✔ 「ぽんぽこ24 vol.6」第1部の再生回数は現在94万回に登っている。1年前に放送された「vol.5」第1部の再生回数は34万回で、たった一年で3倍近い回数が回るようになっているのは驚異的だ。「vol.6」の第4部、ラストパートは現在98万回再生を突破しているのでこちらはぽんぽこちゃんねるの念願だった100万回再生コンテンツになるのではないだろうか。
vol.5とvol.6でやっている事も呼んでいるゲストもほぼ同レベルであるにも関わらずこの差が出ている事から分かるのは、去年7月にチャンネル登録者数20万人を達成してからぽこピーというユニットはタレントとしてのサイズが変わってしまった、という事だ。チャンネル登録者数で言えば上回っている個人勢VTuberというのはまだいるが、毎コンテンツの再生回数やそれらの伸び率から見てぽこピーより強い個人勢Vというのはもういないだろう。「vol.6」の配信中に同期のホープで超早売れのエリート「おめがシスターズ」をチャンネル登録者数でもとうとう追い抜いてしまった。
来年はどうなるのだろうと考えると楽しみであるのと同時に少々ゾッとする思いだ。ぽこピーはこれから先、これまでと同じハンドメイドでアットホームな活動形式は続けられない。寄せられる案件やコラボ系の依頼がこれまでとはサイズも数も桁違いになるだろうし、動画の広告収益も跳ね上がる。それらはこれまで選びようもなかった選択肢をもたらし、ユニットの形や活動内容は嫌でも形を変えていく事になる。
例えば「ぽんぽこ24 vo.6」直前に「パラレルウォーカー」というユニットが結成されたのはその魁だ。ぽこピー(特にぽんぽこ)は長い間どう見ても作業の手が足りていない。企画構成→撮影準備→撮影→編集と繰り返す日常はあまりに余裕が無く、「企画構成」の下敷きに不可欠な「業界研究」が出来ていない。ぽこピーが生み出す企画は秀逸だがそこに呼ばれるゲストはいちいち的外れで、自分で産んだ企画を自分で殺しているようなシーンが延々繰り返されている。
ホロライブやにじさんじを含め業界を広く見ていて、関係性の連鎖こそがVタレントの生命線だという事が意識出来ているなら兄妹二人の座組で実家を舞台に延々同じテンプレを繰り返すという閉じた活動に終始する筈がない。たまに呼ぶゲストもぽこピーとデビュー時期が近い古参Vばかりで、彼らがここ数年いかに業界を見ていないかが窺い知れる。
2019年以降確かに減り続けてはいるが天才は各所に生まれ続けていて、それはにじさんじとて例外ではない。業界研究が出来ていてそれが誰なのか分かっていれば事務所内に似たようなのが2、3人はいそうなロンゲの兄ちゃんになどオファーを出す筈がないし、「喋ってみたかったから」とかいうアホな人選理由も出てこないだろう。Vマニアのぽこピーファン達に「私たちと絡んだら面白そうなVタレントって誰だと思いますか?」というアンケートでもとってゲストを選んだ方がまだまともな面子が揃えられそうだ。
ぽこピーや彼らの専売特許とも言えるクイズ企画と最も相性が良さそうで一刻も早く関係を築くべきであるさんばかや業界最強の天才集団ホロライブ三期生は全員ぽこピーなど眼中にないようで、今回の24時間配信の真裏で全く関係のない別の大型配信を行っていた。
こういうのは本当に良くない。「頑張ってさえいればいい」という雑な活動方式に逃げ込んで業界研究を怠っているせいで「さんばかを捨てて舞元を取る」みたいなバカな采配になってしまうのだ。こんな事を続けていれば優良な専売企画と年々増している影響力・発言力のおかげで掴み取れていた筈の未来を延々逃し続ける事になってしまう。
ぽんぽこはパラレルウォーカーを「ただ集まって適当に遊ぶだけの集団」と言っているが本当にそうだとすれば時間と精神的な余裕がない上に遊ぶだけのグループを作ったという事になるのでいよいよ本当のバカだ。活動が上手くいっていなくて時間を作り易い三人が死ぬ程忙しい二人の下に集まったのだから裏で編集のような雑務を肩代わりして貰っていると考えるのが普通だろう。
ぽんぽこはパラレルウォーカーの動画編集を「外注している」と言っていたがこの外注先は本業をやめて現在金銭的に苦しくなっているミミックの可能性が大だ。富士葵とキクノジョーよろしく「気合入れて動画の投稿頻度アップします!」とかボケた事を言っているミミックの横っ面を引っぱたいて「誰も見てないチャンネルに動画なんか投稿しても意味ねえだろ」と叱ってやらねばならない所だが、まあゆとり世代の彼ららしくスローペースでベストな形態に変わっていけばいい。
