✔ ホロライブの最古参にして活動歴も全VTuber中最長クラスのベテランである1期生のメンバー達が去年の九月デビューの新参にして数字伸びなさ過ぎなReGLOSSとかいうザコ期生と比べてホロライブにおいて強くアドをもたらす所作の数々をことごとく取らず寧ろ逆を行ってばかりいるこの対立構造は一見とても不思議な逆転現象に見えるのだが、それにはとても分かり易い理由がある。
ReGLOSSのメンバー、特に火威のような何度も採用試験に落ちつつもめげずに再試を受け続け結果として受かったようなメンバーがそこに至るまでに辿ったステップは「①《ホロライブ》を見つける」→「➁強く惚れ込む」→「③日常的な視聴を繰り返すうちその一員になる事を志すようになる」→「④採用試験を受ける」→「⑤受かり晴れて《ホロライブ》の一員になる」だ。
強い憧れの気持ちを持った上で日常的な視聴を繰り返すうち《ホロライブ》の空気感が身にしみ付き晴れてデビュー出来た後は自分がこれまで観てきた《ホロライブ》的所作、つまり「これがやりたい」と思ったからこそホロライブを受けたその所作を先輩達の輪に入った上で自発的に行う事になり、それが結果として彼女達の活動上有利に働く大きなアドになっている。
一方1期のメンバー達がデビューからこれまでに辿ったステップは「A.2017~2018年頃、ホロライブとかいう無名のVTuber事務所の存在を知る」→「B.《ホロメン》(←当時存在しない概念)ではなくVTuberをやるため何となくの気持ちで志願して採られる(若しくはスカウトを受けて入社)」→「C.所属は出来たものの何をすればいいのかよく分からないのでキズナアイや輝夜月、月ノ辺りを参考に取り敢えず活動してみる」→「D.そのまま今日に至る」といった形。ReGLOSSと大きく違うのは「➁」や「③」のステップ、つまり「➁《ホロライブ》に魅了される」と「③《ホロライブ》の主旨を知りそれについての造詣を深める」の二つのステップを踏んでいない点だ。
ちなみにここで言う《ホロライブ》は我々のよく知る世界一の大手VTuber事務所の事を指さない。ReGLOSSのメンバー達、特に何度採用試験を落ちようとも諦めなかった火威や他の箱にも採られていながらそちらを蹴ってこちらに来た轟のようなメンバー達が志したのは「大手VTuber事務所」ではなく二期の参入と共に大空が息を吹き込みみこめっとやゲーマーズのような2.5期に当たるメンバー達が脇を支え、3期が登場と共に爆発させ生み出した、今我々が目にしている《ホロライブ》という名前の「空間」だ。だからReGLOSSのメンバー達に憧れのホロメンを訊いて上がって来るのは必ず2~3期のうちの誰かだし、デビュー以降とっている所作の数々も彼女達にインスパイアされたものばかりになっている。
ReGLOSSのメンバー達が辿った「①」~「⑤」のステップに関しては、実は彼女達より少し先輩の4~6期のメンバー達もそのほとんどが同じように辿っている。2~3期までが完成させた《ホロライブ》の空間を知りある者はそれに感じ入り、ある者はそこに参加する事で受けられる恩恵を目当てに採用試験を受けた訳だが、どちらにせよ《ホロライブ》を知りその価値を認め、そこに参加し順応する意識を事前から持っていた事に変わりはない。だから4~6期のメンバー達もその大方が1期と違いデビュー直後から《ホロライブ》ライクな所作を当たり前のように取り《ホロライブ》の中心的な輪の中に流れるように参加し「凸待ち0人」の火威に近いような恩恵を大なり小なり受け取っている。
ホロライブ2~3期生は《ホロライブ》を「形作った世代」、4期~ReGLOSSは《ホロライブ》を「志した世代」だが、1期はそのどちらでもない。ダメで元々の何となくの気持ちでぬるりと入った事務所でざっくりとした「VTuber」の定義を励行し続ける六年近くを過ごしてきただけの、言ってみれば《ホロライブ》「ならざる世代」。ホロライブに、それも最も古くから籍を置いていながら《ホロライブ》に価値を認めずその趣旨をすら知らず、実は《ホロライブ》なんか好きでもなんでもないという我々からすれば唾棄すべき五人、何で居るのか分からない五人、目障りでしかない五人、だからやっぱり人気がない五人───それがホロライブ1期生の正体だ。
これで彼女達全員、その一人一人のことごとくが《ホロライブ》という箱基準で見た時余りにも逸脱した行動ばかりとり続ける事の理由が分かった筈だし、何よりホロリスから人気を博せない理由が分かった筈。《ホロリス》が愛し観ている、《ホロライブ》が観たいからこそ観に来ている空間の中で《ホロライブ》の主旨を知らずそれを愛してもいない事が観る間に分かるメンバー達など受け入れられる訳がない。
《ホロライブ》に居られてその輪に参加出来る権利まで与えられている事に価値を感じていないからアキロゼや夏色は外に出て関係のない面子とばかり絡んでいて、白上はさくらみこという今最も《ホロライブ》を体現している人間を拡散力ATMのようにしか扱えず、夜空は自分からプレミを犯して《ホロライブ》を後にし赤井は《ホロライブ》に参加するどころかその空気を乱し《ホロライブ》的活動がやりたい《ホロメン》の事も、それを観たい《ホロリス》の事も煩わせる事しかしていない。
《ホロライブ》を観たいリスナーがそんな面々を愛すだろうか。彼らを敵に回してまで彼女達が得るものとは、体現したいVとしての自分とは一体何なのだろう。そんな活動を六年続けた今彼女達はその一端でも成す事が出来ているだろうか。
2期より参入が早かったせいで2期以下が始めた《ホロライブ》に1期は順応出来ていない訳だが、やはりと言うか何と言うか、このパターンは1期よりさらにデビューが早い二人の0期生、言ってみれば「0期中の0期」の二人にも当てはまる。