についた事でにじさんじ外では無名のまま終わっていくだろう。

さんばか関連では現在話術の巧みなアンジュ単体の配信が一番面白いだろう。間違いなく妙齢に差し掛かっている彼女は今お家芸だった干物や貧乳イジりをされると反射的にマジギレするようになっているが、事故スレスレとはいえこれは面白い。年齢的に結婚云々に関して本当に焦る時期に来ている事と、アンジュの人の良さにつけ込んで延々と続く視聴者からのイジりに嫌気が差している事で常に決壊寸前の様は可哀想でもあり一人の女性の人間ドラマのようでもあり、まあ悲喜こもごもだ。彼女には「同じぐらいイジられても毎回お前の半分も観て貰えないにじライバーもいるんだぞ」という言葉と「焦ってて喧々してる女が一番モテねぇんだぞ」という言葉を贈りたい。最も私は彼女個人の心情よりリゼとの間に何か冷えた空気が流れている事の方が余程気になっていたりもするのだが。

✔ さんばかはにじさんじばかりかV業界全体で見ても相当クオリティの高いユニットだが、当人達が上昇志向を持たないので今後もにじさんじ外でその名を聞く事はないだろう。ユニットのファン自体はとても多く、YouTube上に切り抜きが大量に存在しているのでそちらから入って気に入ったら本人達の動画も観に行ってみるのがいい。日常系アニメのような世界観は、きっと多くの視聴者の琴線に触れる筈だ。



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