これも業界研究をしっかりしていれば分かる事だが「気合を入れて週6日動画アップか配信をします!」と活動頻度を跳ね上げる事で不人気を脱しようとしたチーム富士葵は初めこそ再生回数を何割か盛れていたもののたった数ヶ月で元に戻ってしまっている。今も意地で週6行動を続けているがネタ切れのせいで企画はどんどん意味不明な方向に逸れ、仲良しだった富士キクも裏で揉めているエピソードを口にしだしている。
動画アップの頻度を上げても事態は絶対に改善しない。業界に先行したにも関わらず見て貰えなかった引きのない男がまあまあの企画を一人で進行する、というフォーマット自体がダメだったのにそれを変えないまま動画をやたらに連発しても変化など起きる筈がない。
裏を返せば引きのあるVTuberは一月に一回適当なゲームプレイ動画を出すだけでも何十万も再生回数を稼ぐ。ミミックが一月で稼ぐ再生回数の倍程を寝そべって視聴者に悪態をつきながら稼ぐ者がいる現状を、真正面から受け止めていたらこんな意味のない舵取りなどしない。
ぽこピーとミミックの動画の投稿頻度が同じだと仮定すれば彼らはミミックのざっと10倍再生回数を稼いでいる事になる。どう考えても彼らのチャンネルに半分スタッフとして入って見て貰えないまま消えていく筈だった企画を彼らに献上し、一緒にやって貰うのがベストだ。企画構成と編集作業を肩代わりすればぽんぽこの手が空き、彼女は業界で自分にしか出来ない仕事に手を伸ばす事が出来る。そうしてチャンネルが成長すればミミックもその一部としてもっと大きな舞台へ上がれるし、その状態で自分のチャンネルにコンテンツをアップすれば前述のVTuberのように何倍も観て貰えるじゃないか。これからV業界の未来を拓いていく二人の側にいても先の見えている自分のチャンネルの事しか考えられないというズレっぷりが、自分のこの数年をダメにしたのだという事に鈍い彼はまだ気が付いていないのだ。
しかし今回のぽんぽこ24のような大舞台に裏方スタッフとして参加し、年々自分を置いて大きく躍進していくぽこピーを見ていれば本能的にその一部になった方がいい事はいつか悟るだろうし、ぽこピーだっていい加減こっちに入ってくれないか、二人じゃ限界なんだよと打診する筈だ。ゆとりで小市民な彼らは責任と覚悟と大きな変化を伴う決断が苦手で、数年でゆっくり変遷するような変わり方しか出来ない。それはもちひよこにしてもふぇありすにしても同じだろう。今回「パラレルウォーカー」を結成したのはやっとの事で訪れた、彼らのベストな未来への第一歩なのだ。
個人勢しか見ていない視聴者の大部分が気付かない事だと思うが今回のぽんぽこ24の出オチプロレスのコーナーに出ていた見慣れないksonというVTuberは、配信のスパチャ総額で世界2位の記録を今でも保持しているホロライブ卒業生、桐生ココの転生先だ。
ぽこピーはもちろんこれを知っているので内心ニヤニヤしながらコーナーのサプライズ枠としてksonを出している。思ったほど盛り上がらなかったし投入するタイミングが悪くて桐生もセリフに困っていた感があるし、コーナー自体の詰めが甘くてストレートに言ってしまえば残念な出来で、満を持してあの桐生を迎えるのだから訳の分からん有象無象なんか出さずにもっと桐生にスポットが当たるように調整して来いやホロライブのリスナーもこのアーカイブを観るのが想像出来んのかという所なのだが、着目すべきは様々な大人の事情が絡んでしがらみに塗れている桐生をあっさりと呼べてしまうという、キャスティングにおける自由さだ。
桐生はホロライブにおいてスパチャの件を抜きにしても存在感が強く、また同僚にも視聴者にもかなり愛されている部類のホロメンだった。どっかの国の意味不明な攻撃でそのキャリアが終わってしまった事で副次的に生まれたマイナス要素は思いの外多く、その筆頭に「かなコココラボの永続的な終了」がある。
百合絡みによって生まれる「てぇてぇ」のパワーで大量のスパチャを吸い上げるホロライブにあって、かなココというのは異色のカップリングだった。「こんなに相性のいい相手と同期として出会うなんて僕たちは本当に幸運だよね」という本人達の言葉通り、彼女らは人生で片手で数える程も出会えないような生涯の友とホロライブで出会っており、コラボ時の「自分と同じ奴が隣にもう一人座っている」みたいな空気感は他のホロメン同士のカップリングとは違った自然で飾らない、アットホームな癒しの空間を作り上げていた。
