【 ④剣持刀也 :33点 】- VTuberは、ぽこピーだけ見てればいい vol.4 –

VTuber

【 ④剣持刀也:33点 】
【 活動開始:2018年3月15日 】
【 チャンネル登録者数:52.9万人 】
【 直近再生回数(平均):40.4万回 】


【 概要 】
 業界最大手事務所「にじさんじ」の中堅所筆頭のようなVTuber。バラエティ担当の男性Vとしては、にじさんじでは彼がトップだろう。
にじさんじの大看板と言えば言うに及ばず月ノ美兎だが、彼女と対になっているような文武両道の優等生モデルは、現実の高校でスクールカースト上位に属している男子高校生みたいな雰囲気の彼に、ぴったりである。

にじさんじ、と言うよりVTuberの中でもかなり特異な存在で、持ち前の頭脳を生かして笑い・バラエティのロジックを組み立てようとする立ち回りは、YouTuberと言うよりむしろテレビに出ているような芸人に近い。
複数のVTuberで集まって一つの企画に当たるような場面ではツッコんで良し、回して良し、裏回して良しの大活躍だ。
オフ時に様々な動画を観て研究する事も熱心に行っているようで、その成果は彼の仕事にハッキリと表れている。

多くのVTuberと違い、ちゃんと勉強して偏差値の高い学校に通っていた事が窺える。
PCに弱いのは工業高校・専門学校等、PC系の授業を多く取り入れているような偏差値の低い環境にいなかった事を示しているし、大人だと誰も知らないような知識を豊富に蓄えているのは近年までテスト勉強や受験勉強を頑張っていたからだろう。
彼が何故安泰のレールを外れてこんな業界を志したのかは分からないが、どこに身を置いても前向きに努力出来るのは大した物である。

仕事上ぽんぽこを同期のバカ、ピーナッツくんをキモいストーカーとして腐しているが、二人の中に自分にはない類の強い才能を認めていて、敬意を払っている様子が言動の端々から読み取れる。
直接的なコラボは少ないが、毎年クリスマスに行われるピーナッツくんとのコラボ配信は、V界きっての一大イベントである。

剣持は今大体20代前半だと思うが、大学生と変わらないようなうら若き青年の家に、推定30過ぎにして年齢=彼女いない歴のピーナッツくんがクリスマスの夜に泊まり込んでいる事を思うと、少々背筋が寒くなるようだ。


【 現状 】
 大手事務所の中核を成し、チャンネル登録者数・毎配信の再生回数は共に上々、バラエティ系の企画では見所を量産する剣持だが、正味の話、彼自体は全く面白くない。
精一杯ボケようとしている場面は何度も見るが、気分の悪い毒づきをかますか素人学生並にちょける程度が関の山で、こんな物は若いからギリギリ許されているに過ぎない。
コラボ相手の粗をわざわざ口に出して恥をかかせる事でツッコんだと思っているようだが、それまでの流れもその後の着地も何も考えておらず、相手に対する配慮も無く、ワードにも手心が加わっていないので、これはマウントの要素を含んだ只の攻撃である。
ネタ切れに迫られて考察やら分析やら諸々喋ってみても、無理くり絞り出しているのでいらない話ばかりだし、論点も結論も何もかもズレている。

彼にはボケ役やクソリプ、コラボ相手が用意した企画のような叩き台が必要で、それを捌いて場を仕切る事でしか能力を発揮出来ない。過去のテレビ番組を引き合いに出して例えるならドリフの長さん、めちゃイケの矢部、はねトびの西野亮廣と彼は同質なのだ。
それが単体で画面に映って一人で喋っている状況は、エンタメとして成立し得ない。月ノや、同期の文野のような一人語りの名手と違い、彼は散々蔑んでいるコメント欄にくってかかる事で、全ての配信を何とか乗り切っているのだ。



【 別の道 】
 一人でコメント欄と向かい合うような配信が活動のベースである限り、剣持は長続きしないだろうと思う。攻撃とマウンティングを武器に勢いで押し通すスタイルは加齢と共に成立しなくなるし、リア充高校生みたいな雰囲気も時間と共に変化して行く。
学生のモデルもあと数年で使えなくなると思うが、彼の場合月ノと違い、「若い」という設定が剥がれると同時に一定数のファンが離脱するだろうと思う。
年下好きのお姉さま方や、聖夜のピーナッツくんのリアル版みたいな男性視聴者にとって、推しは若ければ若い程いいからだ。

