【 ⑤おめがシスターズ :30点 】- VTuberは、ぽこピーだけ見てればいい vol.5 –

VTuber

【 ⑤おめがシスターズ:30点 】
【 活動開始:2018年3月5日 】
【 チャンネル登録者数:28.7万人 】
【 直近再生回数(平均):5.58万回 】


【◆◆長所・視聴するメリット ◆◆】
【①最盛期の動画が高品質で革新的】
【➁高い技術力】
【③気取らない可愛らしさで女性の視聴にも易しい】
【④二人の掛け合いが楽しい。トークスキルはないが見所が多い】
【⑤トレカや最新ハイテク機器等、男性にアプローチするネタが豊富】
【⑥女を捨てたかのような思い切った立ち回り 】

【 ◆◆短所・追う必要がない理由◆◆ 】
【①最盛期に比べて動画の質が悪い】
【➁動画クリエイターとして今後成長する見込みに乏しい】
【③モデルの性能が同格Vより低く、表情や動きに乏しく画が寂しい】
【④笑いやバラエティに関して勉強不足で、コラボ相手を困らせる程トークスキルがない】
【⑤ノリが見切り発車で変顔や大声に頼って落とす。テンプレを延々繰り返す】
【⑥相方のみならず他Vや視聴者、一般人に対しても失礼もしくは攻撃的な振る舞いをする】
【⑦他Vと波長が合わず孤立していてコラボが少ない】
【⑧動画の質を上げる事より直接的な収入を取りに来ている】
【⑨女を捨てたかのような下品な立ち回り 】


【 概要 】
 VTuber界においてかなり特異な立ち位置にいる、女性二人の個人勢ユニット。
ぽこピーより少しだけ後にデビューした古参組だが、ぽこピー以外のV達との関わりを一切絶った状態でチャンネルを育て続ける異端児的な存在。
VTuberはコラボを軸とした横の繋がりが非常に重要で、ぽこピーがここまで大きくなれたのも他のV達と協力し合ったおかげだと思うのだが、おめがシスターズは誰の助けも借りずに今や個人勢VTuber最大手の一角である。

「おめシスと言えば汚い」が広く知られているが、実際は姉でありユニットのブレーンでもあるレイの、卓越した技術力を用いた画期的な企画でブレイクしている。
クリエイターとしての最盛期から数年経った今も、当時の彼女達を同じ土俵の上で超えているVTuberにはお目にかかれない。
おめシスは技術力を武器に戦うが、盟友であるぽこピーは着ぐるみやパペット等アナログな方向に力を入れて行く様が対照的で面白い。

人気絶頂の最中、ファン達に一切悟られる事なくレイが妊娠・出産を経て実子を動画にて公開するという離れ業をやって退け、業界を騒然とさせる。
もちろんVTuberでは初めての試みで、この上なく革新的である。
おめシス、と言うよりレイはやはり普通じゃないな、と思わされると同時にV界の主流である女性Vの、仕事と実生活の両立について考えさせられる出来事でもあった。

ぽこピーとのコラボは活動初期から非常に多く、本人達曰く「親戚のような関係」だがそこにピーナッツくんが含まれていないのが、見ていてとても辛い。
おめシスの「ピーナッツくんさんってセンスがあってすごい」という、関係性がないからこそ保たれる羨望のような物が失われた近年、二組のコラボ動画は「仲良し女三人組+物言わぬ黄色い背後霊」の構図で仕上がっている。
コメント欄にもその事についてはっきりと言及する物が複数上がってきているので、事故動画が好きな人は覗きに行ってみるといい。

今年1月に上がった、おめシス・ぽこピー・富士葵の三組でグランピングに行く動画の中で、レイとピーナッツくんがペアになって料理をするシーンも結構な事故映像である。動画上ではかわいいキャラクター同士がぎこちない会話をしているだけなのでまだ観ていられるが、実際は双方困り顔の男女が楽しい楽しいレジャー施設であの会話をしていたのだと思うと、共感性羞恥で頭がおかしくなりそうだ。

おめシスとピーナッツくんはどう考えても食い合わせが悪いと思うのだが、ユニット同士で付き合う流れになってしまった以上、ピーナッツくんまでおめシス・ぽんぽこ間の距離で接しなければならず、実際の仲の良さを超えた距離感にお互い戸惑い、どう絡んでいいのか分からなくなっているのだろう。
妹リオなどはたった一回のコラボで富士の運営キクノジョーと、ピーナッツくんよりずっと仲良くなったようである。


【 V業界にも働き方改革 】
 おめシスの動画クリエイターとしての最盛期は、もう終わっている。
レイの出産数カ月前から企画が十分に練られなくなり、撮影前の準備量が格段に落ちてから動画の質はずっと下り坂である。それが大体2020年の中頃から始まっているので、もう一年以上おめシスは大した動画を出していないし、大きな変化も見せていない。