二人は今でも同じ家に住んでいて、桐生のホロライブ在籍時と変わらない生活を送っているので実は当人達はかなコココラボの消失を特に何とも思っていないのではないかという話はあるのだが、リスナーからすればそうはいかない。この二人のカップリングは面白さとオンリーワンな「てぇてぇ」の観点から絶対に失われてはならなかったし、この二人だから出来た事、作れた空間というのがまだ沢山あった筈なのだ。
元桐生ココであるksonをホロライブは今後一切キャスティング出来ないし、ホロメンの誰かが独断でコラボする事も絶対に出来ない。各所にお伺いを立てて様々な創意工夫を凝らし、かなココの二人を何らかの形で引き合わせる事が出来る者がいるとすればそれは業界でぽこピーだけだろう。「ksonとホロメンが直でコラボした」とニュースになったら外国人が騒ぎそうだが、「10人対10人の大型対戦企画で片方のチームにkson、反対側に地味なホロメン2人」とかだと多分ニュースにもならない。
企業特有のしがらみが無く、誰にでも声をかけて自由にキャスティングが出来るという事はあらゆるV視聴者の需要に応え得るし、その層を味方に付け得るという事だがぽこピーは業界を、特にホロライブを殆ど見ていないのでその界隈の視聴者が今何を望んでいるのか自体を知らない。「かなココ」というカップリングがかつて存在し、またそれが非常に惜しまれている事どころか多分二人は「かなココ」の「かな」に当たるホロメンの存在自体を知らないだろう。今回のksonの出し方を見ても「スパチャですごい記録を持ってたけど何か問題を起こしてクビになった奴」以上の事を何も知らなさそうだ。
例えばリゼ・ヘルエスタという逸材が、毎配信せいぜい10万回程しか再生回数を稼げないという埋もれ方をしている原因は産み落としたライバーの世話の一切を放棄しているにじさんじのせいだったり、活動意欲を失って保身的な活動をおざなりにこなすのみになったリゼ本人のせいだったりするのだが、本来タレントを埋もれている状態からすくい上げて世間に売り込むのは事務所やタレント本人の仕事ではない。
テレビ地上波における芸能界をを引き合いに出すとするなら芸能事務所の仕事は才能のある一般人を発掘してタレントとして機能するよう教育し磨き上げる事にあり、そこに所属しているタレントはあてがわれた現場で用いる技術の研鑚に努めるのが主な仕事だ。事務所の発掘したタレントを企画に当てはめ視聴者の需要に応える形で世間に提示し、拡散していくのは芸能界ではTV局の仕事になる。
良質な大型企画を自作し、事務所の枠を気にせずいわく付きのVにも自由にオファーをかけられるぽこピーはV界において、芸能界におけるTV局の役割の一端を担える。ksonをこのタイミングでサプライズゲストとして招くなどホロメンはもちろんにじライバーにも怖くて出来ない。個人勢で言えば犬山が多種多様なゲストを呼び込む事を意識的に行っているが犬山自体が面白くなく、企画の主催など本来は出来る器ではない。「自由なキャスティング」と「良質な企画の作成・進行」の両立が可能なのはV業界でぽこピーの他に誰一人としていないのだ。
その強みを生かして出来る事はとにかく多い。今回のようにいわく付きのVを大舞台に引っ張り出して視聴者を沸かす事はもちろんデビュー時期や活動形式のまずさで埋もれてしまったVに活躍の場を与える事、見込みのある新人を後押しする事、事務所の枠を超えたベストメンバーを選抜してV界最強の面子で企画に当たる事、それによって個人・にじ・ホロの壁を壊して業界を活性化させ全員で恩恵を享受する事等枚挙に暇がない。そしてぽこピーはどう見てもこういった事をやりたがっている。埋もれた仲間の相談役を裏で買って出ていたり彼らをまとめ上げてチームを作ったり、遠く離れた業界からごちゃまぜに人を呼び集めたり新人のプロデュースを請け負ったり。ぽんぽこ24で毎回無名のクリエイターのCMを長時間流す事や、狂気の一週間50回コラボ等もその一端だ。「業界を広く捉えて皆で何か面白い事をしよう。その為の協力なら惜しまない」が活動開始以来続く彼らの行動原理なのだ。
問題はその「協力」に分別や指向性が無く、適切な形で行われていない事だ。過去ぽんぽこ24でCMを採用されていたクリエイターを追ってみると、そのほとんどが現在活動休止状態にある。50回コラボの相手もほぼ素人みたいな者が目立ち、将来華開く者など1割もいないだろう。こんなボランティアみたいな事はこの先10年続けても何にも繋がらない。業界の中で一番面白いのはどこの誰で、そこにリーチするには誰の所に行ってどんなオファーをかければいいのか、自分達の一番の強みは何で現状何の為に使うのがより多くの者の為にベストなのか、等を明確化しないまま手数だけを撃ち続けているのでその殆どは無駄に終わっている。
