【ホロライブレビュー.03】B-1《赤いDQNと青い陰キャ》include:宝鐘マリン、天音かなた、不知火フレア

VTuber


【①.ここ最近表立って絡む事の多いかなマリ。デレ→殴り合い→デレの変遷を辿ったかなマリの、現在の関係性とは】

【➁.半休止状態にあったかなマリコラボを復活させた宝鐘の狙いと、追従する天音の思惑を探る】

【③.宝鐘と関わるライバーは、皆一様に「殴るか・逃げるか」の二択を迫られる】

【④.ホロメンにとって宝鐘マリンとは同僚ではなく「関門」であり、越えるべき「ハードル」でもある】

【⑤.天音しっかりしろ】




ズレる思惑

✔ 先日、かなマリのマインクラフトコラボが行われた。並走多人数での共演を除けばかなマリの正式なコラボはおよそ10カ月前のDM画面公開コラボ以来になる。裏では密に繋がっていても表立って絡む事をほとんどしてこなかったかなマリが、と言うよりこのコラボを持ち掛けたであろう宝鐘が今敢えてかなマリを復活させた事の裏にはどんな思惑があるのだろうか。

このコラボと、その一つ前の配信で宝鐘は「姉を東京に呼び寄せて、雇った上で身の周りの世話を任せる」計画の話をしているが、ここ数年宝鐘は天音を、そういった私生活の支えの一端を担う存在として重宝してきた。宝鐘名物「ヘラる」を受け止めて処理するのが天音の主立った役割だが、時間を食う上面倒くさくて仕方がない筈のそれを嬉々として引き受ける天音は、宝鐘にとって家事代行や家政婦、マネージャーに近い存在だ。宝鐘が天音と表立ってコラボしてこなかった理由は自分の家政婦やマネージャーとコラボする気なんて起きないから、ただそれに尽きる。

天音がかなマリコラボを表でやるつもりがない理由を語る様子を見るとその内容は「かなマリの関係は裏で進行し過ぎていて身内ノリの趣が強くて、関係構築の過程も見せずにいきなり配信で出すような物じゃないかなと思って」といった感じだが、聞けば聞く程無理のある理由付けではないだろうか。SMOKなんかは物凄い身内ノリだが多大な需要があるし、私なんかはごく最近それを見始めたばかりで関係構築の過程なんか知りもしないが、ごく普通に楽しめている。身内ノリや過程が云々はホロメン同士のユニットを楽しむのに関係ない話の筈だがコメント欄も意見は同じようで、「考え過ぎ」「その身内ノリが見たいんだが」が高速で流れていく。

天音の本音は「こんな不健全な関係、人に見せられない」だ。マリカ大会で見せたようなヤバ過ぎるやりとりを関係の軸としているかなマリの「身内ノリ」は、成程「エンタメの範疇」を超えていて「表に出すよう類の物ではなく」、「過程を知らずに」いきなりこれを見たリスナーにとっては事故映像でしかないだろう。かなマリコラボをやる予定がない理由を語る天音の、逐一ピンとこなかった言葉遣いはかなマリの日々のやり取りのベースがマリカ大会で見せたような物だった場合綺麗に辻褄が合っていく。

「かなマリは配信でやっても意味ない」は天音と宝鐘のどちら共が言っていたようだが、その理由はそれぞれで違う。「人に見せられる関係じゃない」がかなマリをやらない理由な天音は、だから自分から宝鐘をコラボに誘う事をしないし、「助けになる存在であって肩を並べたい相手じゃない」が理由な宝鐘は、だからマリカ大会の時のようにメンタルが危なくなってきたら表でも天音を呼び出して絡む。不健全だと分かっていても奉仕的行動で自己肯定感を得る事がやめられない病的な精神の持ち主と「非常識」「不健全」の意味がそもそも分かっていないDQN、ざっくり言えばかなマリとはそういう図式のカップリングだ。


恩返しと言うより罪滅ぼし

✔ 天音をライバーとしてではなくプライベートスタッフのような存在として認識してきた宝鐘が、近頃人目に付く場でやたらと天音に構うのは、恐らく罪の意識からだ。三十路を迎えて落ち着いてきた宝鐘は、これまでの自分の非常識な行いの数々に気付き、一つ一つを見直し始めている。巨乳の2Dパーツを描いたり人目に付く場で持ち上げたり、配信の待機画面で天音を大きく扱う等の形で宝鐘は今、天音に余りに長い間自分の為だけの時間を作らせてきた埋め合わせを行っているのだ。そういった宝鐘の胸の内は今回のマインクラフトコラボでの様子を見ても読み取れる。


トップの足を引っ張る罪

✔ 0:20~ 天音のボケへの対応が優し過ぎる宝鐘。この配信中、天音への宝鐘の態度は過度に柔らかく、作為的で非常に気持ちが悪い。天音の悩みを聞き出そうとするパートなどは特に酷いが、これは日頃愚痴を聞いて貰っている事への恩返しのつもりだろう。