こちらから何も発信出来ていない自分の配信はせいぜい視聴者のヒマ潰しぐらいにしかならず、自分は散々見下しているコメント欄の話相手を務めているに過ぎないという事、さらに形態が同じである以上何年続けても同じ作業が続くだけだという事にももう勘付いているだろう。
同じように一人で配信をしている者も、自分からネタやオリジナリティの提供が出来ていれば、ファンが軽く編集して切り抜きにするだけで質のいい動画に仕上がってしまうのだが、剣持の切り抜きで面白い物は常にコラボ相手かコメント欄がネタを提供している。
よくコラボ相手に向けて言う「今日それしか用意してないのか。持たないぞ」というのが彼的に切れ味の鋭い、イケてるツッコみワードな訳だが、彼自身がまともなネタを用意出来たためしがないのは壮大な皮肉である。
もしかしたら彼が口にしたボケの中で一番面白いのはこれかも知れない。

彼発信の爆笑シーン集や、むしろ話が伝わり難くなるような最先端の専門用語を用いて何やら語っているような切り抜きもあるにはあるが、とても見れた物じゃない。強烈なネガキャンになっていて可哀想なので、やっている人は即やめてあげた方がいい。

彼はなまじ頭がいいだけに、単体での配信が主流であるV界の現状に自分が今一つ嚙み合っていない事や、このままだとこの先自分が先細りな事にも薄々勘付いているだろう。5年、10年単位の長期に渡って同じ活動を続けるのは精神的に厳しい。

どこに身を置いても一定の成果は出せる人だと思うので、VTuberをやめて他職で出直す線も大いにある。むしろ私はそうした方が、まだ先の長い彼の人生にとっていいのではないかと思う。
六本木の上場企業でも彼の頭と対人能力があれば職にありつく目があるし、そういう所では攻撃的な態度とマウンティング、若さ由来の勢いが必須能力だ。
オリジナリティやユーモアのセンスに乏しい所も目立たなくなる。ああいう場所の調子のいい会社で働いている連中は、とにかく面白くないのだ。

剣持の抜けた後のV界の穴はどうにでも埋まる。
にじさんじだと社や舞元、ジョー辺りが分担すれば十分だろう。
独特なワードセンスが、とか鋭い切り返しがとか言われているがそんな物は業界から失われてもどこにも何の影響も出ないし、ちょっとしっかりしてるVが頑張ればすぐに近い事が出来てしまう。
オリジナリティやユーモアのセンスを持たない者が努力で身に付けた技術で戦う、というのは言い換えれば誰でも努力次第で追いつけてしまう領域にしか行き得ない、という事なのだ。
抜けたのが月ノだとそうはいかない。誰を何人集めても彼女の代わりは務まらないし、V界どころかサブカル界向こう10年の財産が失われた事になる。


【 宗教家のような先達 】
 剣持が先々までVTuberを続けるなら、単体×手ぶらで人前に立つというベースのフォーマットを何とかしなければ始まらない。
練った企画や、ガチのゲームプレイのようなネタが用意出来ればいいのだが、彼の場合どっちも無理だろう。
ツッコんだり場をコントロールする能力を常時最大限発揮したいなら、月ノやピーナッツくんのように受け身を取らずにボケ続けるタイプの、固定の相方を探した方がいい。事務所内にはまだユニットで活動している者はいないようだが何とでも出来る部分だろうし、実力はあるが埋もれてしまっているにじさんじのライバー、というのも何人もいるだろう。

剣持刀也はVTuberとしては希少価値が低く、将来性に乏しいコモンライバーだ。
単体で活動している姿を追うメリットがないし、数年以内に姿を消す可能性も非常に高い。
努力が出来るタイプの人間なら努力量を跳ね上げて運命を切り開く、という道もあるが、まあお好きにやられたらいいんじゃないですか、という所だろうか。
先天的なセンスや個性を持ち合わせていない人間が、いくら努力しても越えられない壁というのがエンタメ界には存在するのだ。

東大にも余裕で現役合格出来る程の頭脳の持ち主が、1日20時間以上を仕事に充てて20年過ごしても、その壁は超えられない。その生き証人が文中にも登場した西野亮廣である。彼は功績の全てを頭脳と努力、視野の広さとカリスマ性で生み出しているが、内から湧き出る独自のセンスだけはどれだけ求めても手に入れる事が出来なかった。
未だにそれに執着しているし、それがある体を装うので不自然さや歪さが増してしまい、観察眼のある層には根強く叩かれ続けるのだ。
さながら西野亮廣は剣持刀也Lv.100、と言った所だろうか。

しかし文中で剣持君を二度も西野亮廣に例えてしまった事については謝罪をしなければならない。
いくら批評文とは言え、未来ある若者に対して誹謗中傷が過ぎた事を、深くお詫びしたい。
本当に申し訳ございませんでした!


→【 ⑤おめがシスターズ 】に続く

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