考えを固める前にバタバタとお人好しを連発するのはぽんぽこの人柄そのままだ。本人は「損をするとしても自分だけだから別にいい」とか思っていそうだが物を考えるのが苦手な彼女は自分のそういった行動パターンが様々な弊害を生み出している事に全く気が付いていない。
例えばしぐれういというイラストレーターが広く知られるようになった経緯の一端に、彼女がホロライブの中心人物大空スバルのデザインを担当している事が挙げられる。しぐれの事を「かーちゃん」と身内のように呼び度々ホロライブ内に引き込む大空のおかげで、しぐれは今やホロライブ全体にとってのお得意様のような存在だ。ホロメン達が最も頻繁にコラボを行う外部のVは間違いなくしぐれで、その拡散力が彼女の成功に大きく貢献しているのは言うまでもない。
一方ぽんぽこのモデルデザインを担当した所謂「ママ」はイラストレーターのさえきやひろだ。しぐれと同業で、同じくYouTubeチャンネルを開設しVTuberとして活動するさえきだが、こちらは全く上手くいっていない。チャンネル登録者数は3万を切っておりしぐれとの差は約70万、毎動画の再生回数は大抵5000を切っておりこちらはしぐれの・・・もうやめておこう。
さえきはイラストレーターとしてもモデル製作者としても一流で、そのスキルはしぐれと比べても全く遜色ない。少々作家性が強く出役として若干の難はあるもののしぐれと同様引きのあるタイプの声優声を持ち、一体のVTuberとして洗練されていて華がある。しぐれが成功してさえきがこんなにも失敗している理由は間違いなく産み落とした「子」からのプッシュの差だ。簡単に言えばぽんぽこが恩知らずにも生みの親をほったらかしにしたせいで、さえきはこんなにも知名度が無い。
ぽんぽことさえきが同籍しているユニット「てぇてぇトレイン」を完全に放置していたり「ぽんぽこ24」では凸企画で短時間絡んでサヨナラという全くの他人と同じ扱いに処している事だったり、50回コラボ企画で一般公募の素人と同じ扱いでコラボを済ませた事等も酷いが一番笑えないのはさえきにとって最大の商売敵であるしぐれういを度々ぽんぽこ24のような大舞台の、それも大トリに呼んで持ち上げている事である。世の中色んな畜生がいるがこんな親不孝はさすがに見た事が無い。先日身重の女性に重装備を纏わせ体育館を走り回る企画をやらせている非常識なYouTuberを見かけて大変辟易したが、これといい勝負なのではないだろうか。
ぽんぽこはぽんぽこなのでもちろんこれに悪意や打算がある筈がないのだが、業界研究を怠らずホロライブまでもよく見ていればしぐれういがやたらと出入りしている事に気が付き、「しぐれは大空のお陰で売れてるな。じゃあさえきが売れていないのはもしかして自分の・・?」と思い至ったかも知れない。
またどちらも下げ調子な「おめがシスターズ」と「富士葵&キクノジョー」を「自分と仲が良いからとりあえず一緒に」と間を取り持って度々コラボさせているが、これも考えなしのクソ采配極まりない。おめがシスターズというパワータイプの思考停止型オラオラ系Vと知的でエレガント、お行儀のいい笑いをお届けする高民度V富士キクが絡んでも何もいい事がない事ぐらい素人でも分かる。「コラボ時喋らない」と言えばピーナッツくんだがおめがシスターズと絡んだ時の富士はもっと酷い。富士みたいなお上品な人間が平場でおめシスみたいなヤケクソな人間を相手にする術を知っている筈がないし、キクノジョーの良さもおめシスがいると一切出ない。徐々に揉める事の増えてきた富士キクがコラボ収録の帰り道「ぽんぽこちゃんがせっかく用意してくれたコラボなんやからもうちょっと喋らなあかんよ」を皮切りに大喧嘩していたらそれは100%ぽんぽこのせいである。
時には弊害すら生むぽんぽこの分別の無さを横のちんすこうが何故放置しているのかは分からないが、タレントにとって重大な意味を持つTV局的な役割を担うにしても他Vを救済するにしても何がどうなって目標を達成するのかという道筋をイメージした上で行わなければ意味を成さない。その下敷きにはV界全体に関する知識が必要になり、やはり業界研究が欠かせない。だからぽんぽこは編集みたいなPC作業をさっさと辞めて業界研究と活動の方向性の洗い直しに時間を費やすべきなのだ。