宝鐘が分かっていないとは思いたくないが、こんな気遣いにまみれた作り物の絡みでリスナーは盛り上がらない。生の感情が見え隠れする瞬間が無いし、練度の高い絡みが一つも無い。裏で一番連絡を取り合う仲である筈の二人のコラボに血が通っていないのは、ここで見せている絡みが日頃の物と全く違うからだ。リスナーはバカみたいでもバカではないので、これに本気で騙されててぇて味を感じる事はさすがにない。


✔ 1:10~ 天音を「フレア」と呼んでしまう宝鐘。「天音と健全な関係を築き直そう」と考えた宝鐘が「健全な関係」の模範例として意識したのが恐らく不知火フレアとの関わりだ。「フレアと絡む時みたいな感じでいこう」という意識があったのなら、この配信中の柔らか過ぎる態度にも合点がいく。

「健全な関係」で不知火との関わりを持ってくる宝鐘の判断は、正しい。しかし不知火と宝鐘が健全な形で繋がれているのは一重に不知火の力に依るもので、その上澄みだけをすくって天音に応用しようとするとどうしてもこんな不自然な形になってしまう。


✔ 2:31~ 不知火への気持ちが不意に漏れてしまった「私も好き」。宝鐘の活動歴の中でも上位に入るてぇてぇワンシーン。リスナーが求めているのは無難に丸く整った絡みなどではなく、こういった生の感情が露になって化学反応を起こす瞬間だ。

この切り抜きを見れば分かる通り、宝鐘のこの顔を引き出しているのは不知火自身の魅力と人心掌握の力だ。これに限らず、宝鐘が自分で自分をコントロールして「てぇてぇ」を生んだ瞬間はほぼ無い。湊や紫咲には母性を爆発させ、大空に嫌われてもめげずに近寄る事でホロメン、若しくはホロライブへの愛を表現し、3期は親密過ぎて実質二親等以内の家族同然、あろう事かリスナーにまで心理的に依存する宝鐘は、非常識で常軌を逸したその瞬間こそがライバーとして最も輝く時だ。

「宝鐘が輝く」という事が、宝鐘が参加している場では優先されるべきだという大前提に、異論のある人間はいないだろう。名実ともに環境最強のVTuber、一番面白くて一番魅力的、だから一番売れている。そんな宝鐘が輝く瞬間を差し置いて優先しなければならない事物がVライバーの配信に、果たしてどれだけ存在するだろうか。

宝鐘の動きを抑制してしまう物は、現状何であっても害であり悪でしかないと言って差支えない。最近だと宝鐘とサシでオフコラボしたENが宝鐘に大層気を遣わせて受けに回らせていたが、この時の宝鐘のパフォーマンスはいいとこいつもの半分以下だ。その下げ幅を埋める事は、このENなんかには絶対に出来ない。

ENが天音に置き換わっただけの今回のマイクラコラボも同じ話だ。宝鐘がこんなにも気持ち悪くて面白くなくなった事の責任は、天音にある。チャンネル登録者数130万とかいうマイナーなホロメンの為に、宝鐘の動きが抑制されていい訳がない。宝鐘は今回「友人に対する過度の無償奉仕」という、天音の病的な行いへのお返しをする事でこうなっているので、言ってみれば宝鐘は天音の病気に巻き込まれた形だ。宝鐘マリンの様子をおかしくした事の埋め合わせは、天音かなたには絶対に出来ない。数的な部分を比べてもいいし声質や外見上の華を比べても良いし、互いの配信の質を比べてもいいし、時間当たりに生み出す見所の数を比べてもいいが、そんな事をするまでもなく天音と宝鐘では格が違い過ぎる。兎田でもなし星街でもなし、大空でもない天音ごときが宝鐘マリンという大ライバーの手を煩わせていい訳がないのだが天音はそんな事は考えてすらいないようで、天音はやはり物分かりの良い体を装いながら実際はその見かけよりずっと頭が悪いようだ。

今回のマイクラコラボに関しても、まともなホロメンとなら誰とやっても宝鐘はもっといい画を作る事が出来ただろう。最近は不知火が宝鐘と強力なシナジーを生んでいるので、出来ればこのマイクラコラボも不知火とやる形で見たかったところだ。過剰な気遣いで全ての強みを封じて変に丸みを帯びた不気味な宝鐘の代わりに不知火へのガチ恋を隠し切れないメス堕ち宝鐘が見られるマイクラ配信、最高じゃないか。

不知火が無理でも、宝鐘は天音と絡むぐらいなら誰でもいいから他のホロメンと絡んだ方がずっとマシだ。「宝鐘に気を遣わせてしまう」×「宝鐘とコラボする距離にいる」という最悪の組み合わせを満たしてしまっている天音は、現状宝鐘のパフォーマンスを低下させるという害悪行為を行う唯一のホロメンだと言える。


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