✔ モヤモヤしてるのに「モヤモヤしてない」、湊を好きだった気持ちすら「自分のワガママだった(依存し過ぎだった)」とそれ自体を否定、「みんながそれぞれの目標に向かって歩いて行った時また出会える事もあるかも」とあくまでポジティブに話を締めくくろうとする大空は今も自分の膝をガクガクと揺らし意識を朦朧とさせる今回のダメージを時が経てば癒える類のものだと信じその時を少しでも早めようと必死に抵抗しているようだが、残念ながら人を失った事で負ったこのレベルのダメージは一生回復しない。
例えば大神、ついでにロボ子辺りは今回の湊の卒業を受けその事自体を悲しむより先に、示し合わせたかのように口を揃えて「(クビじゃなくて)卒業で良かった」「お別れをする時間があるから」と言っているが、これは今年の始め本人ですら突如当日寝耳に水の契約解除を言い渡され即日即消えと相成った元・1期生夜空の事を念頭に言っている。夜空の契約解除を受けたホロメン達の反応まとめやそれに連なる諸々を確認すれば分かる通りこの二人は夜空の突然の解雇で大きくショックを受け分かり易く脚に来ていた二人だ。
大神が特にそうだがこれまでを見る限りこの二人は湊と決して遠い関係ではない。湊の脱退が確定した時素直に出てくる言葉は本来他のホロメン達と同じ「正直嫌だ」「でも本人の意志を尊重する」「最後まで全力で盛り上げる」以外にない筈なのだが、それでもこの二人がここで言ったのは『夜空みたいにならなくてよかった』……誰かの卒業を受けて別の誰かの名前を引っ張って来て半分関係のない話をするなんて場違い過ぎて軽くマナーを違えているまであるが、確かなのは「メンバーの」「脱退」というキーワードを聞くと同時に二人の脳裏に夜空脱退の悪夢がフラッシュバックとして甦り、ここでのコメントを本来あるべきものから捻じ曲げてしまったという事。所謂ベタな「トラウマ」というやつで、夜空の脱退から半年以上経った今も二人がその件で負った傷を癒せないまま引き摺り続けている背景が窺い知れる。
今回の大空も要はこの二人と同じ事で、「湊による脱退の発表」~「卒業ライブ後の号泣雑談パート」までの流れを見るに恐らくもっと酷い。多分大空は大神やロボ子より「ホロメンの」「脱退」というキーワードに内心ビクビクと怯えつつ活動を続ける事になるだろうし、今後も少なくとも一年に一人以上のペースで繰り返されるであろうホロメンの脱退の度に気持ちが壊れていくだろうし、そんな活動を今までと同じ気持ちではどう逆立ちしても続けられないだろう。