言うに及ばずこれは活動の根幹部分を一人で担っているレイが子育てに追われているせいだ、と言いたいところだが特にこの数カ月の動画を観ているとどうしてもそれだけだとは思えない。
一動画当たりの準備量は回を追う毎に減り、下調べが足りないせいでロケに行っては実行不可でなし崩し的にフリートーク、誰かとコラボしている時ですら投げやりな態度を見せるレイは、動画作りに対して明らかに興味を失っているように見える。

それでも最盛期のあまりにセンセーショナルな動画作りと、相方であるリオとの小気味良い絡みで一定の支持は保てている。
今はその層に対してグッズを販売して不労所得を得る事に重きを置いていて、カードゲームを作ったり生配信で抽選会をやったりしているのが正にそれなのだが、直接的に金をとろうとする動きはYouTube上では嫌われ易い。
長期的に見ると今のように派手に商魂を出すのは得策とは言えないだろう。

レイの、出産にまつわるあれこれは多くの女性VTuber、とりわけ非常時に補佐してくれる事務所のない、個人勢女性Vの前に立ちはだかる難問であり、VTuberにも働き方改革が求められている訳である。
これは私の最推しであるぽこピーにも降りかかる問題であり、その解決は、先の事なんて頭ぽんぽこ!なぽんぽこではなく、ブレーンであるピーナッツくんにかかっているのだが、この件に関してはぽこピーの記事で改めて触れたいと思う。

レイは子育てがひと段落した後以前のような動画作りを出来るようになるのか、という話だが、子供が幼稚園に入園できる3歳を目安にしてもあと1年以上、小学校に入学するタイミングを目安にすると5年程かかる事になる。二人目、三人目があるとすればもっと長い。
その間今のクオリティの動画を出し続け、不労所得を増やす事に主眼を置いて活動し続ければ、レイはクリエイターとして本質的に変わってしまうだろう。
少なくとも、純粋に面白い動画を作る事に全てを注ぐ意識でなくなってしまうのは確かだ。

個人勢のVTuberは個人勢のYouTuberがやっているように、作家や編集のようなメンバーを集めてチームを組む意識を持つべきなのだと思う。
出役もこなせるようなメンバーをチームに組み込んでおくと、レイが出産前後にとったような無理のあるスケジュールを組まなくて済む。
複数名で動画制作に当たるのでブレーンが調子を崩してもチャンネルのクオリティを維持出来る。
今後そういった動きをする個人勢も出ると思うが、自分が調子を崩す前に体制を整える発想が出来なかったのはレイの落ち度と言える。今度はリオの番かも知れないし、今後何かあった時の為にそういった施策をするべきなのだが、目先の金を稼ぐ以外考えられなくなっているようで、残念である。

長い間ぽこピー以外との関わりを絶ってきた事から他のVTuberともどう関わっていいのか分からなくなっているようであり、他Vや、V界自体との相乗効果も望めない。
既に関係の切れていた樋口楓を企画の材料として呼び出し、雑なドッキリを押し付ける様子から、樋口がにじさんじのみならずV界の重鎮のような位置にいる事が全く分かっていないようである。
どんな現場でもなんとでも結果を出してきた樋口を只々困らせてへらへらしている様子は、敬意を欠いていて不躾な上にあまりにもズレていて、絡み辛いVだと言わざるを得ない。
ぽんぽこと仲が良いのも、おめシスの絡み辛さと独善ぶりを気にしないのが業界にぽんぽこ一人しかいない、というだけの話だ。おめシスにとって業界一の友はぽんぽこでも、ぽんぽこからするとそうではない、という点にも言及したい。

VTuberを新しいステージへ導くのは上げている動画や配信の質・革新的な活動の方向性・同業者と人脈を築き、協力し合って大きな仕事を成し遂げる事、等である。
そのどれをも失って収益の為だけに活動を続けるおめシスは、動画クリエイターと言うより既得権益を頼みに収入を得るネットアイドルだ。
今後ファン層が増える事はないだろうし、業界を賑わす事もないだろう。


【 リオ 】
 出産・子育てを経て大きく変化したレイだが、相方であるリオは何も変わらない。レイの私生活が大変な今、代わりに屋台骨を支える事もしない。
リオはあくまでレイの付録、レイに搭載された核弾頭級の主砲に過ぎない。
自発的に動く事はないし、ユニットの方向性に言及する事もない。
仮にレイがVTuberを引退すると言い出したら、リオは何の迷いもなく一緒に業界を去るだろう。
私はそこに主体性の欠如や他力本願な無責任さではなく、ある種のいじらしさと儚さを感じるのだ。

かわいい動物に名前をつける大喜利で男性器の俗称をシャウトする彼女は今、ボケ担当のVTuberとして脂が乗りきっている。


→【 ⑥甲賀流忍者!ぽんぽこ 】に続く

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